ピルスナーはラガービールのスタイルの一つで、1842年にチェコのピルゼンにある醸造所で発明されました。6,000年以上にわたるビールの歴史の中では新参ですが、現代では世界中に広まっており、最もよく飲まれているスタイルのビールであることは間違いありません。日本で見かけるビールも、ほとんどがこのピルスナーです。
色は透明感のある黄金色で、炭酸が強く、細かく豊かな白い泡が立ちます。ホップの香りと苦みが良く効いており、雑味がない切れの良さが特徴です。のど越しが非常によく、冷やすとおいしいビールですが、冷やし過ぎると香りが立たなくなるので、5度以上9度以下が飲み頃の温度になります。
項目 | 詳細 |
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原産地 | ピルゼン(チェコ) |
発酵の種類 | 下面発酵(ラガー) |
色 | 淡色(金色〜明るい琥珀色) |
度数 | 4〜5.5% |
麦、ホップ以外の原料 | 基本的には無し。 米やコーンスターチを使う製品もあり |
最適温度 | 3〜7度(9度とする場合もあり) |
有名な銘柄(海外) | ピルスナー・ウルケル(チェコ) ビットブルガー・プレミアムピルス(ドイツ) ミュンヒナー ヘル(ドイツ) など |
有名な銘柄(日本) | モルツ(サントリー) エビス(サッポロ) キリンビール(キリンビール) サッポロ黒ラベル(サッポロ) アサヒスーパードライ(アサヒ) など |
ピルスナーの種類
ピルスナーにはいくつかの種類がありますが、ボヘミアンとジャーマンの二種類が代表的です。
ボヘミアン・ピルスナー
世界最初のピルスナーであるチェコの「ピルスナー・ウルケル」と、それを参考にしたピルスナーはこの区分に入ります。色は麦色から深い金色、琥珀色に近いものまであります。バランスに優れた作りで、しっかりとした味を持ちながらも、麦芽の甘みがあるためにそれほど苦みを感じない点が特徴です。
ピルスナー・ウルケルは日本でも手に入りやすいので、興味がある人はぜひ試してみましょう。ビールが好きな人なら、きっと好きになるはずです。
ジャーマン・ピルスナー
チェコから得た技術を基にドイツで作られたピルスナーです。色は淡い金色から麦色で、味わいはボヘミアンよりも軽めです。その分ホップの苦みが強めで、それがおいしさを作り出しています。
日本のピルスナーはジャーマン・ピルスナーを手本にして作られており、日本人にはとてもなじみやすい味です。
次回は、日本にビールを伝えたアメリカでの主力スタイル「アメリカンラガー」を紹介します。