抽選によるウイスキーの販売が増えています。
しかし、抽選販売しているウイスキーとはどのような品で、なぜ抽選販売となっているのでしょうか。
ウイスキーが抽選販売される背景と、そのウイスキーの魅力をお伝えします。
ウイスキーが抽選になるのは「ウイスキー原酒」が不足しているから
日本のウイスキーが抽選販売になる理由は、ハイボール人気の高まりや、連続テレビドラマ「マッサン」の影響によるものです。
ウイスキー人気に対して「ウイスキー原酒」が慢性的な不足に陥っているため、ウイスキーの供給量を制限せざるを得なくなっています。
「ウイスキー原酒」とは調整前のウイスキーのこと
「ウイスキー原酒」とは、熟成後に樽から出されたままのウイスキーです。
ウイスキー原酒には「モルトウイスキー原酒」と「グレーンウイスキー原酒」の2種類があります。
大麦麦芽を原料とし、味わいや風味に個性が現れるのがモルトウイスキー原酒で「ラウドスピリッツ」とも呼ばれます。
グレーンウイスキー原酒は「サイレントスピリッツ」とも呼ばれ、大麦麦芽・トウモロコシ・ライ麦・小麦などの穀類を原料としており、穏やかなフレーバーが特徴です。
日本のウイスキーの多くは、2種類の原酒をブレンドし、初心者からツウまで楽しみやすい味わいに仕上げられています。
不足するのは熟成に時間がかかるから
ウイスキーは完成に至るまで、世界で最も時間がかかるお酒の1つと言われています。
熟成をしていないウイスキーを「ニューポット」と言いますが、アルコール感ばかりが目立つため、飲用向きではありません。
ウイスキーは樽による熟成があってこそ、華やかな香りや奥深い風味、まろやかな味わいに仕上がります。
実際に日本ウイスキー協会では、最低でも3年以上熟成していなければ「ジャパニーズウイスキー」として販売できない、と定めています。
つまり、現在飲んでいるのは、3年以上前に製造されたウイスキーかもしれないということ。
ウイスキーが不足したからと言っても、すぐに生産できないためウイスキー不足が深刻化し、抽選販売となっています。
【勘違い厳禁!】ウイスキーの熟成年数についての豆知識
ウイスキーのラベルに記載されている熟成年数を、よく理解できていない方も多いのではないでしょうか。
今ではウイスキー大好きな筆者も、熟成年数について初めて知った時は驚きました。
例えば「12years old」とボトルに記載されているウイスキー。
12年物のウイスキーは、ちょうど12年のウイスキー原酒が使用されているように感じられますが、違います。
「12years old」は最低でも12年以上熟成したウイスキーを使っているという表示です。
ウイスキーをブレンドする際に、必要であれば12年物に20年以上熟成させたウイスキー原酒が使われる場合もあります。
12年物の表示をしているウイスキーでも、15年物や20年物のウイスキーが使われているため、販売数が限定されてしまうという訳です。
【2021】抽選販売になったウイスキーを紹介
2021年に抽選販売となったウイスキーを紹介します。
既に終売となったウイスキーもありますが、抽選販売への応募が間に合うウイスキーもあります。
興味のある方は、ぜひ抽選に応募してみてください。
サントリー創業90周年記念に限定販売された「響 BLOSSOM HARMONY 2021」
華やかな香りとフルーティな味わいで世界的な人気を誇る「サントリー 響(ひびき)シリーズ」の限定品です。
2021年5月に全国で販売を開始し、いったん終売となったものの、2021年9月に再販が決定。
販売本数は不明ですが、サントリー公式HPの抽選専用ページから応募が可能です。
抽選に当たれば「響 BLOSSOM HARMONY 2021」が定価の8,800円で購入できるため、ぜひ応募してみてください。
500本限定販売されている「山崎 LIMITED EDITION 2021」
「山崎 LIMITED EDITION」は毎年500本限定で抽選販売されているウイスキーです。
2021年は5月と9月に抽選販売されており、9月分に関しては抽選専用ページから応募が可能です。
サントリーオンラインショップイエノバへの登録が必要になりますが、当選すれば定価8,800円で購入できます。
限定デザインの箱とボトルは重厚感が感じられ、製造元である山崎蒸溜所のこだわりがわかります。
手に入ったのなら、プレゼントとしてもぴったりな逸品です。
人気が高く毎回抽選販売になる「厚岸蒸留所ウイスキー」
厚岸蒸溜所は、2016年にウイスキーの製造を開始した新興蒸溜所です。
2021年にウイスキーの販売を開始し、国際的な賞を複数受賞して注目を集めています。
販売元が抽選販売としている訳ではなく、取り扱い店が独自に抽選販売を行っています。
販売数は取り扱い店によって違いがありますが、20~60本と少量のみの販売です。
抽選になっている理由は、蒸溜所の規模が小さく、大量生産できないから。
ジャパニーズウイスキー界の新星とも言える厚岸蒸溜所のウイスキーを見かけたら、ぜひ応募してみてください。
抽選販売のウイスキーを入手する方法は?
抽選販売となったウイスキーを入手する方法は大きく分けて3つあります。
「公式ホームページからの申し込み」「通販サイトでの購入」「取り扱い店の抽選応募」です。
それぞれのメリットやデメリットをお伝えするので、購入時の参考にしてください。
抽選のウイスキー入手方法1.公式ホームページで申し込む
公式で開催される抽選販売では、ウイスキーを定価で居住地域に関係なく手に入るのがメリットです。
ただし、ライバルが多くて当選する確率が低いのがデメリット。
インターネットによる全国的な抽選販売なので、応募する方が多く、なかなか当選しません。
当選した方はよほどの強運の持ち主です。
抽選のウイスキー入手方法2.通販サイトで購入する
通販サイトでは、当選の有無を問わず、確実に入手できるのがメリットです。
しかし定価では手に入りません。
抽選販売のみの限定ウイスキーは、必ずと言っていいほど価格が高騰します。
時には、定価の10倍近い価格になることがあるほどです。
財布に余裕があるなら、確実に入手できる通販サイトがおすすめですが、出品者の情報だけは確認しておきましょう。
悪質な業者の場合、箱だけで中身がない、詐欺のような出品者がいるからです。
気持ちよくウイスキーを楽しめるよう、細心の注意を払ってください。
抽選のウイスキー入手方法3.百貨店や酒販店の抽選に応募する
ビックカメラや高島屋などの、百貨店や酒販店での抽選は、定価で入手できるうえ公式サイトよりも当選確率が高いのが特徴です。
デメリットは、抽選の形式がそれぞれで異なり、ややこしいこと。
インターネット上での応募の他、電話やはがきなど、取り扱い店によって応募の方法が様々です。
さらにお店によっては、当選しても店舗まで受け取りに行く必要がある場合もあります。
応募方法と受け取り方法を確認のうえ応募するのがおすすめです。
通販サイトで入手できる抽選販売ウイスキー3選
通販サイトで入手できるウイスキーを紹介します。
定価や値動きも紹介するので、抽選販売されたウイスキーを購入する際にお役立てください。
入手可能な抽選販売ウイスキー1.華やかな香りで初心者向けの「響 BLOSSOM HARMONY」
「響 BLOSSOM HARMONY」基本情報
- 定価:8,800円
- 生産量:不明
- 販売元:サントリー
名前の通り、桜の木で作った樽で熟成したウイスキーをブレンドしています。
桜の木は燻製にも使用され、香りの強さが特徴です。
「響シリーズ」は華やかな香りとフルーティな味わいが特徴ですが、ブロッサムハーモニーは桜樽による熟成で雰囲気の違った味わいに仕上がりに。
桜を彷彿とさせる甘く華やかな香り、丸みを帯びた親しみやすい味わい、爽やかさのある豊かな余韻がハーモニーを奏でます。
通販サイトでの価格は50,000円程度まで高騰しているものの、結婚式や還暦などのお祝いごとに、何人かで一緒にプレゼントするなら手が出ないわけではありません。
今しか味わえない特別な「響」は、プレゼントにぴったりの逸品です。
入手可能な抽選販売ウイスキー2.フルーティで滑らかな飲み心地の「山崎 LIMITED EDITION 2021」
「山崎 LIMITED EDITION 2021」基本情報
- 定価:8,800円
- 生産量:500本
- 販売元:サントリー
希少なミズナラ製の樽で熟成させたウイスキー原酒を贅沢にブレンドしたウイスキーです。
12年以上熟成させた原酒のブレンドが、濃厚な甘みとフレッシュな果実感を与えてくれます。
口に含んだ瞬間に広がるパイナップルやオレンジのような果実感と、はちみつやココナッツクリームのような優しい甘みが感じられます。
余韻はショウガに似た、わずかなスパイシーさがあり、飲み込んだ後も楽しめる一本です。
生産量が少なく、通販サイトでは80,000~90,000円となっています。
正直、簡単に購入できる金額ではありません。
今のところ毎年行われている抽選販売に応募するのが現実的です。
2021年版がどうしても飲みたい方は、仕事やバイトを頑張るしかありませんが、無理はなさらないでください。
入手可能な抽選販売ウイスキー3.北海道の大自然が育んだ「厚岸 ブレンデッドウイスキー 処暑」
「厚岸 ブレンデッドウイスキー 処暑」基本情報
- 定価:11,000円
- 生産量:不明
- 販売元:厚岸蒸溜所
北海道で製造され、海の風味を感じる個性豊かなウイスキーです。
スモーキーさと潮の香りが特徴の、通称「アイラモルト」と呼ばれるウイスキーを目指した逸品。
クセがあるものの、何度も飲みたくなる不思議な魅力を持っています。
抽選販売されているウイスキーの中でも、比較的安価で購入できます。
なぜなら、200mlサイズの小瓶があるからです。
スタンダードの700mlは55,000円ほどと高値ですが、小瓶なら10,000円前後で手に入ります。
いつも頑張っている自分へのご褒美としてどうぞ。
抽選販売のウイスキーは価格以上の価値がある
抽選販売されているウイスキーは、公式の抽選販売や正規小売店で購入しなければ、非常に高価な品です。
しかし、限定ウイスキーでしか味わえない風味や香りはプライスレス。
お財布が許すなら、ぜひ一度味わってみてください。
「買ってよかった」と心から思える逸品に出会えるかもしれません。