世界中のウイスキーの中で、最もクセが強いウイスキーと言われるのがアイラウイスキーです。
アイラモルトとも呼ばれ、好き嫌いが分かれやすい傾向にあるものの嗜好が合えば病みつき間違いなし。
アイラウイスキー好きで常にストックしている筆者が、アイラウイスキーの魅力をお伝えします。
初心者向けのアイラウイスキーも紹介するので、あわせて参考にしてみてください。
- 1. アイラウイスキーとは?世界一クセのあるウイスキーの魅力
- 2. 【ブレンデッドモルト編】強烈スモーキー!アイラを味わい尽くせるウイスキー3選
- 3. 【シングルモルト編】フェノール値順!虜になる味わいのアイラウイスキー6選
- 3.1. フェノール値6位.柑橘系フレーバーと程よいスモーキーさ「BOWMORE(ボウモア)12年」
- 3.2. フェノール値5位.アイラウイスキーの特徴をバランス良く備えた「CAOLIA(カリラ)12年」
- 3.3. フェノール値4位.クセの強い味わい!根強いファンが多い「LEGAVULIN(ラガヴーリン)16年」
- 3.4. フェノール値3位.大麦麦芽の豊かな味わい&ヘヴィスモーク「PORT CHALOTTE(ポートシャーロット)10年」
- 3.5. フェノール値2位.開封と同時に漂うスモーキーフレーバー「ARDBEG(アードベッグ)10年」
- 3.6. フェノール値1位.スモーキーさ世界一「OCTOMORE 12.1 SCOTTISH BARLEY(オクトモア 11.1 スコティッシュ・バーレイ)」
- 4. アイラウイスキーに合う最強おつまみは生牡蠣
- 5. アイラウイスキーは焚き火との相性も抜群!キャンプにもおすすめ♪
アイラウイスキーとは?世界一クセのあるウイスキーの魅力
アイラウイスキーはスコットランドの西端にある「アイラ島」で製造されているウイスキー、またはアイラ島で製造されたウイスキー原酒がブレンドされたウイスキーです。
スコットランドにある島々を総称して「アイランズ」と呼びますが、アイラ島だけはアイランズに含まれません。
アイラ島は「スコッチの聖域」とも呼ばれ、熱狂的ファンが多くいます。
人々を惹きつけるアイラウイスキーのクセの強さの理由と魅力を紹介します。
アイラウイスキーのクセの強さは「ピート」と「熟成環境」による
アイラウイスキーがクサいと言われたり、クセが強いと言われたりするのは、強烈なスモーキーさと潮の風味があるため。
アイラウイスキーは、原料である大麦麦芽(モルト)を乾燥させる際にピートを使い、海に囲まれた環境での熟成によって独特の風味が生まれます。
ピートとは、海藻や水生植物が炭化した泥炭のこと。
アイラウイスキーのスモーキーさは、正露丸に例えられるような強烈な香りが感じられて好き嫌いが分かれます。
筆者が飲みすぎなのかもしれませんが、アイラウイスキーのスモーキーさは、飲んだ次の日の朝も鼻の奥に残っているほど。
スモーキーさの強弱は「ppm値(フェノール値)」の高さで表されますが、初心者なら20ppm未満からトライしてみましょう。
アイラウイスキーは「シングルモルト」と「ブレンデッドモルト」の2種類のみ
種類 | 特徴 |
---|---|
シングルモルト | 単一の蒸溜所で製造したウイスキーのみを使用している。熟成した環境によって味わいが変化する場合があるが、蒸溜所の個性を楽しめる。 |
ブレンデッドモルト (ヴァッテッドモルト) | 複数の蒸溜所のモルトウイスキー(大麦麦芽を使用したウイスキー)をブレンドしている。単一蒸溜所のウイスキーだけでは味わえない風味を楽しめる。 |
シングルモルトとブレンデッドモルトの違いは上記の通り。
アイラ島にある蒸溜所はシングルモルトのみを製造しており、ボトラーズがブレンデッドモルトを製造しています。
ボトラーズとは、ウイスキー原酒を蒸溜所から樽ごと買い取って、独自の熟成とブレンドを行う会社の総称。
シングルモルトとブレンデッドモルトと2種類しかないため、銘柄以外に頭を悩ませる心配がない手軽さも魅力です。
【ブレンデッドモルト編】強烈スモーキー!アイラを味わい尽くせるウイスキー3選
高いブレンド技術が必要と言われるブレンデッドモルト。
ボトラーズが腕によりをかけて製造したウイスキーは、各蒸溜所のいいところがしっかりと引き出されています。
初心者におすすめのアイラウイスキーのブレンデッドモルトを紹介します。
貴重な蒸溜所のウイスキーがブレンドされた「BIGPEAT(ビッグピート)」
ハイボールがおすすめ!強烈スモーキー「SMOKEY JOE(スモーキージョー)」
アイラ島の人気蒸溜所ウイスキーをブレンド「ISLAY JOURNEY(アイラジャーニー)」
おすすめ1.貴重な蒸溜所のウイスキーがブレンドされた「BIGPEAT(ビッグピート)」
1983年に閉鎖となった「ポートエレン蒸溜所」のアイラウイスキーがブレンドされています。
アイラ島の潮風に吹かれるおじさんをイメージしたというラベルデザインも個性的ですが、味わいも個性的。
最初のひと口はスモーキーフレーバーに完全支配されるほど強烈です。
2~3杯飲んでスモーキーさに慣れるにしたがって、ほのかな甘みや潮の香りが混じり合う繊細な味わいが顔を出します。
筆者が最近最もハマっており、1週間に1度は飲まないとビッグピート不足で元気がなくなるビッグピート、ぜひお試しください。
おすすめ2.ハイボールがおすすめ!強烈スモーキー「SMOKEY JOE(スモーキージョー)」
「強烈なピート」を体感してみたい方にぴったりのブレンデッド・アイラモルトです。
ピートによるスモーキーさと、海藻や海風のような風味が鼻腔をくすぐります。
通常のハイボールで試してスモーキーさに慣れたら、氷を入れない常温ハイボールにも挑戦してみましょう。
ウイスキーの温度が下がらず、より濃いスモーキーフレーバーを楽しめます。
おすすめ3.アイラ島の人気蒸溜所ウイスキーをブレンド「ISLAY JOURNEY(アイラジャーニー)」
アードベッグ・ラフロイグ・ラガヴーリン・ブナハーブン・カリラと、アイラファンの中でも人気の銘柄がブレンドされています。
紹介した2本のブレンデッドモルトウイスキーも同様ですが、ストレートで飲むと口と鼻がスモーキーさで支配されてしまいます。
初心者はロックで楽しむのがおすすめ。
氷で冷やされて程よく押さえられたスモーキーさと、スモーキーさの後ろに隠れた大麦麦芽の芳醇な味わいを楽しめます。
【シングルモルト編】フェノール値順!虜になる味わいのアイラウイスキー6選
筆者が飲んだ経験のあるシングルモルトのアイラウイスキーを紹介します。
わかりやすいように、スモーキーさの度合いを示すフェノール値の順にしています。
初心者にはフェノール値の低いアイラウイスキーから試すのがおすすめです。
柑橘系フレーバーと程よいスモーキーさ「BOWMORE(ボウモア)12年」
アイラウイスキーの特徴をバランス良く備えた「CAOLIA(カリラ)12年」
クセの強い味わい!根強いファンが多い「LEGAVULIN(ラガヴーリン)16年」
大麦麦芽の豊かな味わい&ヘヴィスモーク「PORT CHALOTTE(ポートシャーロット)10年」
開封と同時に漂うスモーキーフレーバー「ARDBEG(アードベッグ)10年」
スモーキーさ世界一「OCTOMORE 12.1 SCOTTISH BARLEY(オクトモア 12.1 スコティッシュ・バーレイ)」
フェノール値6位.柑橘系フレーバーと程よいスモーキーさ「BOWMORE(ボウモア)12年」
フェノール値:20~30ppm
「飲めない」と感じるほどの強烈なスモーキーフレーバーはありません。
程よくスモーキーなウイスキーを海辺の家の中で飲んでいるような感覚。
「アイラモルトの女王」と言われるウイスキーですが、スモーキーさや潮の風味だけでない豊かな味わいが納得させてくれます。
初めてのアイラウイスキーとして間違いのない逸品です。
フェノール値5位.アイラウイスキーの特徴をバランス良く備えた「CAOLIA(カリラ)12年」
フェノール値:34~38ppm
スモーキーさ・潮の風味・ピリリとした刺激感、アイラモルトらしさを味わいたい初心者にぴったりのアイラウイスキーです。
ボウモアに比べると主張は強め。
スモーキーな刺激が強いと感じた場合はハイボールにして味わってみると、クセ感が程よくなります。
フェノール値4位.クセの強い味わい!根強いファンが多い「LEGAVULIN(ラガヴーリン)16年」
フェノール値:34~38ppm
ラガヴーリンあたりから先は好き嫌いが分かれやすくなります。
アイラウイスキー好きの中には根強いファンも多く、カリラをストレートで飲んで美味しいと感じたなら試してみる価値アリです。
アイラファンが行きつく究極の1本とも言われており、アイラモルトファンの方へのプレゼントとしてもおすすめです。
フェノール値3位.大麦麦芽の豊かな味わい&ヘヴィスモーク「PORT CHALOTTE(ポートシャーロット)10年」
フェノール値:40ppm
泥炭のような黒を主体としたデザインで、強烈なスモーキーさを連想させます。
飲んでみると確かにはっきりとしたスモーキーさがありますが、大麦麦芽の旨味もしっかりと感じさせる1本。
スコットランド産大麦麦芽のみの使用にこだわったポートシャーロットは、ぜひ飲んで頂きたい1本です。
フェノール値2位.開封と同時に漂うスモーキーフレーバー「ARDBEG(アードベッグ)10年」
フェノール値:55ppm
開封した瞬間から周囲がスモーキーな香りに包まれます。
筆者が友人との家飲みでアードベッグを開けた際は、正露丸を飲んでいると勘違いされ、体調を心配されたほど。
とにかく強烈なスモーキーフレーバー、だからこそクセになる。
タバコを嗜んでいる方にもおすすめです。
フェノール値1位.スモーキーさ世界一「OCTOMORE 12.1 SCOTTISH BARLEY(オクトモア 11.1 スコティッシュ・バーレイ)」
フェノール値:139.6ppm
アルコール度数が59.4%と高いですが、スモーキーさがヘビーすぎて、ほとんど気になりません。
スモーキーさの後ろに隠れたフルーティな風味とバニラ系の甘い味わいは、チェイサーを上手に活用すると顔を出します。
オクトモアを含んだら、飲み込んでしまう前に水を少量含んで、舌で混ぜるように味わってみてください。
包み込まれるような甘い風味を堪能できます。
アイラウイスキーに合う最強おつまみは生牡蠣
クセの強さで有名なアイラウイスキーには生牡蠣がぴったり。
スモーキーなフレーバーが生牡蠣の生臭さを打ち消して、牡蠣のクリーミーさがグッと際立ちます。
生牡蠣の生臭さが苦手な方もぜひ試してみてください。
アイラ島では生牡蠣にウイスキーを垂らして食べる
生牡蠣とアイラウイスキーを楽しむなら、生牡蠣にアイラウイスキーを数滴垂らして食べてみましょう。
筆者が試した経験のあるアイラウイスキーはアードベッグ 10年とボウモア 12年、ビッグピートの3種類。
ボウモア 12年なら4~5滴、アードベッグ 10年やビッグピートなら2~3滴でバランスのいい味わいになります。
牡蠣の燻製をイメージした香りと味わいが最も近いですが、生牡蠣ならクリーミーさが段違い。
アイラウイスキーの本場アイラ島だからこそ生まれた食べ方を、じっくりと堪能してみてください。
アイラウイスキーは焚き火との相性も抜群!キャンプにもおすすめ♪
アイラウイスキーの持つ強烈なスモーキーさは、焚き火の薪が燃える香りと相性抜群。
癒し効果のある焚き火のゆらぎと、アイラウイスキーをじっくりと飲む時間は日頃のストレスを発散させてくれます。
焚き火で焼いたマシュマロの香ばしさと、アイラウイスキーのスモーキーさのハーモニーをお楽しみください。