大人の心の鍵を開けるドイツビール「謎のあの店」

大人の心の鍵を開けるドイツビール「謎のあの店」

謎のあの店

今回は、朝日新聞出版「Nemuki+(ネムキプラス)」で連載中の「謎のあの店」(松本英子)から、ドイツビールを紹介します。

街中や駅前、商店街などに、1軒や2軒、何か気になるお店がある人も多いのではないでしょうか。

松本先生によれば「かもし出している雰囲気が心にひっかかって抜けない店」として、「外観味わい深すぎたり」「立地がムチャだったり」「扱うものがナニだったり」などと表現しています。

そうした気になるんだけど入りずらいお店に、松本先生が挑戦するエッセイ漫画がこの作品です。

1軒目「あのケーキ屋」、2軒目「あの美容室」、3軒目「あの占い」と来て、居酒屋、小料理屋、キャバレーなどを訪れた後、18軒目「あのドイツビアレストラン」にて、銀座にあるビアレストラン「ゲルマニア」が登場します。

ドイツビアレストランとなれば、必然的にドイツビールでしょう。漫画ではレーベンブロイが登場します。

謎のあの店1

丸顔で額に「松」とあるのが、作者の松本先生。ジョッキの右側にいるのが、担当者のHさんだそうです。ソーセージの盛り合わせ、ジャーマンポテト辺りは定番ですね。

漫画に合わせて、ドイツビールを飲んでみました。近所の酒屋さんで売っていたレーベンブロイとベックスです。

レーベンブロイ

レーベンブロイを飲んだ感想は、「あまり日本のビールと変わらないなぁ」と。どちらもピルスナー(ビールの種類)タイプなので、似ていて当然ではあるのですが。

よくよくビンを見ると”アサヒビール”とあるんですよね。基本的に日本で発売しているレーベンブロイは、アサヒビールがライセンス生産をしたものだそうです。

そこで気になるのが「本場ものとライセンス生産ものと、味はどう違うんだろう」です。ライセンス生産であっても、丸っきり同じってことはないはず。いつか飲み比べてみたいものです。

もう1本のベックスは輸入されたもので、「ちょっと苦みが強いかな」ってところです。ドイツビールと言われずに勢いで飲んでしまえば、そうと気付かない可能性も高そうです。

謎のあの店2

漫画には、エルディンガーや、アヴェンティヌスが専用グラス付きで登場します。

ドイツビールに限らず、専用グラスのあるビールは多く、それぞれビールをおいしく飲める工夫が凝らされているようです。アヴェンティヌスくらいになると、こげ茶の色味になるので、雰囲気も変わってきそうですね。機会があれば、飲んでみたいと思います。

漫画では、松本先生が「ハァ」と満足げな表情をしている一方、Hさんが「私の知らない人でしたよ!!!」と驚いています。

ビアレストラン「ゲルマニア」では、普通に飲食する以外に、ドイツ民謡に合わせて、スタッフや客が一緒に歌う乾杯の儀式があるのだとか。

そうしたイベントに、松本先生の心の琴線に触れるものがあったに違いありません。漫画はHさんの「4時間やってますよ……」の言葉と「乾杯(プロージット)」で終わっています。さて松本先生達は、ゲルマニアに何時間いたのでしょうか。

さてコミックスのあとがきには、「この本で紹介したお店も、いくつかもうありません」と描かれています。

まさにその通りで、実はこの「ゲルマニア」も、2012年末に閉店しています。

コミックス発売日など(2012年8月)から推測するに、1年程で本当に「ありません」になってしまったんですね。実に残念なことです。

ともあれ皆さんもドイツビールで心の鍵を開けてみませんか。

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謎のあの店

作者:松本英子
連載:Nemuki+(ネムキプラス)
発行:朝日新聞出版
既刊2巻

■参考
朝日新聞出版「謎のあの店 1」
朝日新聞出版「謎のあの店 2」
アサヒビール「レーベンブロイ」ページ

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