ジビエは、これまではフランス料理などに親しんでいるグルメな方々に好まれているものでしたが、最近は鍋料理や焼肉などで一般の人にも取り入れられるようになり、ちょっとしたブームになっています。
ジビエにはさまざまな種類があり、調理法非常に多様です。
どんな種類があり、家庭で取り入れるにはどんな料理がいいか、また合わせるお酒などをご紹介します。
そもそもジビエとは
ジビエはもともと、狩猟で捕獲された野生の鳥獣のことをいいます。
本来は完全な野生のものを指しますが、飼育してから野に放ったり、野生から捕まえてきたものを飼育したものも、今では含まれています。
日本では農作物の被害を防ぐために捕獲したものをジビエとして販売している地域が多く、さまざまな地域でとれた鳥獣の肉を手に入れることができます。
ジビエの旬はいつ?
ジビエは野生の鳥獣ということもあり、冬に向けて体に脂肪を蓄える秋が旬にあたります。
冬場は餌となる果実や木の実がなくなり、年を越した頃から肉質が痩せるため、その前がおいしいといわれています。
農作物の食害に悩まされるのも、実りの季節であることを考えると、おいしいものを食べて育つ時季がいちばん充実した状態なのがわかります。
ジビエにはどんな種類があるの?
野生の鳥獣、という定義はあるものの、とても多様なのがジビエ。
鳥類だけ挙げても、鴨やアヒルといった比較的よく聞くものから、キジや雷鳥、ヤマシギといった珍しいものまでさまざまです。
獣類でいうと、鹿やイノシシといった、今ではポピュラーになっているものから、野うさぎやクマ、アナグマなど、あまり見かけないものもあります。
ちなみにウサギを1羽2羽と数えるのは、鳥だと偽ってウサギを食べていた頃の習慣からきているのだそう。
日本でジビエが食べられるようになったのは江戸時代の頃のことで、明治時代に入ってから一般化したといわれています。
ジビエというとヨーロッパのもののイメージが強く、入ってきたのは最近なのではと思いがちですが、マタギなどの猟師がいたことからも、古くからある食習慣だということがわかります。
家庭で食べるならどんな料理がいい?
フランス料理のような手の混んだものは出来ないけれど、家でジビエを楽しんでみたいときに、いちばん手軽に取り入れられるのは、鍋料理と焼肉ではないでしょうか。
イノシシのスライスを牡丹の花のように盛り付けて、白味噌仕立てで食べるぼたん鍋は、京都の山間の冬の風物詩です。
雪が降る中で仕留められたエゾシカは、ブロックで手に入れたならぜひシチューやカレーなどの煮込み料理に。
スライスして焼肉にしてもあっさりとして食べやすく、ジビエ初心者にとっても親しみやすい味わいです。
また、冬になるとしっかりと脂を蓄える鴨は、ローストなどでももちろんおいしいですが、鍋料理や鴨南蛮にするととびきりのおいしさが楽しめます。
ジビエに合わせるならどんなお酒?
ジビエに合わせるお酒というと、ヨーロッパのイメージが強いこともあり、真っ先に赤ワインを連想する方が多いのではないでしょうか。
ウサギのようなあっさりと淡白な味わいのものは、ローストなどのシンプルな料理ならライトボディの赤ワインや、ムルソーなどのように重たい白ワインと。
鹿やイノシシは、家庭で鍋や焼肉で楽しむのなら、少し重めの赤ワインをチョイスすると間違いがありません。
鴨鍋にはピノ・ノワールがよく合うことでも知られており、王道の組み合わせだといえます。
しかし、ワインだけでなく日本酒にもよく合うものがあります。
例えば、少し熟成したうまみの強い日本酒は、しっかりとした味わいのジビエを引き立ててくれます。
家庭で食べるのはなんとなくハードルが高い気がしていた人も、ぜひ簡単な料理でジビエを取り入れてみてください。
きっと家でのごちそうに新たなバリエーションが加わりますよ。