ぜひ蔵まで足を運んで、フレッシュな生酒を味わってください! ー『福寿』神戸酒心館(御影郷)ー

ぜひ蔵まで足を運んで、フレッシュな生酒を味わってください! ー『福寿』神戸酒心館(御影郷)ー

日本一の酒どころとして知られる「灘」は、東から「今津郷」、「西宮郷」(西宮市)、「魚崎郷」、「御影郷」、そして「西郷」(以上神戸市)の5つのエリアで構成されています。この五郷に星のようにきらめく酒蔵を巡る「灘五郷行ったり来たり」。

今回は、「御影郷」にある「神戸酒心館」にお邪魔してきました。

長屋門の向こうに広がる「日本酒のテーマパーク」

「神戸酒心館」の長屋門
都会の喧騒を忘れるような趣に満ちた「神戸酒心館」の長屋門

阪神電鉄石屋川駅から南へ8分、国道43号線沿いに建つ「神戸酒心館」。
風格漂う長屋門をくぐると、まるでにぎやかな縁日に迷い込んだような非日常の空間が広がっています。

和ローソクや蔓で編んだ鞄の展示即売
この日は、和ローソクや蔓で編んだ鞄の展示即売が行われていました
酒心館ホール
120名着席の結婚式も叶う「酒心館ホール」

敷地内には、蔵出しのお酒と料理のマリアージュを堪能できる料亭「さかばやし」や展示会・結婚式の舞台としても使える「酒心館ホール」、蔵直売所「東明蔵」など、バラエティ豊かな施設が並んでいます。蔵見学はもちろん、ここでしか味わえないアイテムの試飲など、日本酒の魅力を体全体で味わうことができます。

「昔、酒蔵には画家や文人などが集い、文化の発信基地としての役割も担っていました。その雰囲気を再現し、お客様に酒蔵が持つ多彩な魅力を楽しんでもらおうと趣の異なる4つの建物を造りました」

と語るのは、取材に応じてくれた同社の坂井和広さん。この計画を県に提出しようとしたその日に阪神大震災が起こり、蔵は全壊。愛知県にある使われなくなった蔵を移築するなどして、1997年に再建を果たし、1999年には、全国新酒鑑評会で金賞を受賞しました。

昔懐かしい「通い瓶」で限定日本酒を堪能

通い瓶
木槌で瓶に封を行う光景も楽しめる「通い瓶」

観光客はもとより、地域の人々にも愛される蔵を象徴しているのが、「通い瓶」を使った生酒の販売システムです。酒匠が、最も飲み頃と吟味を重ねた生原酒を専用の瓶で量り売り。飲み終えたらまた瓶を持ってきて、新しく日本酒を購入できる環境にも優しいシステムは、地域の人からも好評を受けています。常に新鮮なお酒を味わえるだけでなく、売り手と買い手の間に生まれる会話のコミュニケーションも魅力の一つです。

福寿
「東明蔵」には神戸酒心館の銘酒のほか、酒肴や酒器なども揃います

手作りが生むフレッシュな味わいと高い香り

兵庫県産米と宮水にこだわる神戸酒心館の日本酒。
その特徴が、フレッシュな味わいと香りの高さです。

「通常の日本酒は、品質を安定させるため2度火入れを行いますが、弊社では1度火入れをすることで、華やかな香りと新鮮な口当たりを楽しむことができます。『箱麹法』と呼ばれる手作りの麹造りを行い、丁寧に酒造りを行うことで、きれいで濃醇な味わいを生み出します」(坂井さん)

昔から言われる「灘の男酒」とは少し趣の異なった、高い香りと様々な要素が織り成す巧みの味わいを堪能できる神戸酒心館の銘酒。坂井さんおすすめのマリアージュは、大吟醸に豆の味わいを感じる豆腐+ミネラル分の多い藻塩。もう一つは、荒めの生地で打った細うちのザル蕎麦に純米『御影郷』をふりかけ、少し出汁をつけて味わう「酒そば」。酒の風味と蕎麦の香りが絡み合って生まれる味わいは絶品。「さかばやし」でも味わえるとのことですので、お越しの際は一度試してみてください。

取材後記

取材の最後に試飲をさせていただきました。フレッシュな生原酒の味わいには驚きの一言。坂井さんが上手に勧めてくれるので、一杯、また一杯と、ついには11杯もいただいてしまいました。試飲とはいえ、11杯も味わえるなんて、とても贅沢なひと時。

坂井さん、神戸酒心館さんのみなさん、ありがとうございました

福寿純米吟醸
福寿純米吟醸

福寿純米吟醸

兵庫県産の酒米を丹念に磨き上げ、低温で長期間発酵。気品ある吟醸香とふくよかな味わいが特長です。「インターナショナル・サケ・チャレンジ」2009 & 2012最高金賞受賞のほか、2012年のノーベル賞晩餐会でも振る舞われた世界的に評価の高い逸品。
720ml、1,500円(税別)

神戸酒心館の坂井さん
酒造りを行うように丁寧に取材に応じていただいた坂井さん

神戸酒心館

神戸市東灘区御影塚町1-8-17
TEL  078-841-1121

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