今回紹介する漫画は、小学館「ビッグコミックオリジナル」で連載中の「釣りバカ日誌」(原作:やまさき十三、作画:北見けんいち)です。
主人公、浜崎伝助(はまさき でんすけ)を演じる西田敏行さんと、スーさんこと鈴木一之助(すずき いちのすけ)社長役の三國連太郎さんの名コンビで実写映画にもなっているので、ご存じの人も多いはず。連載開始は1979年、コミックスは91巻まで発売され、指折りの長寿漫画になっています。
最近の連載では、長年社長を務めてきたスーさんが勇退して最高顧問に、甥の多胡(たご)専務が新社長に就任しました。
そのタコくん(浜ちゃんはこう呼んでました)ですが、入社当初はハマちゃんと机を並べる同僚でした。と言っても、やっぱりお坊ちゃんですから、平社員の浜ちゃん(漫画では公団の賃貸住まいだそうです)とは、住んでいるところも大違い。コミックス6巻で、タコくんの部屋が登場します。
浜ちゃんが「百恵ちゃんたちが住んでるような……」と言うあたりが、時代(掲載は1982年)を感じさせます。今なら「キムタクたちが……」とでもなるのでしょうか。
この直前に鈴木建設が新たに手掛け、浜ちゃん達が販売を担当したマンションが見事に完売しています。その流れでタコくんの部屋に寄り、一杯やることに。
「オットットット」と言いつつも、いくらか気おされた表情の浜ちゃん。緊張した面持で飲んだ舶来もののウイスキーに「うめえっ!!」と叫んでいます。
浜ちゃん達が飲んだウイスキーは、ビンからするとジャックダニエルブラックのようで、インターネット通販ですと、1000mlボトルで3,000円くらい。現在のネットユーザーである皆さんなら、「そんなに高くも珍しくもないよね」と思うかもしれません。
確かにウイスキーの輸入こそ、1971年(昭和46年)に完全自由化されていますが、高い関税(220%の従価税など)がありましたので、当時、浜ちゃんのような平のサラリーマンにとっては、輸入もののウイスキーは高嶺の花でした。
そんな関税に加えて、その頃の為替が1ドル230円くらいだったこと、さらに初任給(1980年代の大学卒は12万円くらい)なども合わせて考えると、10倍の3万円くらいと考えれば妥当かなと。さすがに皆さんも「それなら……」と思い、浜ちゃんの表情も納得できるのではないでしょうか。
ちなみに洋酒全般が安くなるのは、並行輸入が盛んになり、外圧などもあって税制改正が行われる1989年(平成元年)まで待たなくてはなりません。
とは言え、30年前も今もジャックダニエルのおいしさは変わっていません。
むしろお手頃な値段になったからこそ、浜ちゃんが「うめえっ!!」と叫んだ「いい酒」を私達も飲むことが可能です。皆さんも、浜ちゃんの気分で一杯いかがですか?
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タイトル:釣りバカ日誌
原作:やまさき十三
作画:北見けんいち
連載:ビッグコミックオリジナル
発行:小学館
既刊91巻、番外編など13巻
ジャックダニエル公式サイト:http://www.jackdaniels.com/
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