11月5日はいいりんごの日です。
2001年に青森県が制定した記念日で「いい(11)りんご(5)」の語呂合わせから来ています。
記念日を制定した2001年を、青森県は「りんご元年」と位置づけ、「2001年りんご元年の集い」を開きました。
青森県ではこの日にりんごフェアなどのイベントが行われます。
りんごと聞いて思い出すのは……?
季節は実りの秋を迎え、さまざまな作物が収穫の時期を迎えていますが、りんごも秋を代表する果物のひとつ。
りんごと聞いて思い出すのはなんですか?
例えば土地であれば、青森や長野であったり、食べ物ならアップルパイ、といったように、すぐにピンとくるものがあるところが、毎日の生活に馴染んだものである証拠でもあります。
りんごの生産量が全国でダントツに多いのは青森県。
なかでも弘前周辺は、行けども行けども広大なりんご畑が広がり、日本全国で作られるりんごの6割が青森県産である所以がよくわかる地域です。
日本シードル発祥の地、弘前
近年定着したクラフトビールという言葉がありますが、小さな生産者が造るさまざまなお酒がブームになっています。
シードルもその例にもれず、ここ数年でたくさんのシードル工房が出来ました。
実は日本のシードル発祥の地は弘前なんです。
ウイスキーを日本で育んできたことで知られるニッカが、1956年にシードルを発売し、その工場を弘前に置いたことが始まりです。
現在、弘前では小さなシードル工房がしのぎを削るようにしてさまざまなシードルを造っています。
甘口から辛口まで、幅広い味わいを楽しむ
シードルというと、甘口のイメージがある人もいるかも知れませんが、ワインと同様に甘口から辛口まで、その味わいはとても幅広いのが特徴です。
日本のりんごから生まれる繊細な香りや味わいを感じながら、食事を楽しむときの食中酒として味わうのがおすすめです。
合わせる食事の幅も広く、魚介類から鶏肉、豚肉などの肉料理、スパイスを効かせた料理などにもぴったりと寄り添ってくれます。
海外と日本のシードルの違い
さて、海外のシードルと、日本のシードルとでは何が違っているでしょうか。
海外のシードルは醸造用に育てられた特別なりんごを使ってシードルを造ります。
小粒で苦みや渋み、酸味の強いりんごで、日本の食用のものとは全く違うものです。
日本のシードルに使われているのは、紅玉などの食用の品種です。
食べておいしいからといって、おいしいシードルになるというわけではありません。
さまざまな技術を用いて、りんごの繊細な味わいが感じられるお酒へと変身させていきます。
2017年には国際シードルメッセで金賞を取るものまで現れ、その進化は留まるところを知りません。
いいりんごの日には、そんな日本シードルを味わってみてはいかがでしょうか。
良いりんごと優れたワインの技術から生まれたシードル
その、金賞をとったタムラシードルは、弘前で最も高品質なりんごが生まれるといわれる宇和野地区と、寒暖差が最も大きいと言われる弥生地区の自社畑で栽培されたりんごを使用しています。
一部は自社工場である弘前で、残りは京都にある丹波ワインにりんごを運び、委託醸造で造られています。
2012年、たまたま知った丹波ワインのシードルを知って取り寄せた田村さんが、自分が造りたいと思っていたシードルに味わいが近かったことから、丹波ワインに委託醸造を依頼するようになったことをきっかけに、タムラシードルは生まれました。
お菓子に使うことでよく知られている、紅玉100%で造られるシードルは、フルーティな香りと華やかな泡立ち、紅玉の酸味が際立つさわやかな口当たり、素朴で自然な甘さが広がります。
アルコール分は5%と、ビールと同程度なので、あまりお酒がたくさん飲めない方の食中酒などにぴったりです。
合わせるのなら、白身魚のカルパッチョや、豚肉のローストなどと一緒にいただくと、その相性の良さが実感できます。
これからブームになる予感のある日本シードル。
造り手はどんどん増えているので、いろいろな造り手のものを飲み比べたりしても楽しいかも知れませんね。