おめでたい席のごちそうや、お寿司などでいただくことの多い海老。
結婚披露宴の料理にグラタンにして出される大きな伊勢海老や、お寿司に天ぷら、家庭で食べるエビチリなどの炒め物やエビフライなど、さまざまな料理にいろいろな海老が使われています。
たくさんの種類がある海老の中でも、とりわけおいしいといわれているのが車海老です。
今日は車海老について紐解いていきましょう。
車海老と他の海老との違いは?
車海老というと、名前は聞いたことがあるけれど、あんまり食べたことがないかも、と思う人が多いのではないかと思います。
車海老は天ぷら店や寿司店で使われることが多く、炒め物やエビフライにして使うことは稀だといえ、家庭で食べる機会は少ないかもしれません。
寿司店でいただく車海老は、紅白の縞がくっきりとしていますが、この紅白の縞は鮮度が良くないときれいに出ないものでもあります。
そのため、寿司店や天ぷら店では、車海老を生きた状態で仕入れることが多く、食感もしっかりとした歯ごたえがあり、その濃厚な甘みは、濃い味付けをしなくても、そのままで十分おいしく楽しめます。
また、他の海老が天然物が多いのに比べ、車海老は養殖物が多いといえ、その多くが熊本県天草市で育てられています。
活けで流通する機会が多いからこそ、安定して供給できる養殖が発展したともいえ、今はオンラインショップなどで一般消費者にも販売しているので、家で食べないのはもったいないともいえるのです。
車海老はどうやって育つの?
熊本県天草市でその多くが養殖されている車海老ですが、実際にどのように育つかご存知でしょうか。
車海老は毎年6月ころに採卵し、孵化させて稚海老をまず育て、15ミリほどの大きさになったら養殖池に移します。
新鮮な海水を取り込んだ養殖池では、海藻のエキスなどを含んだ餌を食べて育ち、ゆっくりと大きくなります。
車海老が大きく育って、出荷されるようになるのは12月頃から。
その前の、秋に出荷されるものは、出荷数の調整をするために間引いたもので、東京の豊洲市場などに出荷されると、まだ小さいものの、走りのものとして高値で取引されます。
飲食店向けの活けのもの以外に、冷凍のものもあるので、家庭で料理するのであれば、冷凍のものでも十分おいしくいただけます。
車海老のおいしい食べ方
車海老は、お刺身として食べることも出来ますが、火を通すことでそのおいしさが増すので、しゃぶしゃぶにしたり、シンプルに塩焼きにするのがおすすめです。
もちろん、天ぷらやフライ、炒め物にしてもおいしくいただけますが、濃い味付けにしてしまうのはちょっともったいないといえるので、天ぷらもレモンと塩で食べたり、炒めものもシンプルな塩炒めがいいといえるでしょう。
そして、天ぷらやフライなどにする時には、火を通しすぎないことがおいしく食べるコツだといえ、まだ中は生かな?と思うくらいのところで火からおろすのがいいといえます。
火加減に気をつけながらおいしく仕上げたいですね。
車海老に合わせるお酒
冬の寒い時期に、しっかりと大きく育った車海老を料理して食べるなら、どんなお酒を用意するのがいいでしょうか。
シンプルに塩焼きで食べるなら、イタリアのサルデーニャ島で造られる微発泡の白ワインはいかがでしょうか。
ラベルにも海老がプリントされており、その相性はいわずもがな。
海老以外のシーフードにもよく合うので、ストックしておくと便利な1本でもあります。
しゃぶしゃぶで楽しむのなら、同じアラゴスタのロゼもおすすめです。
また、さっと車海老にお酒を回しかけて蒸し、お酒の香りでいただく酒蒸しも簡単でおすすめです。
酒蒸しに使ったお酒を一緒にいただく、といった飲み方をするのであれば、大七の純米生もとがぴったりきます。
火を通すからこそ、本領を発揮する車海老は、家庭でシンプルに食べるのにとても向いている海老。
ぜひそのおいしさを味わってみてください。
きっとやみつきになりますよ。