アメリカラガー(American Lager)はその名のとおり、アメリカ合衆国発祥のラガースタイルのビールです。
銘柄にもよりますが、非常にさっぱりと軽い飲み口が特徴で、日本の発泡酒に近いところがあります。
色は薄い金色で、ジャスミンティーのような淡い色合いをしています。炭酸は強めで、人によってはきつく感じることもあるかもしれません。ホップの苦みやクセはほとんどなく、ピルスナー以上にのど越しが良いビールです。
冷やして飲むとおいしいので、軽いのど越しと相まって暑い夏にはピッタリです。ただし、冷やし過ぎると味や香りが分かりにくくなって、水っぽく感じられるので、5度から7度の温度帯で飲むのがお勧めです。冷蔵庫から出したビールの瓶や缶に汗が浮いたぐらいが目安になります。
アメリカの大手ビール企業が製造しているビールは多くがこのスタイルです。日本にも入ってきているほか、日本企業が提携生産しているので、スーパーなどでもよく見かけることが出来ます。
項目 | 詳細 |
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原産地 | アメリカ合衆国 |
発酵の種類 | 下面発酵(ラガー) |
色 | 麦わら色~薄い金色 |
度数 | 4.1~5.1% |
麦、ホップ以外の原料 | コーンスターチ、米、糖類、その他穀物が使われることが多い。 |
最適温度 | 7度前後 |
有名な銘柄(海外) | バドワイザー ミラーズ・ライトラガー クァーズ サミュエル・アダムス など |
アメリカンラガーの種類
アメリカ発祥のラガービールは皆アメリカンラガーですが、一口にアメリカンラガーといっても様々な種類があります。
アメリカン・ライトラガー
参考:millerlite
アメリカンラガーの中で一番軽いタイプです。コクや強い味は全くなく、のど越し、口当たりの良さは最高です。夏のスポーツ観戦にはもってこいのビールでしょう。この味を出すために、コーンや米、穀類や糖類が使われています。
ライトは低カロリーの意味もあり、製造時に麦汁の濃度を下げて、発酵速度を早くすることにより、カロリーを従来の3分の2から2分の1程度にまで下げています。定義上、カロリーの上限は356mlにつき125kカロリー、炭水化物は356ml中3gを超えてはいけないこととなっています。
有名どころとしては、ミラー・ライト、クアーズ・ライトなどがあります。
アメリカンクリームラガー
参考:goodbeer
色合いは麦わら色から金色の間で、わずかに麦芽由来の甘みを感じられます。ホップの苦みや香りはほとんどなく、副原料のコーンなどの影響も低く抑えられています。
発酵の時は短時間の内に比較的高い温度で行い、低温で貯蔵して仕上げられるので、飲み口がさわやかなものになります。
上面発酵の酵母を使うときもあり、その場合は「アメリカン・クリーム“エール”」となります。
アメリカン・アンバーラガー
参考:boomchugalug
アンバーとは琥珀の意味で、その名のとおり濃い琥珀色をした褐色のビールです。麦芽の一部にカラメルモルトやチョコレートモルトを使うことで、色合いが濃くなります。
味は普通のアメリカンラガーよりコクがあり、カラメルのような麦芽の甘みが感じられます。
アンバーよりも色が濃い「アメリカン・ダークラガー」という分類もあります。
アメリカンプレミアムラガー
参考:looseys
アメリカ各地にある小規模醸造所(マイクロブルワリー)が、それぞれの工夫を凝らして製造しているビールの総称です。
主に大手ビール会社が生産しているアメリカン・ライトラガーとは、日本の地ビールと大手ビール企業の製品の関係と似た間柄といえます。
多様な銘柄があるので一概に表現するのは難しいのですが、大手企業のビールに比べると色やコク、味、苦み、度数などが高めの物が多いと言えます。
代表的な銘柄には、「サミュエル・アダムス ボストンラガー」「アンカー カリフォルニアラガー」などがあげられます。