イタリアのデザートワイン、「ヴィンサント」をご存じですか?
「聖なるワイン」という名の通り、キリスト教の儀式などに昔から使われてきた、由緒正しい、甘口のワインです。
美しい琥珀色は、一見するとワインというよりはまるでブランデーのよう。
深みのある香りと共に口に含めば、濃厚な甘みとコクが広がります。
ヴィンサントの原料は、主に白ワインが造られるトレッビアーノやマルヴァジアという品種のぶどう。それらを約半年間陰干ししレーズン状にしたものを醸造、さらに樽で最低3年は熟成させるという、非常に手間と時間のかかるワインなのです。
食後のひと時に、カントゥッチというビスコッティ(固焼きのビスケット)と共にいただくのがイタリアでの定番。そういった理由から、ヴィンサントは酒屋だけではなくお菓子屋で取り扱われていることもあります。
ものによっては「このまま食べたら歯が折れてしまうのでは?」と心配になるくらい固く焼き上げられたカントゥッチもあり、エスプレッソやヴィンサントに浸して食べるのがお決まりです。
ヴィンサントをたっぷりと浸みこませて口に運ぶと……カントゥッチの香ばしさ、ヴィンサントの芳醇な香りが絡み合い、なんとも贅沢な大人のお菓子に早変わり。
ちょっと贅沢な気分で甘いものを口にしたい時、こんなイタリア式の楽しみ方はいかがでしょうか。
【番外編】試してみてほしい、イタリア菓子×日本のお酒!?
ヴィンサントと定番の組み合わせのカントゥッチ、実は日本酒とも相性が良いのをご存知ですか?
ヴィンサントにするのと同じように、カントゥッチを日本酒に浸してみてください。
繊細な米の甘みによってカントゥッチの香ばしさをストレートに感じられ、シンプルでエレガントな味わいが楽しめます。
以外に思われるイタリアの伝統菓子と日本のお酒の組み合わせ、こちらもぜひ一度お試しください。