冬においしい滋養のある食べ物の中でも最高級と言われ、専門店でしか食べられないイメージのあるすっぽん鍋。
すっぽんの甲羅が丸いことから「まる鍋」とも呼ばれ、料亭や専門店などで楽しめる、京都の冬の風物詩として美食家の人たちに親しまれています。
栄養があり美容や健康に良いことでも知られるすっぽん鍋は、自宅で楽しむことも出来ます。
すっぽん鍋をするときの鍋の選び方や絶品のお取り寄せ、さらによく合うお酒をご紹介します。
古くから食べられてきたすっぽん
日本では本州以南の地域に生息するすっぽん。
噛み付くと雷が鳴るまで離さないといわれるほど、噛みつきやすくアゴが強いことで知られ、食べると滋養に良いことが知られています。
中国では周の時代に宮廷料理としてすっぽんが食されていたことが記録として残っており、専門の調理人もいたことが書物に記されています。
日本でも古くから食べられており、その始まりは縄文時代に遡るほど。
現代では京料理のひとつとして親しまれていますが、関東地方でもスタミナ食として専門店のコース料理を味わうことが出来ます。
九州ではすっぽんが養殖されており、近年では家庭で楽しめるすっぽん鍋のセットなども販売されています。
強い火力が決め手になるすっぽん鍋
すっぽんには独特の臭みがあり、その臭みをとるには調理に工夫が必要です。
すっぽん鍋を作るときには、たっぷりの日本酒と生姜や焼きねぎを鍋に加えて、土鍋を強火にかけます。
強火といっても、家庭のガスコンロなどの強火ではどうしてもすっぽんの臭みが出てしまうのだとか。
それもそのはず、すっぽん料理の専門店ではコークスを使って、土鍋の底が真っ赤になるくらいの温度で加熱し、臭みを飛ばしています。
そのためすっぽん鍋を作るには、とても強い直火の火力に耐えられる専用の土鍋が必要になります。
専用の土鍋は空焚きをしても割れることがなく、何度も繰り返し使うことですっぽんのだしが土鍋に染み込んで、その店のすっぽん鍋の味を形作るのだといいます。
家庭ですっぽん鍋を楽しむのであれば、長時間強火にかけても大丈夫な専用の土鍋を揃えておきたいですね。
家庭で楽しめる絶品すっぽん鍋
最近は、通販サイトなどでもすっぽん鍋のセットが購入でき、専門店に行かなくても気軽に楽しむことができるようになりました。
すっぽんの養殖もしている九州地方では、専用の養殖池を持つすっぽん料理専門の料亭もあり、調理する1ヶ月前からいけすに移して餌を抜き、独特のクセや臭みを徹底的に取り除いたすっぽんを使用したものを購入することが出来ます。
すっぽんは滋養に良いだけでなく、アミノ酸やコラーゲンをたっぷりと含んでいる一方で、カロリーは控えめと、美容と健康に良いことから女性にも人気があります。
家庭で作るのも簡単なすっぽん鍋のセットをお取り寄せして、ぜひ楽しんでみたいですね。
すっぽん鍋によく合うお酒は?
すっぽん鍋は調理する時にたっぷりの日本酒を煮きって使うため、日本酒ととても相性がいいことでも知られています。
鍋に入れる日本酒と同じものを飲みながらすっぽんをいただけば、その相性は言わずもがなです。
誠鏡の純米吟醸 幻は、独自開発のリンゴ酵母を使って醸した、広島県のフルーティなお酒。
広島県で古くから育てられてきた酒米、八反錦を55%まで磨いたお酒はさわやかな吟醸香とお米のうまみや甘みに加え、軽やかな酸味やほのかな苦味がバランスよく感じられ、後味の切れが良い、飲み心地の良いものです。
一升瓶で購入してすっぽん鍋を作るのにたっぷり使い、残りをよく冷やして一緒にいただけば、料亭にも負けない味わいを楽しむことが出来ます。
まだまだ続く寒い日々。
冬の京料理の代表格であるすっぽん鍋をいただいて、元気に過ごしたいですね。