2月2日は南アフリカワインの日です。
食品や酒類の卸である国分グループ本社が制定した記念日で、南アフリカワインの魅力を伝え、認知を高めて販売拡大を目指し、南アフリカ共和国との友好関係を築くことを目的としています。
日付は初代ケープタウン総領事だったヤン・ファン・リーベックが、ケープのぶどうから初めてワインが造られたことを記した日記の日付から来ています。
豊かな自然に恵まれた南アフリカ共和国
南アフリカ共和国はアフリカ大陸の最南端にある国で、豊かな自然と独特の生態系があることで知られる国です。
野生動物が数多く生息する内陸部と、世界有数の断崖があることで知られる喜望峰、そびえ立つテーブルマウンテン、美しい海岸線とラグーンなど、多くの景勝地があることで知られています。
1991年にアパルトヘイト(人種隔離政策)が廃止され、現在はすべての人種による民主政権が発足し、多様性を重んじた国として歩み始めたことでも知られ、アフリカ大陸屈指の経済大国としてアフリカの発展に寄与しています。
南アフリカワインの特徴
南アフリカのワインと聞いてすぐにピンとくる人は、かなりのワイン好きなのではないでしょうか。
あまり知られていませんが、南アフリカで造られるワインは高品質でコストパフォーマンスが良く、フェアトレードや環境にも配慮したものが多いのが特徴です。
2000円程度出せば、世界のワイン品評会などで高評価を得たワインを何本も見つけることができ、料理やシチュエーションに合わせた好みの味わいのものを探すのも難しくありません。
近年は南アフリカワイン専門のネット販売を行うショップもあり、幅広い品ぞろえの中からワインを選ぶことができます。
南アフリカの交配品種、ピノタージュ
南アフリカではさまざまなぶどう品種が栽培されていますが、シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンなどの欧州系ぶどう品種の他に、独自の交配品種を栽培していることでも知られています。
その品種はピノタージュ。
1925年に生まれたぶどう品種で、ピノ・ノワールとサンソーを交配して作られた品種です。
栽培しやすいぶどうでありながら、ピノ・ノワールのような繊細さをもち、品質の安定したワインが生まれます。
しかし、1976年にイギリスのワイン専門家たちがピノタージュを酷評したことをきっかけに、ほとんどの畑からピノタージュが抜き去られ、植えられることがなかったのです。
酷評が一転、国を代表する注目品種へ
再びピノタージュに注目が集まったのは1987年のこと。
ワインの品評会でピノタージュが注目され、マスコミが興味を示したことを契機に話題となったタイミングでアパルトヘイトが廃止されました。
そのためワインが輸出できるようになったことから、南アフリカのワイナリーでは欧州系のぶどう品種に注力。
ピノタージュを育てるかどうかはワイナリーによって判断が変わりましたが、今ではピノタージュを主力とする南アフリカの生産者は大きな成功を収めています。
他にもドラマティックな歴史のある品種がいっぱい!
南アフリカのぶどう栽培の歴史はとてもドラマティックです。
その歴史の初めにヤン・ファン・リーベックによってもたらされ、主力品種となっているシュナン・ブランや、かつて盛んに植えられていたサンソー、現在多くのワイン好きが注目しているピノ・ノワールやソーヴィニヨン・ブランなど、多くの品種が栽培されています。
植民地支配や度重なる戦争、そしてアパルトヘイトといった時代の波に翻弄され、その中で発展をしてきた南アフリカのワインは、これまで翻弄されてきたからこそ環境や人にやさしく、飲んでおいしいものが生み出されているといえるかもしれません。
南アフリカワインの日には、ぜひそんな歴史を感じながらワインを楽しんでみてくださいね。