今回紹介するのは、きくち正太先生の「私のアイザック」です。きくち先生と言えば、代表作は講談社のモーニングなどで連載されていた「おせん」でしょう。こちらもぜひ紹介したいのですが、とりあえずは「私のアイザック」を。
表紙で分かるように釣り漫画です。コミックスに掲載した後描き漫画に作者が登場するのですが、釣り竿40本、リール30個以上、ルアー1000個近くを持っているそうです。ただし自称「下手の横好きプー」なのだとか。
漫画では、フンドシ姿の可愛い女の子が、コイを生け捕りにするところから始まります。もうこれだけで漫画を読みたくなった人がいるかもしれませんが、話を進めましょう。
そこに尋ねてくるのが、釣り雑誌のライターである男性2人。何でも「水辺の達人」に会いに来たのだとか。これだけで想像が付くと思いますが、その女の子が「水辺の達人」である白幡山女(しろはた やまめ)ちゃん、15歳でした。
期待外れと思っていた2人でしたが、釣果に食事にと歓待を受けると、すっかり山女ちゃんに対する姿勢が変わってしまいます。その後も、ダム問題の一端や、山女ちゃんのセーラー服姿など盛りだくさん。2人が帰る時も「地の酒っこに昼の握りまんま 山女印の川魚の山椒煮」のお土産を持たせてくれます。
ここでチラッと見えるのが「飛良泉(ひらいずみ)」です。秋田県にある飛良泉本舗が製造・販売しているお酒で、同社のホームページによると、「長享元年(1487年 室町時代中期)創業の秋田県最古の酒蔵」とのこと。
漫画に登場するのは、一升瓶にシンプルなラベルですから、「飛良泉 山廃純米酒」でしょうか。インターネット通販ですと、3,000円前後で入手できるようです。
「ひらいずみ」と聞くと、世界遺産にもなった岩手県の「平泉」を思い浮かべるかもしれませんが、こちらは屋号の「和泉屋」と、地名の「平沢」が合わさって、自然発生的に生まれたとあります。
そんな飛良泉を山椒煮で一杯やった結果がこちら。
漫画では山椒煮の作り方も説明してあります。野性味に欠けるかもしれませんが、スーパーで売っている小魚でも大丈夫でしょう。
さて漫画では直後にこんな顔を浮かべます。
2人は雑誌ライターの本領を横に置いて、山女ちゃん達のことを秘密にしようとしたものの、そうは問屋が卸しません。「釣り世界の女神」の異名を持つ編集長を巻き込んで、大騒動に成りかけ……となったところで、1巻は終了。
その後の展開に期待したいのですが、連載が中断したままで再開の目途もありません。「おせん」の連載も終了しましたし、こちらの再開を願いたいのですが、どうなのでしょうね。
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私のアイザック
作者:きくち正太
出版社:少年画報社
既刊1巻