5月6日はコロッケの日です。
5(コ)6(ロ)という語呂合わせから来ており、コロッケなどの冷凍食品を製造している「味のちぬや」が制定しました。西洋料理のクロケットを由来とした日本のコロッケは、現在では海外にも広まり、日本語で「korokke」と呼ばれて親しまれています。
コロッケの定義
コロッケはじゃがいものつぶしたものか、ベシャメルソースをベースとしたものに、野菜やひき肉、魚介などを混ぜ込み、丸めて衣をつけ、油で揚げたものをいいます。魚のすり身だけで作ったものなどはカツに分類されます。とんかつ、カレーライスと並び、大正の3大洋食と呼ばれ、大正末期から昭和の始め、洋食が大衆化していく中で広く普及して今に至ります。現在はお惣菜として買い求めるだけでなく、家庭でも作って楽しむようになり、いろいろとアレンジを加えられるようにもなりました。外で買い求めるときも、サンドイッチや惣菜パン、お蕎麦屋さんではお蕎麦やうどんに乗っていたりと、食べ方も多様化しています。
ヨーロッパのクロケットとの違い
非常に大衆的で気軽になったコロッケですが、その由来となるヨーロッパのクロケットはどんなものでしょうか。実はじゃがいものコロッケは、ヨーロッパでは付け合せとして食べることが多く、クロケットというと、ベシャメルソースを使ったものにあたります。日本で言うところのクリームコロッケです。フランスでは、ベシャメルソースにお肉や魚介を入れ、衣をつけてオーブンで焼き上げます。そもそも揚げ物ではなかったりします。歴史をさかのぼっても、最初に洋食店でメニューにのせられたのはクリームコロッケで、当時はとんかつやビーフステーキより高価だったといいます。
大衆食としてのコロッケの誕生
コロッケというと、安い惣菜のイメージがあるのではないでしょうか。今のような大衆食としての始まりは1917年。東京の長楽軒のメニューをきっかけに、この店のシェフだった阿部清六が、関東大震災後に開いた精肉店「チョウシ屋」で販売したことだといわれています。切り口から黒ずんでしまった見栄えの良くないお肉や、ラードを揚げ油に使うなど、より安く提供する工夫が凝らされていたといいます。今では当たり前になっている、お肉屋さんの惣菜コーナーで売られるコロッケは、お肉を売る上で必要だったともいえるかもしれません。
お酒はソースに合わせる!
コロッケを食べるときに欠かせないのがソースです。フルーツやスパイスをたっぷりと使った甘辛いソースは、コロッケの美味しさを引き立ててくれます。コロッケに合わせるお酒を選ぶなら、味の強いソースをカギにすると、相性の良いものが見つかります。たとえば、じゃがいものコロッケでソースをたっぷりかけるなら、オーストラリアのシラーズなどがよく合います。黒胡椒やオレンジの香りがする赤ワインは、スパイシーなソースをかけたコロッケと相性抜群。ラードで揚げた衣の油っぽさも、赤ワインのタンニンが洗い流してくれます。
クリームコロッケと合わせるワイン
週末にちょっと気取って食べるのにも良いクリームコロッケ。とろりとしたベシャメルソースに魚介が入ったものなら、同じようにとろりとした舌触りのあるシャルドネがよく合います。ワインの軽い酸味で口の中もさっぱりします。できたらプイィ・フュイッセのような、フランスのワインを選びたいところ。繊細かつ芳醇な味わいが、普段の食事をワンランク上へと引き上げてくれます。
お肉屋さんの惣菜コーナーの店先で、揚げたてのコロッケが並ぶ様子を見ると、揚げたてをつまみに飲みたくなってしまう人も多いと思います。もうすぐ週末。休日は揚げたてのコロッケを買ってワインを楽しむのも良いのではないでしょうか。幸せな気分になれること間違いなしです。