11月24日は鰹節の日です。
鰹節のメーカーであるヤマキが制定した記念日で、「いい(11)ふ(2)し(4)」の語呂合わせから来ています。
鰹節の使い方や、上手な出汁のとり方を、たくさんの人々に知ってもらいたいという願いが込められた記念日で、この日には出汁のとり方教室が行われたり、鰹節削りの実演などが行われます。
日本人の食生活に欠かせない鰹節
鰹節はカツオの身を加熱してから乾燥させて作る、保存食のひとつです。
出汁をひくのに使うだけでなく、お好み焼きやたこ焼きにのせたり、冷奴の上に薬味として使ったり、おにぎりの具にしたりと、日本人の食生活には欠かせないものでもあります。
和食の味のベースとなる鰹節を使った出汁は、風味豊かでうまみがあり、料理のしっかりとした骨格になるものとして、日本人の魂に染み込んでいるものだともいえます。
かつお出汁を浸透させた「かつおパック」
鰹節が削られたものがパックになっている、いわゆる「削り節」が、今では一般的ですが、削り節のパックが販売されるようになったのは1969年のこと。
当時は鰹節は紙袋に入れて売られていたため、フィルム包装で鮮度が保たれるかつおパックは画期的なものでした。
ちょうど高度成長期だったこともあり、パックの削り節はまたたく間に一般家庭に広まっていきました。
削りたての風味が長期間楽しめることもあり、鰹節ならではの香りの良い出汁をひいたり、冷奴などに使ってその風味を楽しむようになりました。
それまでは家庭でも、出汁をひくたびに鰹節を削っていたため、その重労働から開放されたともいえ、より鰹節が身近になったといえます。
鰹節とわさびだけをシンプルに味わう「おかかわさび丼」
削りたての鰹節をたっぷりと味わえる料理のひとつに、おかかわさび丼たあります。
炊きたてのご飯にたっぷりの鰹節とわさびをのせ、醤油をひとまわしかけて混ぜていただきます。
わさびの辛みと醤油の香り、ふわふわとした食感の鰹節のうまみを熱々のごはんが引き立てる大人の丼です。
ごはんの上ではらはらと踊るたっぷりの鰹節の、香りと味わいが存分に楽しめます。
わさびも主役の丼なので、できれば生わさびをおろして、たっぷりと添えたいところです。
わさびというと、伊豆周辺や富士宮などの静岡県が名産地として知られています。
清らかな水をたたえた畳石式のわさび田で育つ生わさびは風味がよく、有名な寿司店や日本料理店などで使われています。
おかかわさび丼に、静岡のフレッシュな銘酒を合わせる
わさびの産地でもある静岡県は、良い水に恵まれていることもあり、数多くの銘酒が造られていることでも知られています。
なかでもその名前から、縁起物として贈り物にもよく選ばれているのが「開運」です。
開運は、安定感のある品質と、クリーンで力強い味わいが魅力的な日本酒。
この時期に出る無濾過生原酒は、静岡県の日本酒の実力を感じさせる、その実力を余すことなく発揮する、バランスの取れた味わいが特徴です。
使われているお米は、山田穂という、山田錦の母親にあたるお米で、収穫率が劣ることから、栽培量が非常に少ない酒米のひとつです。
山田穂から生まれるお酒は、山田錦をも凌ぐといわれ、日本酒好きの間で密かな人気となっています。
開運 純米無濾過生原酒は、人気の蔵元がレアな酒米を使って造っていることから人気になっている銘柄です。
山田錦に見られるさわやかな飲み口と、すっきりとした切れの良さがあり、しぼりたてならではのフレッシュでお米のうまみが感じられるお酒です。
冬に向けて出始める、フレッシュな搾りたてのお酒を楽しみながら、日本料理の骨格をなす鰹節のおいしさを再確認する時間を持つのもいいのではないでしょうか。