昔、日本酒のグレードは三種類だけだった?
日本酒のラベルをガン見すると、「純米酒」だの、「大吟醸酒」などといった“酒のグレード”が表記されています。
その昔日本酒といえば、
「特級」
「一級」
「二級」
の3段階で分類されていました(戦前は「5級」まであったらしい)。
しかしこの分類は、単にアルコール度数を基準とした、酒税の割合を示したもので、酒質とは必ずしも一致していなかったのです。
そして、日本酒がただ酔っ払うだけの酒から、おいしく味わう酒として再評価され始めた頃から、こうした酒の分類はおかしいという指摘がマニアや業界団体から上がり、すったんもんだの末、現在の分類になりました。
出典元:Keisuke Mutoh
日本酒の分類は9段階
そんな日本酒の分類方法は1992(平成4)年に改められ、現在大きく分けて下記のような9段階に分類されています。
1:普通酒
2:本醸造酒
3:特別本醸造酒
4:純米酒
5:特別純米酒
6:吟醸酒
7:純米吟醸酒
8:大吟醸酒
9:純米大吟醸酒
日本酒の分類の根拠は、「精米歩合」と「製法」、そして「原材料」
日本酒の分類の根拠は、アルコール度数を根拠としていた昔と違い、製法や原材料によって分類されています。
これらの分類をグレードで評価すれば、「普通酒」はもっとも安価に製造された“量産型”であり、このレベルの日本酒に味や品質を求めるのは野暮というものです。
一方、「純米大吟醸酒」は、杜氏が己の持つ酒造りのテクニックを全て投じて作った“芸術品”とも言える酒であり、日本酒好きなら是非飲んでみたい日本酒の最高峰クラスの酒でしょう。
美味い日本酒といえば、「純米酒」以上がお勧め!
そんなわけで、おいしい日本酒を味わってみたいというのであれば、ラベルに「純米酒」と書いてある以上のモノがお勧めです。
原材料的には、
「米・米麹」
とだけ記されたもので、こういう日本酒は基本的に余分な添加物は入っていません。本来日本酒とはこういうお酒だと感じられるのは、やはり純米酒以上のグレードになります。
とはいえ、お酒は所詮嗜好品で、最高峰だと言われる「純米大吟醸」を飲んだとしても、美味い不味いは個人の好みです。自分が美味しいと感じたお酒を飲むのが一番でしょう。