3月17日は聖パトリックの祝日です。
耳慣れない記念日ですが、ビアパブに通う方ならご存知なのではないでしょうか。聖パトリックの祝日、「セントパトリックデー」は、アイルランドの祝日で、アイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックの命日です。
この日はシンボルである三つ葉のクローバー「シャムロック」を身に着けたり、ミサを行ったりします。古くからあるお祝いの日で、1903年から祝日となっています。
アイルランド以外でも祝われる聖パトリックの祝日
セントパトリックデーは、アイルランド以外の国々でも、お祭りやパレードを行う日として知られています。
アメリカでは、アイルランド系移民の多い、ニューヨークやボストンなどでは特に盛大に行われ、ウィスコンシン州のニューロンドンは、この日だけ「ニューダブリン」に改名され、シンボルでもあるシャムロックの緑色でいっぱいになります。
この日はアイルランド料理を食べたり、緑色に染めたビールを楽しんだりするのが恒例となっています。食用色素を使った鮮やかな緑色のラガーを手に、パレードを見たりして過ごします。
緑色のビールというと驚くかもしれませんが、実は日本でも造られています。網走ビールの知床ドラフトというビールで、天然クチナシ色素を使って緑に色付けされています。こちらは知床の新緑をイメージしたもので、海外のビールのような毒々しい色味ではなく、上品な色合いです。
日本での聖パトリックの祝日
日本でのセントパトリックデーのイベントは、首都圏にあるアイリッシュパブなどで、この15年ほど行われるようになりました。
キリスト教のお祭りやアイルランドのお祭りという雰囲気より、アイルランドをもっと知ってもらおうという意味合いの強いイベントが数多く行われています。原宿ではセントパトリックデーパレードが1992年から行われており、シャムロックや緑の衣装をつけた人々が1000人ほど集まって街を練り歩きます。
パブを起点にしたプロモーションイベント
パブではセントパトリックデーにちなみ、アイルランドのビールでもあるギネスや、アイリッシュウイスキーが特価販売されたり、アイルランド料理がメニューに並んだりします。
アイリッシュシチューやシェパーズパイなどの料理に合わせるなら、やはりギネスではないでしょうか。ギネスは、アイルランドで1759年から造られている歴史ある黒ビールです。
缶だからと馬鹿にできないドラフトギネス
ギネスは、日本では樽詰めのものをパブなどで、家庭では缶入りのドラフトギネスが楽しめます。
ギネスをパブで注文して飲むときのクリーミーな泡は、オンタップだからこそのものでもあります。バーテンダーの手で上手にサージングされ、泡にシャムロックを描かれたギネスは、とびきり美味しく感じるものです。
家庭で楽しめるのは缶入りになりますが、これがなかなか馬鹿にできないのです。
ギネスの缶の中には、フローティング・ウィジェットと言われる、3センチほどの窒素ガス入りボールが缶に入っており、缶を開けたときに、ボール内部の窒素ガスが、小さな穴から放出され、グラスに注ぐとクリーミーな泡が出来上がる仕組みになっています。
ギネス缶は開けるのにはちょっとしたコツが要ります。
まず、冷蔵庫で3時間ほど冷やします。冷えたら、大きめのグラスにゆっくりと注ぎます。注ぎ終えたらグラスを眺めながら、少しの間サージングするのを待ちましょう。
グラスの中をゆっくりと泡が立ち上っていく様子は、「カスケードショー」といい、きめ細かい泡が滝のように表面へと流れていく美しいさまを見ることが出来ます。
泡が落ち着いたら出来上がり。ゆっくりと口に含めば、とびきりの、楽しい時間の始まり。缶ギネスで始めるひとときも、たまには良いものですよ。