ラムネの日は小さなワイナリーのロゼワインを

5月4日はラムネの日です。

1872年のこの日、東京に住む実業家・千葉勝五郎が、ラムネ(檸檬水)の製造許可を得るための願書を提出したことから、ラムネの日と制定されました。ラムネはレモネードがなまって転じたもので、ラムネは玉詰め瓶という、独特の形の瓶に入れられたもののことを指します。

実は幕末に作られていたラムネ

ラムネの日が制定されたきっかけになった、千葉勝五郎の製造許可よりも早く、日本でラムネが造られていた過去があります。それは幕末の頃。ラムネが伝来したのは幕末の長崎や横浜だと言われており、初めて日本人の手で造られたのは1865年のことでした。長崎に住む藤瀬半兵衛がラムネを最初に造ったと言われていますが、いつ造ったのか日付がはっきりしないため、ラムネの日にはならなかったという経緯があります。もしも日付がはっきりしていたら、ラムネの日は別の日になっていたかもしれません。

ラムネとビー玉の深い関係

ラムネの入っている、ビー玉の入った独特の瓶は、ビー玉が入っていることから「玉詰め瓶」と呼ばれています。ビー玉がガス圧で押し上げられ、パッキンに押し付けられることで栓がされるようになっており、開封するときはビー玉を押し下げて、内圧を逃がして開けます。イギリス人のハイラム・コッドが、1872年に米国特許を取得したコッドネックボトルが、元となってできた玉詰め瓶。発祥の地であるイギリスでは使われなくなった今も、日本では根強く使われています。その日本でも、昔ながらのガラスの専用瓶を使用しているメーカーは数社を残すのみとなり、現在ではペットボトルに置き換わってきています。

フルーツ風味の炭酸飲料としての「ラムネ」

縁日でラムネを売る屋台では、カラフルなラムネを見かけるようになって久しくなりました。いちごやメロンの風味がついたもので、柑橘類の風味がする炭酸飲料を指すという、ラムネの基本的な定義とは、矛盾が生じてしまいます。しかし、フルーツ風味の炭酸飲料として広く認識されている側面もあり、いまではすっかりおなじみの飲み物となっています。なかには、わさび味や醤油味といった変わり種まであるラムネ。その懐の深さは、時代とともに形を変える物事を柔軟に受け入れていく、いかにも日本的なものと言えるかもしれません。

ラムネ工場で造られる日本ワイン

実は、そんなラムネや、かき氷のシロップを造っている工場で、造られるワインがあります。ワイナリーの設備自体が60年続くラムネ工場の中にあり、ワインもラムネも、両方造って販売しています。ワイナリーがあるのは栃木県足利市。こんなところにワイナリーが?と思うようなところにあるのですが、ラムネメーカーがなんとなくワインを造っている、というわけではありません。国内のワイナリーを何か所も立ち上げてきた、いわばフライング・ワインメイカーである父と、その下で修行を積んだ娘が醸造家を務めています。Cfa Backyard Wineryは、日々進化するワイン醸造技術にチャレンジしながら、ネゴシアンスタイルでワインを造っているワイナリーです。

日本のテーブルワインとしての「ロゼ」

Cfa Backyard Wineryで造っているワインの中心になっているのが、白ワインとロゼワインです。日本各地からワイナリーに集まる、品質の良いぶどうで造られるワインは、実験的なプロセスをたどりながら、1本のワインになります。中でも注目したいのはロゼワイン。多様な食文化が入り組む日本の食事情を考えると、オールマイティーなロゼは、どんな食事にも合わせやすく、テーブルワインとして親しみやすい、懐の深さがあるといえます。Cfa Backyard Wineryのロゼワインは多様で、タイプの違う辛口ワインを楽しむことが出来ます。ゴールデンウイークの休日でもあるラムネの日に楽しむなら、そんなワインを選ぶのも素敵です。

ここ数年の日本ワインブームで、注目をされることの多くなった日本のワイナリー。ワイナリーは増え続けていますが、醸造家や栽培家は不足しており、そうしたことから、実際に出来上がるワインは、ワイナリーごとに品質の差が大きく出ています。そういう意味では、日本ワインを選ぶのには、少しの知識が必要だともいえます。そんなことを考えながら、ラムネとワインに親しむのも、良いかもしれませんね。

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