今回紹介するのは、竹書房の「まんがライフSTORIA」などで連載中の「ちいちゃんのおしながき繁盛記」(大井昌和)です。
ほぼ同名の「ちいちゃんのおしながき」もありますが、そちらは基本的に4コマ漫画で、今回紹介する「ちいちゃんのおしながき繁盛記」はストーリー漫画となっています。ただし舞台や登場するキャラクターは同じですので、いずれそちらを紹介することもあると思います。
ある町の一角にある落ち着いた小料理屋の「みづは」。そこを切り盛りするのが、お母さんの三葉さんと、娘のちいちゃんです。ただしメインに働いているのが、ちいちゃんであるのが大きな問題。
「小学生に言ってもな~」「小学生のやってるお店に来ておいて…」とあるように、まだ小学生(4年生)なんですよね。
お母さんの三葉さんは料理がほとんどできない上に、お酒が大好きで仕事を放り出してでもお酒を飲み始めるくらいなので、仕入れから調理、店の切り盛りのほとんどまで、ちいちゃんが担当しています。
ただし三葉さんも鋭い味覚の持ち主であるため味見には欠かせません。そして場を盛り上げる役割も果たしていますし、ちいちゃんと良いコンビです。何より、三葉さんはちいちゃんを大事にしていますし、ちいちゃんも三葉さんを大好きですから。
さてこうした居酒屋で大事なのが常連さんの存在です。「神楽坂さん」も「上司さん(本名不明)」も、後ろでお猪口を口にしている「タク爺」も、みんな常連です。
それら常連さん達との関わりが漫画の中で進んでいくのですが、コミックス2巻の「十七品目 いらっしゃいませ一年生」では、上司さんと部下さん(ツンツン頭の青年)が、新入社員の2人を連れて来店しました。
後輩には良いところを見せたくなるのが先輩の常。部下さんは上司さんが日本酒を注文するのに合わせて、素早くつまみを頼んでみせます。ここでポロッと出てきたのが「酔鯨」、一升瓶を手に微笑んでるのが三葉さんです。
高知県の酔鯨酒造が製造・販売を手掛けている日本酒で、社名にもなっているように、同社が手掛けているお酒のほとんどに「酔鯨」の名前がついています。
同社のホームページには、酒造りのコンセプトとして「食中酒」であることを強く推しています。「あくまでお料理が主役となり、“旨みが有りながらもキレが良く”、“香りおだやかな”お酒が目標です」とあるので、「みづは」のような小料理屋にはピッタリのお酒なのでしょう。
「酔鯨」の名前は、幕末の土佐藩主である山内豊信(容堂)公が名乗った「鯨海酔侯」の雅号から、ラベルにある「三葉柏」も山内家の家紋からきているそうで、「太平洋の大海原を悠々と泳ぐ海の王者、巨鯨のようにおおらかに飲み干していただきたく、日本酒好きの皆様に心を込めてお届けいたします」とアピールしています。
さて格好良いところを見せた部下さんですが、実はあまり仕事のできる方ではありません。この後、部下さんが上司さんからいくつもダメだしをされた上に、新入社員もあらぬ方向に目標を定めてしまうのですが、その展開は、ぜひ漫画をご覧ください。
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ちいちゃんのおしながき繁盛記
作者:大井昌和
出版社:竹書房
連載:まんがライフSTORIA
既刊6巻
参考:酔鯨酒造ホームページ