9月8日はスペインワインの日です。
1932年9月8日にスペインでワイン法が法令として承認されたことから、この日が選ばれました。
スペインワインのPRなどを行っているスペインワイン協会によって制定されました。
スペインってどんな国?
スペインと言えば何を思い浮かべますか?
多様な文化が混在するスペインの世界遺産保有数は44件で世界第3位。
サグラダファミリアや、グエル公園、アルハンブラ宮殿にメスキータなど魅力的なデスティネーションに満ちています。
また、闘牛やサッカーが盛んであることや、フラメンコのイメージから情熱の国という印象も強いですね。
私は一度バルセロナとグラナダ、マラガを訪れたのですが、多くのスペインの方は道を親切に教えてくれたり、明るく「こんにちは!」と声をかけてくれたりと、気さくでやさしい国民性も心に残っています。
そして、何よりグルメ大国でもあるんです。
パエリアに、新鮮な魚介をふんだんに使った小皿料理タパスなど、魅力的な料理に溢れています。
また、イギリスの雑誌『レストラン』において5度の世界一のレストランに選ばれた「エルブジ」は、世界中から年間200万件もの予約希望が殺到し「世界一予約が取れないレストラン」と呼ばれていました。
そして、グルメと来ればワインです!
3000年のワイン造りの歴史があり、スペイン全土では約400種類以上のぶどうが栽培されていると言われています。
スパークリングワインのカヴァや、世界3大酒精強化ワインの1つであるシェリーなど世界的な人気を誇るワインも造られています。
スペインのブドウ栽培面積は世界一でその面積は97万ha。世界の13%をも占めています。
ワインの生産量はイタリア、フランスに次ぐ世界第3位で4400万hlと、ワイン大国なんです。(OIV2018年資料より)
そこで、おすすめのスペインワインをご紹介していきたいと思います。
スペインの赤ワイン
スペインの代表的な赤ワイン品種は以下の2つです。
①テンプラニーリョ
テンプラニーリョは、「スペインのカベルネ・ソーヴィニヨン」と呼ばれることもあり、香りが芳醇で上質で滑らかな舌触りが特徴的。
長期熟成タイプのワインに向いており、スペインの高価なワインにはテンプラニーリョが使われています。
ちなみに生産量が非常に多いことから、地域ごとに品種の名前を変えて売り出されることもあります。
カタルーニャ地方ではウル・デ・リエブレ、ラ・マンチャではセンシベル、マドリッドではティンタ・デ・マドリッドなどと呼ばれています。
そんなテンプラニーリョを100%使ったワインのおすすめは「エストラテゴ・レアル ドミニオ・デ・エグレン」。
「テルマンシア」や「エル・プンティード」といった数々のスーパースパニッシュを世に送り出しているエグレン家によるテーブルワインです。
熟した黒い果実の香りや、チョコレート、木苺のアロマ、黒コショウのニュアンスがあります。
滑らかなタンニン・穏やかな酸・リッチな果実味のバランスが良く、アフターのフルーツの風味が心地よい1本です。
②グルナッシュ(ガルナッチャ)
スペイン北東部のアラゴン州原産。
“ガルナッチャ”はスペイン語で、”グルナッシュ” はフランス語です。
名前の”グルナッシュ”は宝石のガーネットが由来で、水色は赤色から朱色でやや薄め。
ベリーなど赤い果実の甘い香りがあり、ジューシーで口当たりも柔らかく、タンニンが控えめです。
お酒があまり強くない方や、濃い赤ワインを飲み慣れていない方にもぴったりです。
おすすめのワインは、「ワイン エル・シルコ ガルナッチャ」です。
「エル・シルコ」とはスペイン語で“サーカス”の意味で、アラゴン州のカリニェナ地域最大の生産者グランデス・ビノス・イ・ビニェドス社が手掛けるワインです。
ベルリン国際ワインコンクール 2019で金賞を受賞。
いちごや白胡椒のスパイシーな香りが感じられ、ベリー系果実を思わせるフルーティで軽やかな味わいが楽しめます。
スペインのスパークリングワイン
シャンパンと同じ伝統的製法で造られるスペイン産のスパークリングワインを「カヴァ」と言います。
世界3大スパークリングワインの1つに数えられ、飲みやすさ、コスパの良さは世界中のワインラヴァーに愛され、そのメジャー度は年々高まるばかりです。
カヴァに使うことのできる品種は、白ブドウ5種類(マカベオ、チャレッロ、パレリャーダ、シャルドネ、スビラ・パレン)、黒ブドウ4種類(ガルナッチャ、モナストレル、トレパ、ピノ・ノワール)の、全部で9つ。
主要な品種はマカベオ、チャレッロ、パレリャーダの3種です。
マカブーは爽やかさとフルーティーさが特徴。
チャレッロは力強さと酸味があり、パレリャーダはアロマティックでデリケートな味わいがあります。
今回ご紹介するのは、「ムッサ カヴァ ブリュットNVヴァルフォルモサ」。
造り手はヴァルフォルモサで、1865年創立以来ずっと家族経営。
高品質でお手頃なカヴァを造るのが大事という信念を持っているだそうです。
使っている品種は、マカベオ35%、チャレッロ30%、パレリャーダ35%です。
香りには、フレッシュな青りんご、白い花、ハーブのような爽やかさがあります。
甘味と酸味のバランスが絶妙で、シャープな印象ですっきりとキレのある味わい。
数々のアワードを受賞してることからも、安旨スパークリングとしては最高峰の部類に入ると言えます。
シェリー
最後にご紹介するのはシェリーです。
シェリーは、スペイン南部のアンダルシア地方ヘレス周辺で造られる酒精強化ワインです。
酒精強化ワインとは、ワインを醸造する際に高アルコールの蒸留酒を加えて、アルコール度数をおおよそ15~22度にまで高めたワインのことで、ポートワインやマデイラワインと合わせて世界三大酒精強化ワインと言われています。
極甘口から辛口まで10種あり、好みによって飲み分けられる楽しさも魅力ですね。
「バロン・ミカエラ アモンティリャード シェリー」は、アモンティリャードタイプで、アーモンド、ヘーゼルナッツ、キャラメルを思わせる香りがあります。
色は琥珀色で、ソフトで軽い口当たりながらも繊細なシャープさと力強さがあり、アフターテイストは長めです。
これからの秋の夜長、気分に合わせて食前・食中・食後酒にゆっくりと楽しみたいですね。