3月25日は電気記念日です。
1878年(明治11年)3月25日に東京の虎ノ門にあった工部大学校(現在は東京大学工学部)において、東京の銀座木挽町に新設された中央電信局の開局祝賀会が開催されました。
その際、伊藤博文工部卿の発案で工部大学校のエアトン教授の指導により、日本で初めて電灯(アーク灯)が点灯されました。その後1887年(明治20年)3月25日より日本の家庭用配電が始まりました。
3月25日は電気と深い関わりがあるとして1927年(昭和2年)に日本電気協会が記念日に制定しました。
電気が誕生したきっかけ
電気が誕生したのは紀元前の頃と言われています。
紀元前600年頃、ギリシャの哲学者ターレスは琥珀を布で擦ると糸くずなど軽いものがくっついてくることに気づきました。これは下敷きを腕などで擦った際に生まれる静電気のことで、静電気は摩擦電気の一つです。
ターレスが気づいたこの静電気(摩擦電気)は人類で初めて発見した電気と言われています。当時琥珀はエレクトロンと呼ばれており、英語で電気を意味する「electricity」の語源となりました。
デンキブランという酒
デンキブランというお酒を知っていますか?
デンキブランは東京の浅草の神谷バーで生まれたブランデーベースのカクテルで、今も根強いファンを持っています。
まだ電気が珍しかった明治時代、当時珍しいものには電気〇〇と名前がつけられ、船来のハイカラ品として庶民からの関心を集めていました。生まれた当初の電気ブランの度数は45度と大変高く、口の中が痺れるような感覚になるので電気のイメージとかぶり、当初は電気ブランデーと名前がつけられました。
しかしブランデーとは異なるのでデンキブランと名前が変わりました。
ブランはブランデーとジン、ワイン、キュラソーと薬草が配合されているのですが、その割合は社外秘となっています。アルコール度数により名前が異なり、30度のものを「デンキブラン」、40度のものを「電氣ブランオールド」としています。
電気ブラン30度|合同酒精株式会社
ハッカのような爽やかな香りがします。
40度のものと比べるとやや飲みやすいので、初めての方は30度から挑戦するのがおすすめです。
電気ブラン40度|合同酒精株式会社
柑橘系の香りがします。
アルコール度数も当時と同じくらいの40度なので味わいも昔のままを楽しめます。ほんのり甘く、意外と飲みやすいです。
デンキブランの楽しみ方
デンキブランの飲み方はいくつかあり、お酒が強くない人でも楽める方法があります。
飲み方1:よく冷やしてストレートで飲む
デンキブランはよく冷やして飲むのが定番の飲み方。香りもそのまま味わうにはストレートがおすすめです。
飲み方2:炭酸を入れてハイボールにする
ストレートがちょっと…という方は炭酸を入れてハイボールにするのがおすすめです。香りも和らぐのでスッキリして飲みやすくなります。
飲み方3:ジンジャーエールで割る
女性におすすめの飲み方はジンジャーエールで割る方法です。ジンジャーエールの香りとデンキブランの相性はよく、またジンジャーエールの甘味も加わるので飲みやすくなります。
まとめ
デンキブランは太宰治の「人間失格」や芥川龍之介の「十円札」の作品に登場するなど、昭和の文豪にも愛されたお酒です。
当時はデンキブランのチェイサーとしてビールを飲むのが常連客の人気の飲み方だったそうです。なかなかハードな飲み方ですが、デンキブランだけでも十分に美味しいので今夜はノスタルジックな気分で楽しみませんか?