居酒屋の玉暖簾をくぐり「とりあえずビール!」…そんなビールのイメージは今は昔。今、注目されているクラフトビールが、ビールの新しい時代を創りつつあるようです。
クラフトビールとは、地ビールのこと。大手メーカーが工場で大量製造したビールとは異なり、職人の手で醸造させたものです。手工芸品(Craft)が名前の由来となっています。
おしゃれな若者のメッカ・代官山に、「クラフトビールが呑めるブルワリー(ビール醸造所)」という斬新なスタイルのお店、「スプリングバレーブルワリー東京(SPRING VALLEY BREWERY TOKYO)」がこの春にオープン。クラフトビールの人気を牽引し、話題を集め続けているスプリングバレーブルワリー東京、通称SVBに行って来ました!
SVBは、なんと朝8時からオープン。朝からビールが呑めるなんて!お酒好きには垂涎の一軒です。
でも朝から呑みに行くのは、さすがに少々気が引けるので、SVBまでランニングすることにしました。朝ラン後、渇いたのどをクラフトビールで潤す!スポーツの秋にもふさわしいではありませんか。
朝の町をランニングする私を、「これからビールを呑みに行くところ」だとは誰も思わなかったでしょう。
しかし「代官山」は、やはり「山」でした。急勾配に泣きたくなる箇所もありましたが、「この先には、ビールが!」と思えば、どこからか力が湧いてくるからお酒好きのパワーも捨てたモンじゃありません。
着きました!代官山駅から徒歩4分のところに位置する大きな建物は、東急東横線の跡地に建てられています。
ウッドデッキにオープンテラス、開放感ある高い天井に、広い店内。シンプルなウッドテーブルと椅子。まるでカフェのような雰囲気です。
店内中央にそびえ立つビールタンクが、ここが醸造所であることを感じさせてくれますが、そのタンクも銀色に美しく輝き、オブジェのようです。
こんなおしゃれなお店で、ほんとに朝からビールが呑めるのかしら?!と思って見回すと…みんな呑んでました!
午前中だというのに、ほとんどの方が、テーブルの上に「ペアリングセット」を並べています。
ビール6種類(各100ml)+それぞれのビールに合わせたおつまみのセット。オープニング価格でお得な2,000円です。
さっそくわたしも注文してみました。
ビールの説明が書かれた紙はそのままコースターとしても使われ、メモを書くスペースまであります。
また、手元には「BEER LIST」なるリーフレットもありました。これを眺めているだけでも楽しい気分になります。
テーブルに運ばれてきた6種類のビールは、スタッフの方が1つ1つ丁寧に説明してくれました。
~写真右から~(斜字は、コースターに記載の説明文より抜粋)
◇JAZZBERRY & ドライクランベリー
ラズベリー果汁を加えて醸造した爽やかな呑み口のフルーツビールタイプ。
感想:朝ラン後にはたまらない甘酸っぱさ♪味わいは、いわゆる「ビール」の域を軽く飛び越えていて、炭酸入りの果実酒みたい。
◇Daydream & スモークアーモンド
和素材(ゆずと山椒)を使った個性的な香りと繊細さが魅力のホワイトビールタイプ。
感想:爽やかでのどごしも軽快だけれども、それよりも五味(酸味、甘味、塩味、辛味、苦味)をじっくり愉しみたくなる奥深い味。
◇on the cloud & オリーブ
爽やかな呑み口と、白ワインのようなフルーティーで華やかな香りの上面発酵ビール。
感想:口に含む前に、華やかな香りが鼻に抜けていきました。白ワインに近いです。
◇In the Dark & ピーカンナッツショコラ
ロースト感や渋みを抑えた、柔らかな甘味と上質な苦味が楽しめる濃色ビール。
感想:コーヒーに炭酸を入れると、こんな味になります。いえ、それよりもずっとずっと美味しいです。コクと深みがあって、コーヒーが好きならハマる味。
◇COPELAND & 自家製パストラミ
W.コープランドの名を冠した、豊潤でありながらせっしょなぶるな新次元のピルスナー。
感想:「ふだん呑んでるビールに近い味ですよ」と説明されましたが、まさにそのとおり。
◇496 & パルミジャーノ
SVBのフラッグシップビール。究極のバランスで、強い個性と飲みやすさを両立。
感想:1~30までの数字をたすと、496になるのだそう。「1ヶ月、毎日呑んでも飽きないビール」をテーマに造られたそうです。ふくよかな味わいと、キレのよさが絶妙です。
6種類のクラフトビールはどれもそれぞれに個性的な味わいで、違いがわかりやすいです。難しいことを考えなくても「これが好き、あれが好き」と気楽に楽しめる感じがよいです。
おつまみも予想以上にボリュームたっぷり。ビールとおつまみの組み合わせを変えて、「このビールに甘味は合うかな?」など、ツウな気分を楽しむもよし。
わたしがまた呑みたいと思ったビールは、白ワインみたいなon the cloud。気に入ったおつまみは、ピーカンナッツショコラ。ピーカンナッツショコラのレシピをスタッフの方に伺ったら、親切に教えてくださった上に話が弾みました。
あとでSVBのホームページを見て知りましたが、お店にはこんなコンセプトがあるそうで。
SPRING VALLEY BREWERYは、永遠に完成することのないブルワリーです。
あなたが店舗に来たり、つくり手に声をかけたりしてくれることで、私たちはどんどん進化していきます。
“つくり手”と“飲み手”の交流によって、化学変化のように生まれる新しいビール。
そのビールを酌み交わす開かれた場所。そこに仲間が集まることで生まれるコミュニティ。
そんなことを夢に見て、お店を開けてお待ちしています。
なるほど。話しかけたり、話しかけられたり。和やかな雰囲気はお店のモットーなのですね。一人客とスタッフが歓談している光景がちょくちょく見られました。
自宅からSVBまで走ってきた7.8キロ、消費した401キロカロリーは、ビールとおつまみで帳消しになった気もするけれど。
ラン&ビール、代官山のブルワリーを吹き抜ける新風の心地よさは格別でした。
SPRING VALLEY BREWERY TOKYO(SVB東京)
東京都渋谷区代官山町13 ログロード代官山内
営業時間:8:00~24:00(日曜・祝日は22:00まで)
サイトURL:http://www.springvalleybrewery.jp/