以前に紹介した講談社「一杯では終われません」(梅吉)から、別のシーンを紹介したいと思います。
コミックスの7話「大都会の戦い」では、梅吉先生が東京を訪れています。目的は「山形県新酒鑑評会」に参加するためで、参加費2,000円で180種類の日本酒の味見ができるのだとか。
調べてみると、こうした鑑評会や利き酒会は、ちょくちょく開催されているようです。
日本酒だけでも、年間50以上はありそうですし、これに焼酎、ワイン、ビール、大手メーカーの新製品発表会などを加えると、その数倍。そこに物産展などを加えると、さらに数が増えそうです。
もちろん東京がほとんどで、ちょこちょこ大阪でも開催され、それ以外の地方はポツポツです。梅吉先生は……
開き直ってます。
鑑評会の様子はこちら。
カットに「だから!平日の昼間だってば!」とあるように、こうした会は平日に行われることが多いようです。と言うのは、一般のお酒ファンよりも、業者(酒店、問屋、飲食店など)や専門家、メディアなどをターゲットにしているようですね。
つまり「君達、仕事は?」とありますが、かなりの人が仕事なんですね。
そして利き酒は、こんな感じで行われるようです。
「実験」とは言いえて妙。ただ180種類ですから、1種類につき5ccでも900cc(半升)、10ccなら1.8L(1升)となります。
カット中に「他のきき酒」もこうなのかな?」とあります。そこで私も行ってきました。
去る5月14日、東京・有楽町の交通会館で行われた「2015年 吟醸新酒祭」で、鑑評会ではありませんが、全国各地から50近い蔵元が出品していました。
参加費2,500円を払うと、ガラス製のお猪口、紙コップ、ペットボトルの水、リストの入ったビニールの手提げ袋が貰えます。お猪口はこちら。
会場はこんな様子。
鑑評会ではなく、壁際、窓際に各蔵元のテーブルがあり、用意してあるお酒を「これ下さい」とお願いして、お猪口に注いで貰う形です。
それぞれの蔵元に、4・5種類のお酒が用意してあるので、ざっと200種類以上。1本5CCとしても、一升瓶の6~7分目、10CCなら一升瓶で1本半ってところです。
さすがに全部は飲みきれない(飲みきる人もいるかも)ので、リストに書かれた糖度、日本酒度、更には小売価格を参考に、良さそうなものをいただいてきました。
渡された手提げ袋に入っている紙コップは利き酒(つまり口に含んで吐き出す)用で、会場にはバケツもいくつか用意してありました。
ただし漫画の梅吉先生は全部飲まれたようです。
「お酒の神様に失礼だ!」は、酒好きにとって名セリフでしょう。
私が飲んでみた中から、1本お勧めを紹介します。山形の出羽桜酒造の「微発泡 吟醸 とび六」です。
名前の通り、わずかに発泡しているのと、写真では分かりにくいですが、にごり酒です。日本酒度-3の甘口ですが、微発泡でもありサラッと飲めました。
ホームページを見て分かったのは、6~8月の季節限定だったんですね。するとちょっと早めに味わえたのでしょうか。
先に書いたように、こうした会があちこちで開かれています。興味のある方は、ぜひ参加してみてください。
[amazonjs asin=”B0084ANG4U” locale=”JP” title=”山形県 出羽桜酒造 とび六【とびろく】微発泡 吟醸にごり酒 720ml”]
一杯では終われません
作者:梅吉
発行:講談社
■参考
出羽桜酒造ホームページ:http://www.dewazakura.co.jp/
切り絵師梅吉ホームページ:http://www.h6.dion.ne.jp/~umekiti/