間もなく秋サバの季節がやってきます。
秋ナスと同じく「秋サバは嫁に喰わすな」と言われるほど、晩秋から翌年2月頃までの期間に穫れるマサバは脂が最ものっていて美味しいと言われています。
サバとは
サバはスズキ目サバ亜目サバ科サバ属に分類される魚の総称です。
流通しているサバにはマサバ(真鯖)とゴマサバ(胡麻鯖)、そしてノルウェーなどから輸入されている太平洋サバがあります。
ゴマサバは、体の側面・腹側にゴマのような斑点があり、縦断面の切り身が丸いため、「マルサバ」と呼ばれることもあります。
もともと脂質が少なめで、一年を通じて味の変化はほとんどありません。
ただ、マサバの味が落ちる季節に、それに代って大量に漁獲されることから、夏が旬とされています。
一般的にサバといわれるのはマサバで、「ホンサバ」、「ヒラサバ」などとも呼ばれています。
3月から8月に産卵期を迎え、産卵を終えると北上し、夏には北海道沖などでたっぷりとプランクトンなどの餌を食べ、秋になると産卵のために南下を始めます。
そのため、秋には脂がのり、とてもおいしくなります。
大西洋サバはノルウェーサバとも呼ばれ、主にノルウェーから輸入されています。
ノルウェーでは厳しい漁獲規制のもと、脂が乗った旬の時期に漁船ごとに一定量の決められた量しか漁獲できないようになっているため、常に高い品質が保たれています。
サバの名産地
サバの名産地として真っ先に名前が挙がるのは、大分県大分市の東部の佐賀関ではないでしょうか。
佐賀関は海産物が豊富な豊後水道に突き出ている「佐賀関半島」の先端にあり、「豊予海峡」に面しています。
この海峡は瀬戸内海と太平洋の海が混ざり合う潮流の速い水域であることから、魚の身が引き締まった状態に育つのだとか。
さらに、豊後水道はプランクトンなどのエサが豊富なため、たくさんエサを食べて育つことで脂ののった魚となり、全国屈指の知名度を誇る産地として知られています。
佐賀関で捕れたサバの中でも、大分県漁業協同組合認定の漁師によって佐賀関の沖合で一本釣りされた真サバは、「関サバ」と呼ばれブランド化されています。
それでは、代表的なサバ料理と、それらに合わせたいお酒をご紹介していきましょう!
サバ料理とお酒を楽しもう①サバ寿司
最初の料理はサバ寿司です。
サバ寿司は、サバを用いて作られる 棒寿司の一種、またはサバのなれ寿司のこと。
肉厚で脂がのったサバの旨味と、キリッと酢を効かせたごはんのハーモニーがたまらないですよね。
サバ寿司にはお酢が使われているので、同じく酸味があるワインを合わせてみましょう。
合わせたいお酒は、「アルザス リースリング グリンツベルグ 2021」です。
造り手はストラスブールの西、ベルグビエテン村に17世紀から続くアルザス最北部のグラン・クリュのひとつ「アルテンベルグ・ド・ベルグビエテン」の盟主として知られるドメーヌ・ローラン・シュミット。
グラン・クリュの「アルテンベルグ・ド・ベルグビエテン」に隣接する平均樹齢25年の優良区画のブドウを使用。
きりっとした柑橘の酸味とミネラル感があります。
また、エレガントなフルーテイさも特徴的です。
レモン・ジャムを思わせる甘さと酸味が絶妙に調和した風味が余韻まで続き、最高級レストランが長年にわたってオンリストすることに深く納得の1本です。
サバ料理とお酒を楽しもう②サバの味噌煮
サバの味噌煮に合わせたいお酒は「サバデシュ SABA de SHU」です。
こちらは、「サバ専用日本酒」。
つまりサバを美味しく食べるために作られた日本酒です。
造り手である吉久保酒造のある茨城県は、サバの水揚げ量がトップクラス!
サバどころで生まれたサバを美味しく食べるために作られた日本酒です。
多種の日本酒をブレンドすることで酸とアミノ酸が高められており、サバの脂とマッチしつつ、さっぱりと洗い流してくれます。
サバの旨みに負けない芳醇な米の旨み豊かで呑み応えのある味わいで、冷やから燗まで様々な温度帯で楽しめますが、温度を上げるとサバの脂と溶け合うおいしさをさらに堪能できます。
味噌の濃厚なコクを纏ったサバ味噌煮をしっかりと受け止めてくれる辛口の1本です。
サバ料理とお酒を楽しもう③サバカレー
サバカレーに合わせたいお酒はDHCビールの「DHCベルジャンホワイト」。
カレーのスパイスと、ビールによく効いているコリアンダーが同調するペアリングです。
ビール大国・ベルギーの伝統に則ったスタイルの無濾過白ビールで、副原料のオレンジピールとコリアンダーが奏でる、フルーティで爽やかな香りが楽しめます。
小麦のやわらかな味わいも特徴的。
クリーミーな口当たりなので、カレーの辛みをマイルドにしつつ、泡が口の中をすっきりとリセットしてくれます。
サバの美味しい季節、様々に美味しく調理されたさばとお酒のペアリングをお楽しみください。