1月6日にいただくお菓子「ガレット・デ・ロワ」
皆さんは、毎年1月「ガレット・デ・ロワ」を召し上がりますか?
近年、クリスマスケーキを予約しに行ったりすると、「『ガレット・デ・ロワ』の予約、承ります」という文字を目にするようになりました。
このお菓子は、1月6日の公現祭(こうげんさい)に食べられるフランス菓子。公現祭とはベツレヘムを訪れた東方の三賢人によって、イエス・キリストが神の子であると祝福された日でエピファニーとも呼ばれ、キリスト教にとって特別な日です。
フランスでは「ガレット・デ・ロワを食べないと一年が始まらない」と言われるほど。
どんなお味のお菓子?
パイ生地にアーモンドクリームを入れ、紙製の王冠をあしらったパイ菓子が一般的。
このお菓子の楽しいところは、お菓子の中に1つ“フェーヴ”が入っていること。“フェーヴ”とは空豆のことで、元々は本物のソラマメが使われていましたが、後に陶器製の人形が使われるようになりました。切り分けた「ガレット・デ・ロワ」の中にフェーヴが入っていたら、その人が王様・女王様“ロワ”(王)となる権利を獲得。その人は王冠を被り祝福され、その幸運は1年間続くと言われています。
日本では、初詣の際におみくじをひいて運試しをしますが、なんとなくそれに近しい行事なんでしょうか。
「ガレット・デ・ロワ」に合わせるお酒は?
このお菓子によく合わせられるのが、りんごのお酒「シードル」。エピファニーシーズン、フランスではガレットのお隣でシードルが売られている光景をよく目にすることからも、定番中の定番のペアリングと言えます。
シードルとは?
シードルとは、りんごの醸造酒。熟したりんごの果汁を樽で発酵させ、りんごの中の糖分がアルコールと炭酸ガスに変化。発泡性と発泡していないタイプがありますが、発泡性の方が一般的です。昔はりんごの皮に付着した天然の酵母と果汁のブドウ糖により、自然発酵させて作られていましたが、安定して発酵させることが難しいため、今では多くの場合専用の酵母を用いて発酵させています。
シードルの味わい
シードルの味わいには甘口、中辛、辛口があり、その違いは発酵期間。発酵期間が短いと、発酵されないまま残る糖分があり甘口となり、期間が長ければ辛口となります。また、発酵時間が長いほどアルコール度数は高くなります。ただ、日本のシードルは甘いりんごで作られることが多いため、甘口であってもアルコール度数が高いタイプもあります。
甘口は、アルコール度数2%程度で残糖が多いため甘さが強く、相性が良いのはスイーツ。中辛は、アルコール度数4%前後で、甘味とともに豊かなコクもあり、好相性なのは肉料理など。辛口はアルコール度数5~7%でシャープな味わい。魚料理や野菜に合わせて。
甘いスイーツに甘い果実酒?と少し意外な印象ですが、りんごの爽やかな果実味と発酵由来のやさしい甘味が意外やパイのバター風味やアーモンドクリームとよく合うんです!
フランスでは、北西部のノルマンディ地方とブルターニュ地方、南西部のバスク地方が主な産地です。中でもノルマンディ地方のシードルは高く評価されています。
お値段もリーズナブルで、750mlのフルボトルではなく、200ml程度の飲み切りサイズのものもあります。また、ノンアルコールのシードルもあるので、場面に合わせてお好みのシードルをチョイスしてみてはいかがでしょうか?