12月8日は有機農業の日です。
実は2006年12月8日は、有機農業推進法が成立した日です。
国や自治体が有機農業の推進を行っていくということを定めた法律です。
法案成立から10年が経過した際、エコな農業や食べ物をもっと広げていこう!という思いから、12月8日が「有機農業の日」に定められたのだそうです。
有機野菜とは?
「無農薬野菜」「有機野菜」といった言葉、耳にしたことがあるのではないでしょうか?
なんとなく体良さそう、ということはわかっていても、正しい内容を口に出して説明するのは難しいですよね。
野菜の栽培方法は農薬や肥料の使い方により、大きく3種類に分類できます。
1つ目は「慣行栽培」です。
農薬や化学肥料を使う一般的な栽培方法です。
2つ目は、「有機栽培」。
化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと、遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法です。
有機野菜と聞くと、「安全で美味しい野菜」をイメージする人も多いかもしれませんが、それだけでなく、自然の力を生かした環境にやさしい方法により生産されているのですね。
「有機農産物」として出荷・販売するには、JAS規格による検査に合格しなければなりません。
JAS規格とは、農林水産大臣が制定した「日本農林規格」のことで、品位・成分・性質など品質に関係する基準、生産方法に関する基準が定められています。
このJAS規格を満たし、検査に合格すると、「有機JASマーク」を付けることができるようになります。
3つ目は「特別栽培」で、農薬・化学肥料の使用量が規定の5割以下に制限されている栽培方法です。
世の中のほとんどの野菜が慣行栽培されているため、慣行栽培の場合は特に表示はされず、有機栽培や特別栽培の野菜かどうかは表示で確認することできます。
無農薬栽培とは?
無農薬栽培とは、文字通り、全く農薬を使用しない栽培方法です。
多くの方が全く農薬を含まない農産物をイメージするのではないでしょうか?
しかし、実際には土壌に農薬が残っていたり、他の畑から飛散してくることも想定されます。
農産物に全く農薬を含まないことを示す基準やその認定する機関がないため、消費者に誤解を与えないよう、現在は「無農薬」と表示することは禁止されています。
減農薬栽培とは?
減農薬栽培とは、使用する農薬を削減して栽培する方法です。
無農薬栽培と同様、明確な基準や認定機関はありません。
どのくらい量の農薬を減らしているのか、使用する回数を減らしているのか、農薬の毒性はどの程度なのかなど不明確な部分が多いため、現在は「減農薬」という表示もできないことになっています。
そしてワインの世界でもナチュラル志向が進み、ここ数年自然派ワインを頻繁に見かけるようになりました。
ナチュラルワイン
ナチュラルワインやヴァン・ナチュール、自然派ワイン(以下ナチュラルワインとする)と呼ばれますが、実は明確な定義はありません。
ただし、自然への敬意を払って、大きく分けて「栽培方法」「醸造方法」の2点がいずれも自然に由来しているかが大事になってきます。
まず、自然栽培のぶどうを使う必要があります。
自然栽培にも農薬や化学肥料を使わない「ビオロジック農法」や月の運行をベースにした暦に沿って栽培をする「ビオディナミ農法」、土地や環境に配慮しつつ、農薬や化学肥料を少量用いる「リュット・レゾネ」などがあります。
そして、ナチュラルワインの醸造で重要なのは、培養酵母でなく、野生酵母で発酵させていることです。
醸造所や畑、ぶどうの果皮についている自然の酵母を使うことにより、土地・作り手の個性が色濃くワインに反映されます。
また、亜硫酸を酸化止剤として使わない、または最小限に使用量を抑えることも一つの共通認識です。
本来亜硫酸は、発酵をコントロールしたり、バクテリアによる汚染を抑えるために使われます。
そのため、亜硫酸を使わない醸造は非常にリスクが高く、繊細な管理が必要と言えます。
生産地や使っているぶどうが同じだったとしても、造り手によって味わいが大きく変わるのがナチュラルワインの大きな魅力ではないでしょうか。
それでは、年末年始シーズンにぴったりな、スパークリングのナチュラルワインの中でも3,000円以下で手軽に手に入るものをご紹介していきましょう!
おススメの自然派スパークリング
まず1本目は、「デリンクエンテ タフ ナッツ 2021」です。
デリンクエンテは、オーストラリア リヴァーランドのワイナリーです。
オーストラリアで唯一ビアンコ・ダレッサーノが植えられているSherwood vineyardからのブドウを収穫後ただちに100%除梗され、プレス。
ステンレスタンクで野生酵母により醗酵。
残糖が規定レベルに達したところで瓶詰されています。
シトラス系フルーツにクロワッサンのような香ばしさや、トロピカルなフルーツ感に加わった塩味やハーブの複雑さが魅力です。酸化防止剤不使用。
2本目はカタシモワイナリーの「たこシャン」です。
100年以上の歴史を誇る西日本最古のワイナリー・カタシモワイナリーが造る、デラウェア100%の大阪生まれのスパークリングワインです。
除草剤を一切使わずに大切に育てられたぶどうを、シャンパンと同じ瓶内二次発酵により手間ひまかけて醸造。
スパークリング特有のすっきり爽やかな香りの中に、デラウェアのほんのりした甘さが感じられます。
白い花を思わせる爽やかな香りがあり、酸味とコクのバランスもgoo!ぜひ大阪のソウルフードたこ焼きと合わせてみてください!
3本目は「さっぽろ藤野ワイナリー ナイヤガラナチュラルスパークリング2020」です。
藤野ワイナリーは、できる限り自然に近い方法でブドウを造り、ワインを醸造したいと考えた姉妹が営む札幌のワイナリーで、道内産ブドウと市内にある自家圃場のブドウを使い、無濾過で旨みを残したワインを醸造しています。
このワインには、余市町登地区の契約農場で育てられたナイヤガラを使用。
天然酵母の力で発酵させた際に出る自然の炭酸ガスをそのまま閉じ込めました。酸化防止剤無添加。
品質管理のため14度以下で保存する必要があります。
ランの花や白桃を思わせる華やかで甘い香りが広がります!
西洋梨や白桃のようなふくよかな味わいもじんわりと膨らんでゆきます。
様々な造り手の個性が楽しめる自然派ワイン。
ぜひ様々な生産者のものを味わってみてはいかがでしょうか。