5月7日はコナモンの日です。
5(こ)7(な)の語呂合わせから来ており、日本コナモン協会が制定した記念日です。たこ焼きやお好み焼き、うどん、パンなどの粉を使った食品の魅力を伝えることを目的とした日で、粉の上手な利用の仕方などを伝える「粉の日」でもあります。
スイーツに始まるコナモンの歴史
コナモンに使われる小麦粉は、普段の食生活に欠かせないものとなっていますが、最初はどんなかたちで使われていたのでしょうか。小麦を粉にして使うようになったのは奈良時代のこと。粉をこね、さまざまな香辛料を入れて揚げた「唐菓子」が最初だったと言われています。唐菓子は中国から伝えられたもので、密教のお供え物として使われていました。貴族だけが口にすることができ、庶民の食生活とは遠いものでもありました。ちなみに現在でも、京都の鶴屋清長で、清浄歓喜団という名前で唐菓子は販売されています。実際に庶民がコナモンを食べるようになったのは江戸時代。この頃になると、小麦を粉にする技術も定着し、その粉からうどんが作られるようになっていました。
水で溶くことで広がるバリエーション
お好み焼きやたこ焼きは、小麦粉を水で溶くことで出来上がりますが、この技法も最初は菓子から始まっています。茶道に用いるお菓子「麩の焼き」がその最初と言われ、水で溶いた小麦粉を薄く焼き、山椒入りの味噌をはさんだクレープのようなものでした。これを発端に、江戸時代末期になると、小麦粉を水で溶いたものを鉄板などに流し入れ、焼いて食べるようになり、これがお好み焼きのルーツとなっていきました。
大阪に根付いたコナモン文化
現在のお好み焼きの形になるまでには、諸説あるといわれています。戦前から屋台で親しまれていた「洋食焼き」という節や、「にくてん」という牛すじやキャベツなどを入れたものという節などさまざまです。コナモン文化はずっと途絶えることなく大阪に根づき、サッと食べられて腹持ちの良いコナモン料理は、戦後の米不足を背景に定着していきました。今ではお好み焼きは大阪のソウルフードとなり、街には専門店が並ぶようになっています。一方、たこ焼きはルーツがはっきりとしており、ちょぼ焼きやラジオ焼きから発展し、1935年に生まれています。現在のようにソースをかけるスタイルではなく、味がついていてそのまま食べるものだったそうです。こちらは鉄板を使った道具が発展していくことで生んだ食文化ともいえます。
お好み焼きと合わせる専用ワイン
お好み焼きに合わせるなら、どんなお酒を選ぶでしょう。気軽にビールやハイボールでしょうか。実はお好み焼き専用ワインが販売されているのをご存知でしょうか。ラベルにしっかりと描かれたコテとお好み焼きの文字が目印のこのワイン。スペイン産の赤ワインで、テンプラニーリョ60%に、メルローとカベルネ・ソーヴィニヨンを使用しています。にっぽんお好み焼き協会や、関西の有名お好み焼き店が協力し、数多くの試飲サンプルの中から選んだものだそうで、選んだサンプルをさらにブラッシュアップして製品化したのだそうです。実のところお好み焼きは、味覚の五味である甘み、酸味、塩味、苦味、旨みのすべてが含まれており、とても複雑な味わいを持った食べ物。複雑な分、相性の良いワインを探すのは大変だったそうです。
コナモンの日にはホットプレートを出して、家族みんなでお好み焼きをいくつも焼きながら、赤ワインを楽しむのもよさそうです。わいわいと、お好み焼きが出来上がるプロセスを楽しむ食卓には、カジュアルにタンブラーに注いだ赤ワイン。肩の力を抜いて、リラックスしてワインが楽しめるのではないでしょうか。