スーパーやコンビニでお酒を買うときに「発泡酒」「ビール」と表記がことなるものがありますよね。
ビールよりも低価格な商品が多い発泡酒ですが、その違いについてご存じでしょうか?
そもそもビールとは麦芽、麦などに酵母を加えて発酵させたものなので、麦が使われていればビールなんじゃないか?と思われがち。
ですが、ビールには販売するうえで制限があり、材料の使用量までもが細かく規定されています。
そんなビールと発泡酒の違いについて解説していきます!
「ビール」と「発泡酒」には3つの違いがある?
ビールと発泡酒の違いは、酒税法に従ってそれぞれに使用されている「原料の比率」と「使用できる副原料とその使用割合」、そして「酒税」の3つです。
2018年4月に酒税法が改正され、2020年から段階的にビールの値段が変更されていくことが決まりました。
ビール・発泡酒・第3のビールの値段を1本化することにより、2026年までにはビール・発泡酒・第3のビールの酒税額を55円ほどに統一しようとする取り組みです。
そのため、最終的には現在よりもビールの値段は下がり、発泡酒の値段が上がるということです。
2020年10月現在では「ビール」「発泡酒」の定義は以下のように定められています。
ビール
麦芽、麦などを酵母で発酵させた酒類。
原料:麦芽の比率が50%以上
副原料:使用割合の上限は麦芽の5%まで
酒税:70円
(※2020年10月現在の規定)
発泡酒
麦芽や麦を原料の一部とした発泡性の酒類。
製造する際の発酵に関しては、特に規定されていない。
原料:麦芽の比率が50%未満
副原料:使用割合が5%を超えている
酒税:47円
(※2020年10月現在の規定)
ビール好きな人の中には、発泡酒に対して「味がうすい」「苦みが少ない」などと思う人も多いようですが、これは麦芽の比率や副原料が関係しているのです。
ビールのクセが苦手な人や女性には、発泡酒の方が好まれやすいようです。
「原料」「副原料」「酒税」とは?
原料
ビールの原料は「麦芽」「ホップ」となっています。
発泡酒でもビールでも、原料は麦由来となっています。
副原料
副原料とは、「原料」「麦芽」「水」以外に使用されている材料のことです。
ビールに使用可能な副原料
- 麦、米、とうもろこし、ばれいしょ、こうりゃん、でんぷん、
- 糖類、着色料
- 果実、果汁
- コリアンダー、コリアンダーシード
- 香辛料(こしょう、シナモン、クローブ、さんしょう)
- ハーブ(カモミール、セージ、バジル)
- 野菜(かんしょ、かぼちゃ)
- そば、ごま
- 含糖質物(はちみつ、糖蜜)
- 食塩、味噌
- 花、茶、コーヒー、ココア
- かき、こんぶ、わかめ、かつお節
発泡酒の場合は、上記以外の副原料が使用されており、ビールよりも自由度が高くなっています。
最近では女性にも人気のビールや発泡酒ですが、この副原料が特に肝心になっているのですね!
また、ビールに使用可能な副原料が使用されていても、規定の量を超えている場合は発泡酒に含まれます。
酒税
酒税とは「酒類」に課税される税金のことで、麦芽の比率によって税率が異なります。
また「麦芽率50%」以上であっても、副材料が既定割合を超えていると分類は発泡酒になりますが、ビールと同じ価格の税率になる場合があります。
ちなみに、最近よく聞く「第3のビール」は、麦や麦芽以外を原料としたもの、発泡酒にスピリッツ、または蒸留酒を加えたものを指します。
ビール・発泡酒の規制が緩和!?
酒税法により、ビールと発泡酒の規制が緩和されました。
今まで「ビールはちょっと高い」と思っていた人も、価格が一律になることで選択肢の幅も広がると思います!
これから開発が活発になっていくことも、ビール好きにとっては嬉しいですよね。
開発が進めば、自分に合ったフレーバーの発泡酒も発売されるかもしれません!
好きなビールとともに素敵な日々を過ごしてください。