近年スーパーなどで盛んに売られるようになり、家庭でもよく食べられるようになったホンビノス貝。
別名を白はまぐりとも呼び、その濃厚な味わいのファンも多いのではないでしょうか。
今回、そもそもホンビノス貝はどういう貝なのか、向いている料理やよく合うお酒をご紹介します。
北米がふるさとのホンビノス貝
ホンビノス貝は二枚貝の一種で、日本語では「本美之主貝」、英語ではハードクラムと呼ばれ、親しまれています。
もともと北米が原産の貝で、カナダのプリンスエドワード島からメキシコ湾までの東海岸に生息しており、日本の海には船に付着したりしてやってきたといいます。
別名をその貝殻の色合いから日本では白はまぐりと呼びますが、ホンビノスという名前は、もともと北海道に生息していたビノスガイと区別するためについた名前で、ビーナスに当て字をした「美之主」が由来となっています。
アメリカでは出世魚のように、大きさによって名前が変わる貝として知られ、小さい順に並べると、カウンターネック、リトルネック、トップネック、チェリーストーンという呼び名がついています。
日本で生息しているのが見つかったのは1998年、千葉県の幕張人工海浜でのこと。
以来分布を徐々に広げ、東京湾に定着し、多くの人が食べるようになりました。
スーパーなどに出回り始めたのは2005年頃から。
現在は千葉県船橋市の名産品としても名前が上がるようになり、徐々に知名度をあげている貝でもあります。
ホンビノス貝の特徴は?
はまぐりとよく似た見た目のホンビノス貝ですが、どんな特徴があるでしょうか。
ホンビノス貝はとても丈夫な貝ということで漁業者には知られています。
アサリなどは死滅してしまうような青潮が起きても影響がなく、生命力がとても強い貝で、水揚げされてから1週間ほど保管が出来ます。
また、1年中安定してとることができるため価格も安く、貝類には必須の砂抜きの必要がありません。
丈夫で値段が安い上に味も良く、汁物にすれば濃厚なだしが出るだけでなく、身が大きく食べごたえがあるのもうれしいところです。
かんたんに料理が出来るので、ぜひ家での料理に取り入れたいですね。
ホンビノス貝はどんな料理に向いている?
ホンビノス貝のおいしさは、なんといってもその濃厚なうまみにあります。
潮汁にすればたっぷりのだしが出て、そのおいしさを満喫できますが、シンプルに焼いたり、天ぷらやフライにしてもおいしくいただくことが出来ます。
北米ではクラムチャウダーに使われることで知られ、クラムチャウダーの本場であるニューイングランドでは、ホンビノス貝しか使わないのだそうです。
ニューイングランドスタイルのクラムチャウダーは作るのにちょっと手間がかかりますが、ホンビノス貝のうまみが凝縮した具だくさんのスープはとびきりのおいしさです。
休日のランチなどにぜひトライしてみたいですね。
ホンビノス貝と合わせたいお酒
濃厚なうまみのあるホンビノス貝に合わせるなら、どんなお酒がいいでしょうか。
せっかくなので生まれ故郷の、アメリカ東海岸のワインを合わせてみるのがおすすめです。
ドクター・コンスタンティンは、ぶどう栽培博士と呼ばれたコンスタンティン・フランクが設立したニューヨーク州のワイナリー。
ドイツ系の品種でもあるリースリングを使用したワインは果実のやさしい甘さが感じられるドライすぎない味わいで、ホンビノス貝の濃厚な味わいをしっかりと受け止めてくれます。
エチケットに描かれているように、サーモンを使った料理にもよく合うので、魚介の料理を用意して、よく冷やしたワインとともにいただけば、やってきた春を感じることが出来ます。
春先のまだ肌寒い夜に楽しむクラムチャウダーとリースリングのペアリングに、会話にも花が咲きますよ。