今回紹介する漫画は、ちょっと変わった推理もの、徳間書店「月刊コミックゼノン」で連載されていた「冷蔵庫探偵」(原作:遠藤彩見、漫画:佐藤いづみ)です。
主人公のレイコさんは、料理の腕前を活かして、出先に料理を提供するケータリングなどを仕事にしています。よく「趣味と実益を兼ねる」のように言うことがありますけど、レイコさんの趣味は……。
あんまり良い趣味ではないですよね。でもそんなレイコさんですから、冷蔵庫にある調味料や保存されたものから、人柄や好みを言い当ててみせます。
傍で見ていた刑事のリョウ君から、こう言われます。
何だかんだ言ってコンビになるレイコさんとリョウ君。ある日のケータリングで突然、爆発音がして、せっかくの料理が台無しに。原因はテーブルに置かれていた活性にごり酒でした。
日本酒の多くは、発酵しすぎたり劣化したりしないように、加熱処理である「火入れ(ひいれ)」を行うのですが、絞りたてを味わうなどの目的で、火入れをせずに生酒のまま出荷することがあります。
と言うことなんですね。
漫画に登場する「活性にごり酒」の「萩」ではないのですが、宮城県の萩野酒造では「萩の鶴 しぼりたて 純米生原酒」を、滋賀県の福井弥平商店では「萩乃露 名流 純米吟醸 山田錦 生原酒」などを造っています。
「飲みたい」「買ってみようかな」と思った人は、なるべく急いでください。どちらも製造量が多いわけではなく、長期保存がしずらい原酒だけに販売期間も限られています。さらに購入後も、早めに飲みきるよう勧めています。ちょっと面倒に思うかもしれませんが、活きている生酒ならではのデリケートな味わいが楽しめるはずです。
漫画では、レイコさんが容疑者と思われる3人の冷蔵庫を見て回り、執念のかいあって、犯人を割り出すことに成功します。見事な推理は、ぜひ漫画を読んで欲しいところです。
料理を台無しにした「活性にごり酒」でしたが、トラブルの解決後、わだかまりを持っていた二人の仲を、わずかに近づけてもいます。そんな微妙な男女の仲も、デリケートな生酒と似ている部分がありそうです。
皆さんも「萩の鶴」や「萩乃露」など、ぜひ一度味わってみてください。
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冷蔵庫探偵
原作:遠藤彩見
漫画:佐藤いづみ
発行:ノース・スターズ・ピクチャーズ
発売:徳間書店
定価:本体562円+税
全3巻
萩野酒造ホームページ:http://www.hagino-shuzou.co.jp/
福井弥平商店ホームページ:http://www.haginotsuyu.co.jp/