虎鯖棒寿司をご存知ですか?
日本屈指のサバの水揚げ量を誇る八戸でとれたサバの中でも、特に脂の乗ったサバを使って作られる棒寿司で、ダンチュウなどの料理雑誌やメディアで取り上げられたことをきっかけに一躍有名になりました。
虎鯖棒寿司に使われる八戸のサバについてや、お取り寄せグルメとよく合うお酒をご紹介します。
八戸のビジネスホテルが生んだ絶品棒寿司
虎鯖棒寿司を作っているのは、八戸にあるビジネスホテル「八戸ニューシティーホテル」。
一見意外な組み合わせですが、ホテル内には和食処があり、そこで板長を務める谷口圭介さんが虎鯖棒寿司を生み出しました。
八戸はサバがたくさんとれることで知られているのに、おいしい名物料理がなかったことに気づき、いろいろなサバ料理を作り、試行錯誤を重ねたといいます。
それから30年の歳月をかけて生まれたのが、虎鯖棒寿司や八戸ニューシティーホテルで食べることのできるサバの味噌煮です。
虎鯖棒寿司の名前の由来となっているのは、サバの背に浮き上がる虎のような模様から。
脂の乗ったサバを塩と酢だけで3日間かけて締め、うまみを凝縮させたサバを使った棒寿司は、八戸のサバ料理を代表する逸品です。
現在はオンラインショップで購入できるので、ぜひ取り寄せて楽しみたいですね。
日本のサバ漁の最北端、八戸港
八戸港は、サバのとれる漁場としては最北端といえる緯度に位置し、水温が低いことからサバの脂肪分が高くなるといいます。
毎年9月頃になると急激に水温が低下し、冬に向けてその身体に脂肪を蓄え、トップシーズンともなると、600gを超える大きなサバの脂肪分は30%にもなるのだそう。
八戸のサバは、同じように北に位置する北欧産のものよりも脂肪の後味が良く、日本一脂の乗ったサバとして、飲食店で高い評価を受けています。
三陸以北でとれ、八戸港で水揚げされるサバは「八戸前沖さば」というブランドで販売しており、水揚げの状況や脂肪分、重さを参考に、毎年ブランドの認定期間が発表されます。
なかでも魚体が550gを超えるものを「銀鯖」と呼び、これは漁獲量のたった1%しかないと言われています。
今がちょうど八戸前沖さばの認定期間でもあるので、しっかりと脂の乗ったサバを期間中にぜひ楽しみたいですね。
虎鯖棒寿司に合わせるお酒
脂のりの良い厚い身の鯖を使った虎鯖棒寿司に合わせるなら、やはり日本酒がまっさきに思い浮かびます。
せっかくなので、地元である八戸の日本酒と合わせるのはどうでしょうか。
如空は八戸にある歴史ある酒蔵、八戸酒類で造られる日本酒。
青森県産のお米を使用し、複雑な口当たりとしっかりした味わいが感じられる、山廃仕込みの本醸造は、冷やでも燗をつけてもまろやかでおいしいのがいいところです。
脂の乗った虎鯖と、ギュッと詰まった酢飯の味わいをしっかりと受け止めてくれます。
また、同じく八戸にある酒蔵、八戸酒造が造る陸奥八仙ISARIBI特別純米は、漁師さんのお酒をイメージして造られた日本酒。
八戸でとれるサバやイカを使った料理との相性が良いことでも知られています。
漁師さんに感謝をしつつ、お酒と虎鯖棒寿司を頂きたいですね。
八戸のサバ製品とウイスキーを合わせる
八戸のサバ製品には、棒寿司やしめ鯖、味噌煮といった和風のもの以外に、サバカレーや燻製が作られています。
サバの燻製に合わせるなら日本酒もいいですが、シングルモルトウイスキーもおすすめです。
スコットランドのスカイ島で育まれるタリスカーは、ほのかな塩分の感じられるシングルモルト。
力強いピートの香りや、スモーキーな香りが強く感じられ、魚介類との相性がとてもいいことで知られています。
冬の夜にゆっくりとウイスキーを楽しみながら、サバのスモークを味わうのもいいかもしれません。
虎鯖棒寿司をはじめ、そのおいしさに定評のある八戸のサバを使った製品。
買い置きしてちょっとしたお酒のお供にぜひ楽しみたいですね。