1月10日はひものの日です。
名古屋に本社のあるひもの専門店「塩干の太助」を運営する、株式会社太助が制定した記念日です。
ひものの「干」の字が、漢数字の一と十を組み合わせたものであることから、1月10日となりました。
日本に古くから伝わるひものを多くの人に知ってもらい、食べてもらうことを目的とした記念日です。
「塩干の太助」では、毎月10日にイベントを開催し、セールなどを行っています。
日本の伝統食・ひもの
魚を干して水分を飛ばし、保存できるように加工したひものは、保存性が高いだけでなく、タンパク質が分解されることで生まれるうまみと、独特の食感のある食材です。
その歴史はとても古く、縄文時代の遺跡から貝の干物が見つかっており、4000年前には人々の間でひものが作られていたことが分かっています。
また、奈良時代の正倉院文書には、いわしや鮭、ます、魚の内臓などを干したものを作っていたことが残されています。
魚介を開いて内蔵を取り除き、天日に干したり風に晒したりするというシンプルなものだからこそ、何千年も廃れることなく残ってきた魚介の保存法だといえます。
さらに、今もなお新たな技術を取り入れながら、さまざまな魚介を楽しむ手法のひとつとして広く普及しています。
天日干しと機械乾燥、どう違うの?
ひものは魚介を乾燥して作りますが、その乾燥方法もいろいろあります。
昔は太陽の下に干す、天日干しが一般的でしたが、お天気に左右されたり、均一に仕上げるのが難しいことから、最近は機械乾燥が主流になっています。
機械乾燥の場合は冷風乾燥や温風乾燥などがあり、仕上がりの良い冷風乾燥が最もポピュラーな干し方になっているそう。
しかし、天日干しにもいいところがあります。
うまみ成分がひものの表面に集まることから、より強くうまみを感じられるという研究結果があり、上手に管理するととてもおいしいひものが出来上がるのだといいます。
他には、特殊なセロファンで包んだ魚介を、乾燥した灰に埋めて乾燥させる「灰干し」などもあり、それぞれに違ったおいしさがあります。
お店の人に干し方を聞いてひものを選ぶのも楽しいかもしれませんね。
ひもののおいしい調理方法
魚焼きグリルで焼けばいいだけの、手軽な食材でもあるひもの。
焼く時にちょっとした工夫をするだけで、さらにおいしく食べられるようになります。
まず、解凍したときに出る水分とともに、うまみ成分が流れて出てしまうので、冷凍されているものは解凍せず、凍った状態のまま焼くとおいしく焼けます。
また、魚焼きグリルを予熱して温めてからひものを入れて焼くと、魚が網にくっつかず、きれいに焼き上がります。
焼くときは身の方から焼いて、最後に皮の方を焼きましょう。
焼き時間の割合は8:2で、身の方をしっかりと焼きます。
シンプルに焼いて食べるだけでもおいしいですが、焼いたものを炊きたてのご飯にしょうがとともに混ぜごはんにしたり、アクアパッツァに使ってもおいしく楽しめます。
ひものとよく合う白ワインを探そう
ひものと合わせるお酒というと、おそらく日本酒や焼酎を思い浮かべる人が多いと思いますが、実は白ワインもよく合います。
おすすめなのがポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデです。
ポルトガルは日本と似た食文化があり、塩をたっぷりとまぶしたいわしや、干したたらを使った料理がとてもポピュラーです。
ヴィーニョ・ヴェルデは微発泡の白ワインで、アルコール分も軽く、すっきりとしたさわやかな味わいが特徴。
ひものの持つ独特の香ばしさやうまみを引き立て、さっぱりと楽しむことが出来ます。
ヴィーニョ・ヴェルデは、ひものや塩焼きだけでなく、お刺身にもよく合うので、ストックしておくと重宝します。
ぜひ試してみてくださいね。