おひたしや胡麻和え、炒め物など、何かと重宝する緑黄色野菜、ほうれん草。
1年を通してスーパーなどに並んでいますが、冬が旬だということをご存知でしょうか。
厳しい寒さの中でグンと甘みを増すほうれん草について、そのおいしさの秘密や正しい茹で方、よく合うお酒をご紹介します。
いろいろな品種があるほうれん草
ほうれん草とひとくちにいっても、実はいろいろな種類があるのをご存知でしょうか。
大まかに分けると東洋種と西洋種に分類できますが、東洋種は葉のギザギザが多く、根元が赤いものを指し、やわらかくて甘みがあるのが特徴です。
西洋種は葉が丸みを帯びていてあまりギザギザが深くなく、根元はあまり色づかないのが特徴です。
人によって好みがあると思うので、店頭でどちらのタイプなのか確認してから購入するといいかもしれません。
寒さが育てる甘みの強い品種
近年とても人気なのがちぢみほうれん草です。
普通のほうれん草のように茎が長くなく、葉は丸く縮れて肉厚で、見た目も一般的なものとは全く違います。
冬の寒い時期に露地栽培されるため、凍ってしまわないように葉が締まって肉厚になるといわれ、寒さに当てて育てることで甘みとうまみを増します。
この「寒締め」という育て方で栽培できるのは12月から2月の真冬の時期のみ。
たっぷりと甘みを蓄えたちぢみほうれん草はおいしさも格別です。
この時期しか出回らない冬だけの味わいをぜひ楽しみたいですね。
ほうれん草の正しい茹で方
さて、実際にほうれん草を料理するときの基本をご存知でしょうか。
なんとなく適当に茹でてしまうと、せっかくの食感を損ねてしまうこともあるので注意が必要です。
まず、ほうれん草の根の先を切り落とし、根元に細かく切り込みを入れ、根元が食べやすくなるようにします。
切り込みを入れてから、ボウルなどに入れた水の中に根元をつけて洗うと、茎の間に入り込んだ土がきれいに落ちやすくなります。
洗い終えたら茎の真ん中あたりを輪ゴムで留めて束ね、沸騰したお湯にティースプーン1杯くらいの塩を加えて、葉の部分を掴むようにして根元を鍋に入れ、茎のみを30秒ほど茹でます。
その後葉の部分を鍋に沈めて30秒茹でますが、途中で上下を菜箸で返して全体に火が通るようにします。
すぐにザルに上げて冷水に浸し、ほうれん草の粗熱がとれたら水気を絞って切り分けます。
葉物野菜を茹でるときの基本でもあるので、しっかり覚えましょう。
ほうれん草、どんな料理に使う?
和洋を問わずさまざまな料理に使えるほうれん草ですが、おひたしや和え物、ナムルや炒め物などに加え、ペースト状にしてカレーに加えたりと、料理の幅がとても広いのが嬉しい野菜です。
乳製品との相性がとても良いので、牛乳と合わせてポタージュスープにしたり、グラタンやパスタ、キッシュなどに入れてもおいしく、その甘みを生かした料理法を考えるのは楽しいものです。
好みのレシピを見つけて、いろいろと挑戦してみたいですね。
ほうれん草を使った料理と合わせるお酒
料理のバリエーションが豊かなほうれん草ですが、合わせるならどんなお酒を選べばいいでしょう。
胡麻和えや白和えといった和風の小鉢であれば、燗酒はいかがでしょうか。
大七の純米生もとは、燗酒に向いている日本酒として定番中の定番でもあるお酒です。
ぬる燗にした大七と小鉢を楽しみながら、鍋が煮えるのを待つのも、冬らしい楽しみ方だといえます。
グラタンやキッシュと合わせるのであれば、ピノ・グリなどのすっきりとした白ワインがぴったり来ます。
鱈や牡蠣などを一緒に入れて、冬らしい料理に仕立てるのもおすすめです。
真冬の寒い時期が一番おいしいほうれん草。
ぜひいろいろな料理でたくさん楽しみたいですね。