夏の土用の丑の日は南仏の赤ワインとうなぎの蒲焼を

7月28日は夏の土用の丑の日です。

「土用」と呼ばれる期間の「丑」にあたる日を「土用の丑」と呼びます。

土用は、中国の自然哲学の思想である「五行」に由来するもので、夏は「立秋」の前の18日間が土用にあたり、その期間の丑の日が土用丑の日となります。

この日はうなぎを食べて夏バテを防止する習慣があります。

自然哲学の思想「五行」とは

五行とは、この世の万物が木・火・土・金・水の5種類の元素から出来ているという考え方です。

これらを季節に当てはめ、春は木、夏は火、秋は金、冬は水で、残りの土は季節の変わり目に当てはめ、これを「土旺用事」、略して「土用」と呼んでいます。

土用の期間には十二支があり、丑の日は1~2回あり、それぞれ一の丑、二の丑と呼びます。

今年の夏の土用の丑は7月28日の1度のみ。体調を崩しやすい時期でもある「季節の変わり目」を、うなぎでスタミナをつけて乗り切りたいですね。

うなぎを食べる習慣はいつから?

真夏の暑さを乗り切るために、栄養のあるうなぎを土用の丑の日に食べる習慣は、万葉集にも詠まれているほど古くからあることで知られています。

しかし、習慣として一般的になったのは、1772~1788年、安永・天明の頃のことだといわれています。

うなぎを食べる習慣の由来には諸説ありますが、平賀源内が発案したとされる説が一般的です。

商売がうまく行かない鰻屋が、夏にうなぎがなんとか売れないかと平賀源内に相談すると、「本日丑の日」と書いて店先に貼るよういわれます。

このおかげでうなぎは飛ぶように売れ、他の鰻屋もこれに続き、土用の丑の日にうなぎを食べる習慣が定着したといわれています。

うなぎにはビタミンA・B群が豊富に含まれ、夏バテ防止に効果が期待できるといわれていますが、実際には医学的根拠に乏しいともいわれ、そもそも、うなぎは冬が旬でもあり、夏のものは味が落ちるといいます。

ただ、天然物と違い、養殖物は1年中一定した品質を保っているため、夏でも美味しく楽しめることを考えると、普段はなかなか食べることのないうなぎを食べるいいきっかけになるのではないでしょうか。

美味しいうなぎを食べて英気を養いたいですね。

うなぎと合わせるならどんなお酒?

せっかくうなぎを食べるなら、美味しいお酒を合わせていただきたいもの。

日本酒もいいですが、ここはワインを楽しむのはいかがでしょう。うなぎといえばなんといっても蒲焼きが思い浮かびます。

ふっくらとやわらかく焼き上げたうなぎに、香ばしい醤油の香りと味わいが感じられるタレと、香り高い山椒のさわやかな香りが調和し、なんともいえない美味しさが楽しめます。

蒲焼きにワインを合わせる時に気にかけていただきたいのが「果実味」と「スパイシーさ」です。

果実の充実した味わいは甘みを感じさせ、そこにピリッとしたスパイシーな香りや味わいが加わることで、うなぎの蒲焼きならではの香ばしい美味しさを引き立ててくれます。

合わせるなら、南フランスのカベルネ・ソーヴィニヨンはいかがでしょうか。

ボリュームのあるやわらかな口当たりと、スパイシーな香りが特徴のワインは、うな重やうな丼なら、タレの絡まるごはんも含め、ワインと合わせても美味しくいただけますよ。

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うなぎは絶滅の危機に瀕しているともいわれており、食べるのであれば専門店で予約していただくのが無駄を出さない食べ方だといわれています。

種の保護や環境保護も考えながら食べなければならなくなるとは、平賀源内も思わなかったことでしょう。

食べる量を全体に削減しながら保護をしていくのなら、食べるときも大事に食べたいですね。

土用の丑はその貴重な1日。自然環境に感謝しながら、美味しくうなぎを頂きましょう。

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