日本では立ち飲み屋を巡り、現在タイでは短期移住をしながらいろんなビールを飲み比べしている筆者です。
タイ料理店でタイビールに出会って、興味がわいた人も多いのではないでしょうか。
そこで、タイ人から圧倒的支持を誇るタイビールと、その歴史を調査しました。
現在タイでシェア1~2位を誇るビールの背景には、タイビール会社の熱い戦いがあったのです。
ビール好き・旅行好き、タイ好きの人は、ぜひプチ旅行気分を味わいながら楽しんで読んでみてください!
1.Chang(チャーン)ビール
日本でタイビールといえば、SINGHA(シンハー)ビールのイメージが強いかもしれません。
タイでは、シンハーよりも「Chang(チャーン)ビール」の方がメジャーです。
タイのビールの歴史を紐解くと、90年代半ばまではシンハービールが圧倒的シェアを誇っていました。
シンハーが独占するビール市場で勝負に挑んだのが、タイ最大のアルコール飲料メーカーのタイ・ビバレッジ。
タイ・ビバレッジは、シンハーに価格・味で対抗するべく研究を重ね、1995年にチャーンビールを発売。
すると、発売開始した年に爆発的ヒット。
チャーンビールはシンハービールをおさえてシェアを拡大、今もなおタイ人から愛される国民的ビールの地位を確立しています。
Chang(チャーン)ビールの味は?
グリーンのボトルに象が描かれたラベルがトレードマークのチャーンビール。
チャーンとは、タイ語で「象」の意味です。
象は、タイの人々にとって特別な存在で、生活から信仰まで深い関わりがある動物。
まさに国民的ビールを象徴するラベルデザインといえるでしょう。
チャーンビールのアルコール度数は5%。
シンハービールよりも安い価格設定です。
軽い飲み口で、全体的に薄味。
そのため、暑い日にグビグビ飲める・タイのスパイシーな食べ物にもよく合います。
ちょっとだけ独特なホップの香りがありますが、ビールが苦手という人でも飲みやすいクセのない味です。
「これぞ東南アジアのビール!」という爽快感を味わえるはず。
ぜひ、タイへ行ったときはチャーンビールで乾杯してみてください。
2.LEO(リオ)ビール
豹の柄が印象的な「LEO(リオ)ビール」は、現在タイでシェアナンバーワンを誇るビールです。
シンハーが、チャーンビールに抜かれたことをきっかけに、1998年にリオビールを発売。
低価格と飲みやすさを追及した結果、リオビールは爆発的なヒットを記録しました。
リオビールのヒットによりシンハーはチャーンを追い返し、タイビールシェア1位の座に返り咲いたのです。
現在タイ国内ビールシェアは、リオビールが約5割を占め、次いでチャーンビールが約4割と、タイ2大ビールとして君臨しています。
LEO(リオ)ビールの味は?
豹の柄が印象的なリオビール。
チャーンビールより価格が安いことと、薄味で飲みやすいということから、タイ人の若者が好んで飲むビールです。
南国タイでは、氷を入れたグラスにビールを注いで飲むのがスタンダード。
なかでもリオビールは、氷が溶けて薄くなってしまっても、もともとが薄味なので抵抗なく飲めてしまいます。
そのため、チャーンビールは瓶のまま飲む・リオは氷とグラスで飲むというタイ人が多いです。
リオビールのアルコール度数は5%ですが、アルコールを感じないほど爽やかで軽い飲み口です。
飲んだ後に少しだけ苦みを感じますが、これが軽い飲み口の後味をキュッと占めてくれる要素に感じます。
3.ARCHA(アーチャー)ビール
「ARCHA(アーチャー)ビール」は、チャーンビールが販売する低価格ビールです。
チャーンビールを製造するタイ・ビバレッジは、シンハーを追い越したものの、リオビールにより立場が逆転してしまいました。
そこで再度、低価格路線・若者をターゲットに、アーチャービールで勝負に出たのです。
ARCHA(アーチャー)ビールの味は?
アーチャービールの特徴は、抜群の飲みやすさと、安さ。
安いから味が良くないのではと思う人もいるかもしれませんが、これがなかなか美味しいんです。
キレがあり、苦みがない薄味で、ダントツの飲みやすさ。
キンキンに冷やして一気に飲み干したいビールです。
アルコール度数は5.4%で、チャーンビール・リオビールよりも安い価格設定です。
筆者の個人的な感想としては、タイで一番コスパが良いビールなのではないかと思っています。
いろんなタイビールを飲んでみて、お気に入りを見つけよう!
タイビールの歴史とあわせて、タイで人気のビールを紹介しました。
飲んでみたいと感じるタイビールは見つかったでしょうか。
タイビールは、独特な香りがあったり薄味であったりと、日本のビールとは違う味わいです。
そのため、「○○は美味しい、○○は美味しくない」と好みがわかれがち。
しかし、実際に飲んで自分が感じた味をもとに、お気に入りのタイビールを見つけて楽しんで欲しいです。
今回紹介したタイビールは、日本のタイ料理店でも置いていることが多いので、ぜひ見かけたら試してみてください!