11月の第3木曜日は、ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日です。
2021年は11月18日が解禁日にあたり、深夜0時を過ぎると解禁されることから、深夜も営業しているワインバーなどでは、あらかじめ届いていたボジョレー・ヌーヴォーを抜栓して、2021年の収穫を祝います。
解禁日には販売促進のためのイベントが各地で行われ、スーパーなどでも大々的に販売されます。
そもそもボジョレー・ヌーヴォーとは
ボジョレー・ヌーヴォーという名前は聞くけれど、今さら恥ずかしくて訊けないという方もいるかも知れません。
ボジョレーはフランス・ブルゴーニュ地方の地域の名前で、ロマネ・コンティなどのあるコート・ドールと呼ばれる地域のさらに南にある地域です。
ブルゴーニュの中では他の地域と少し気候や土壌が違い、そのため、育てているぶどう品種も違っています。
ボジョレー地区で育てられているぶどうはガメイという品種で、フレッシュでフルーティなワインを生む品種として知られています。
ヌーヴォーは、新しい、という意味で、ここでは新酒のことを指します。
ボジョレー・ヌーヴォーは、「ボジョレー地区の新酒」という意味だと考えれば良いでしょう。
もともとは15日が解禁日だったボジョレー・ヌーヴォー
ボジョレー・ヌーヴォーは比較的最近始まった習慣で、1951年に始まったものですが、当初、解禁日は11月15日となっていました。
しかし、この日に土日がぶつかってしまうと、ワイン運搬業者が休みになってしまうため、第3木曜日に変更になったといいます。
当時フランスワインはすべて12月15日にならないと販売してはいけない決まりがありましたが、フレッシュな新酒を早く販売したいと、ボジョレー生産者協会は国に申請したのです。
その願いがかなって、一足早い11月にボジョレー・ヌーヴォーが販売されるようになりました。
日本では時差の関係で本国フランスよりも早く解禁になることから、ボジョレー・ヌーヴォーが世界一早く飲めるとして、バブル期は成田空港で解禁パーティーを行ったり、飲食店ではどこに行ってもボジョレー・ヌーヴォーが飲める時期がありました。
今はだいぶ落ち着いて、そういったパーティーを見かけることは少なくなりました。
ボジョレー・ヌーヴォーって美味しいの?
いろいろと取り沙汰されるボジョレー・ヌーヴォーですが、実は酸っぱくて美味しくないとか、あんなものにお金を払うくらいなら、とかいろいろ言われたりもします。
ボジョレー・ヌーヴォーは、ワインが持つリンゴ酸を残す形でワインを造っているので、軽やかな酸味が感じられ、それがフレッシュな印象を与えています。
マセラシオン・カルボニックという、独特の醸造技術を用いて生まれるワインは、いちごやバナナのような香りが感じられるフルーティなものです。
解禁日に間に合わせるために、航空便で日本にやってくるため、他のワインに比べて割高なのは否めませんが、それも含めて、収穫を祝うお祭りのようなものとして楽しむのがいいかも知れません。
ちなみに、ボジョレー地区はヌーヴォー以外のいいワインも造られているので、この機会にチェックしてみるといいかも知れません。
ボジョレーの帝王、ジョルジュ・デュブッフ
ボジョレー・ヌーヴォーの生みの親として知られるのが、ジョルジュ・デュブッフです。
ぶどうを手作業で摘み取ることにこだわり、ていねいなワイン造りを行うことで知られ、ボジョレーの名声を世界に知らしめたといえます。
ジョルジュ・デュブッフのボジョレー・ヌーヴォーは、フレッシュでフルーティな、可愛らしい印象のあるボジョレー・ヌーヴォーの魅力がギュッと詰まった1本です。
肉じゃがなどの濃いめの味付けの和食との相性もよく、解禁日に気軽に味わいたい、楽しい雰囲気のあるワインです。
ぜひ解禁日にボジョレー・ヌーヴォーを手にとって見てくださいね。