毎月12日は豆腐の日です。
日本を代表する豆腐の製造業者で作る日本豆腐協会が1993年に制定した記念日です。
「とう(10)ふ(2)」の語呂合わせから日付は来ており、日本の伝統的な健康食で、栄養豊富な豆腐の販売促進をすることを目的としています。
アジアとはちょっと違う日本の豆腐
日本には遣唐使がもたらしたと言われる豆腐ですが、中国はもちろんのこと、東アジアの国々で日常的に食べられているのをご存知でしょうか。
朝鮮半島や台湾、カンボジア、ベトナム、タイなど、想像しているより広い地域で食べられています。
しかし、他の国の豆腐は、調理法の違いもあり、日本のものに比べると固くしっかりとしたものが多いといえます。
日本の豆腐は独自の発達を遂げており、やわらかくて淡白な味わいが特徴。
冷奴や湯豆腐など、豆腐のおいしさを味わうための料理も多く、日本人ならではの工夫が凝らされ、今の豆腐が出来上がっていることがわかります。
木綿と絹ごし、あなたはどっち派?
そんな日本の豆腐は、代表的なものをあげると2種類に別れます。
木綿豆腐と絹ごし豆腐の2つがその大きなものになりますが、普段どちらの豆腐をよく食べていますか?
どちらの豆腐を好むかは、地域差があると言われており、実際、関東から北は木綿豆腐を好む地域が多く、西は絹ごし豆腐を好む地域が多いといわれています。
その根拠ははっきりとはしないものの、どちらともほぼ半々の割合で分布しているそう。
普段の食生活や、子供の頃からの食習慣で、選ぶものが変わってくるかも知れませんが、料理によって使い分けている人も多いのではないでしょうか。
大豆の味わいが感じられるしっかりとした食感の木綿豆腐と、つるりとなめらかな舌触りの良い絹ごし豆腐のどちらが好きかで、好きな豆腐料理も違うかも知れませんね。
地域で差のある湯豆腐レシピ
やわらかくて淡白、ニュートラルな味わいの日本の豆腐だからこそ、豆腐料理もさまざまなものがあり、煮る、炒める、揚げる、といった技法を使ってその味わいと食感を生かしたものが多いともいえます。
豆腐そのものの味わいを楽しむ、湯豆腐のようなシンプルな料理になると、地域によってレシピに差が出るのもその大きな特徴と言えるでしょう。
鍋に昆布を敷き、豆腐と水を入れて静かに火を通し、鰹節の効いたたれで食べる関西風と、甘塩のたらや野菜をたっぷりと入れて、ポン酢で食べる関東風とでは、全く違った料理のように見えるかも知れません。
湯豆腐とともに楽しみたいお酒といえば
程よい温度にあたためた、湯豆腐とともに味わいたいお酒といえば、やはり日本酒ではないでしょうか。
それも燗をつけて、体の中から温まりたいものです。
できれば、お湯を鍋で沸かして、徳利を熱湯で短時間温めるだけの、アルコール分がしっかりと感じられる上燗を、ぐい呑みでいただきたいところです。
選びたいのは、燗をつけておいしくなる「燗上がりする日本酒」です。
関東では燗上がりすることで根強いファンがいる、神亀酒造の純米酒は、米のうまみやコクがしっかりと感じられ、ボリューム感があるので、湯豆腐以外の料理とも合わせやすいのが特徴です。
居酒屋などで燗酒として提供される日本酒は、お店の好みもあるものの、やはりその地域で愛されている酒蔵の本醸造などを出すお店が多いように思います。
豆腐がその地域の水と密着な関係があるように、お酒もまた仕込みに使う水との関係が強いものだといえ、シンプルにその相性を感じるのも楽しいのではないでしょうか。
豆腐の、大豆から来る甘みや香りとともにいただく燗酒は、寒さが増してくるこの時期を、悪くないなと思わせてくれる、季節の風物詩だと言えるでしょう。