1月26日は【寒梅忌】藤沢周平作品を楽しみながら飲みたいお酒をご紹介

1月26日は【寒梅忌】藤沢周平作品を楽しみながら飲みたいお酒をご紹介

1月26日は寒梅忌です。

時代小説家として知られる藤沢周平の命日にあたり、寒梅の咲く時期であることからこう呼ばれています。

2022年は没後25年であり、さまざまなメディアで特集が組まれたり、作品への理解を深めるための文庫が発売されるなど、作家とその仕事を振り返る機運が高まっています。

映像化された作品が多い時代小説の国民的作家

数多くの時代小説を執筆したことで知られる藤沢周平。

「たそがれ清兵衛」や「隠し剣 鬼の爪」など、映画やテレビドラマなどに映像化された作品も多いことから、映像作品で親しんだ人も多いかもしれません。

江戸時代を舞台にした、庶民や下級武士の物語をいくつも執筆している時代小説家として、知らない人はいないといえる作家でもあります。

山形県鶴岡市で生まれ、教員や記者として働きながら、時代小説を執筆して直木賞を受賞。

ユーモアのある剣術ものなどで知られていますが、晩年には生まれ故郷の山形について綴ったエッセイなども残しています。

「海坂もの」に込められた故郷を愛する想い

藤沢周平の作品の中でも、特によく知られているのが「海坂もの」と呼ばれる一連の作品です。

自身の生まれ故郷である、山形県鶴岡市をモデルにしたといわれる「海坂藩」という架空の藩を舞台にした時代小説で、海坂藩の名前は出ずとも、庄内藩とその城下町であった鶴岡をモチーフに綴られていることがわかる作品も多いことで知られています。

海坂ものの代表的な作品には、隠し剣シリーズや「蝉しぐれ」などが挙げられ、短編小説に関しては2007年に「海坂藩大全」として上下巻にまとまったものが刊行されています。

地理的・歴史的な描写だけでなく、食べ物に土地のものが織り込まれたり、地域で育てていた農産物が登場するなど、藤沢周平の郷土愛を感じられるものとなっています。

藤沢作品に描かれる鶴岡の食

海坂ものをはじめとした藤沢周平の作品には、舞台となった山形県鶴岡市で楽しむことのできる郷土料理や食材が数多く描かれています。

春ならば、ほろ苦さがお酒とよく合うふき味噌やたけのこの味噌汁、夏には小なすの漬物やかぶの酢の物、秋には菊の花の酢の物や塩引き鮭、冬にはハタハタやどんがら汁と、山と海に囲まれた城下町の、豊かな食文化を感じることができます。

お酒に関する記述は少ないといえますが、いかにもお酒を呼ぶ風情のある料理について詳細に綴られており、いかに藤沢周平が郷土の味を愛していたかが伝わってきます。

冬の味覚・どんがら汁に合う鶴岡の酒

どんがら汁は、冬の日本海でとれる寒鱈を使った鍋料理で、あらや白子をふんだんに使い、味噌仕立てで食べるものです。

肝の一部を味噌に溶いて使う、深いコクの感じられる料理で、香りの良い岩のりを入れるのがポイントです。

寒鱈の頭から尻尾まで、余さずに使う漁師料理は、鶴岡ではちょうど寒梅忌の頃に親しまれている郷土料理でもあります。

もちろんどんがら汁に合わせるなら、地元鶴岡のお酒を。

藤沢周平も作品の中で評価した竹の露酒造のお酒を合わせたいところです。

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竹の露の白露垂珠は羽黒山の麓で、清冽な仕込み水と庄内平野で育った酒米を使って造られる日本酒。

山形県オリジナルの酒米である出羽燦々を限界まで磨き、酵母も山形のものを使用して醸したお酒は、フルーツを思わせる豊かな甘い香り。

派手さはないものの、バランスの取れた香りとやわらかな口当たり、お米が持つうまみが感じられます。

東北清酒鑑評会をはじめとした、数々の賞を受賞していることでも知られている大吟醸は、冬の日本海でとれる海の幸を引き立ててくれます。

寒梅が咲く頃にやってくる藤沢周平の命日に、好みの映像作品を見たり、本を読み返したりしながら、鶴岡のお酒を味わうのも楽しいのではないでしょうか。

きっと藤沢作品により親しむきっかけになりますよ。

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