4月27日は世界バクの日です。
中南米と東南アジアに生息しているバクの生態や、生息地が開発のために減少していることから、絶滅の恐れがあるバクの保護を、世界中で呼びかける日として、2008年に制定されました。この日を記念して、各地の動物園では、バクに親しみながら生態を知ってもらうためのイベントが数多く行われます。
もともとは悪夢を食べる生き物ではなかったバク
バクというと、悪夢を食べてくれる動物として知られています。これは、中国から伝わったもので、悪夢を見た後に「この夢をバクにあげます」と唱えることで、同じ悪夢を二度と見ないで済むようになるというものです。バクは中国の伝説上の生き物で、鼻はゾウ、目はサイ、尻尾は牛、脚はトラに似ているとされ、もともとは悪夢を食べる生き物ではありませんでした。バクの毛皮を座布団や布団にすると、疫病や悪気を避けると言われており、バクの絵を描いて邪気を払う風習もあったことから、悪夢を払うことが転じて、悪夢を食べる、になったのではないかと言われています。
伝説の生き物の名をとった、現代に生きるバク
動物園にいるバクは、中国の伝説に出てくるバクと姿形が似ていることからその名がついたと言われています。しかし、古代中国の遺跡からは、バクをかたどった青銅器が出土しています。そのことから、古代中国にはマレーバクが生息しており、その後絶滅したために、伝説上の生き物となって後世に伝えられたのではと考えられています。どういった経緯でどちらが先かは未だに不明ですが、ちょっぴりミステリアスな生き物でもあるのは事実かもしれません。
中国の伝説上の生き物といえば
中国には伝説上の生き物がいろいろ存在します。代表的なところでは、龍や鳳凰が挙げられます。龍や鳳凰は神獣とされ、神獣には10体あると言われています。その中でも麒麟は、神獣の長とされ、龍に似た顔と牛の尾、馬の蹄を持ち、体は鱗に覆われ、毛は金色に輝く姿をしています。賢者や優れた王の登場や死去にともなって現れるとされ、炎を吐いて不道徳者を罰すると言われる神獣です。キリンビールのロゴに使われていることから、日本では馴染み深いといえますが、キリンビールでも中国のお酒を取り扱っています。
中国の賓客にふるまわれる紹興酒
キリンビールが輸入している古越龍山は、中国にある釣魚台国賓館で、各国の元首をはじめとした賓客をもてなす際、ふるまわれてきた紹興酒です。古越龍山は浙江省にあるメーカーで、伝統を活かしながら、より近代的で安全なお酒造りを目指しています。最新の設備を導入した工場のクリーンルームでかめを寝かすなど、一見ミスマッチに思えるようなことも行い、中国の銘酒を生み出しています。
紹興酒、どの飲み方で飲む?
紹興酒の飲み方というと、どんなものを思い浮かべるでしょうか。熱燗にして氷砂糖を入れて飲むのがスタンダードとされたのは、質が悪いものしか輸入されていなかった昔の話。常温のストレートで飲むのが本来の飲み方とされていますが、さまざまな飲み方が楽しめます。氷を入れてロックで楽しんだり、コーラやスプライトで割ったカクテルや、梅酒を少し加えた飲み方など、好みの飲み方を探るのも楽しそうです。中華料理を作って合わせれば、たちまち自宅が中国に。紹興酒は熟成年数の長いものほど香りが複雑で、口当たりもまろやかになります。熟成したものを飲み比べたりするのも楽しいかもしれません。
中国では絶滅して伝説の生き物となったバク。悪夢だけでなく疫病を避けるといわれるバクに願いを込めて、中国のお酒を飲むのも良いのではないでしょうか。紹興酒の酔いとともに、災厄が去ってくれるかもしれませんよ。