6月11日は梅酒の日です。
暦の上で入梅にあたるこの時期から、全国で梅の収穫が本格化します。
同時に梅酒作りが始まる時期となることから、高品質の梅酒のおいしさを多くの人に味わってもらうのを目的に、梅酒のメーカーとして知られるチョーヤ梅酒株式会社が制定しました。
梅酒を飲んで、元気に夏を乗り切って欲しいという願いも込められています。
古代から親しまれてきた梅を使ったお酒
梅は中国が原産の植物で、2000年前の中国の書物に、すでに梅の効能が記されていたといいます。
日本に伝来したのは、3世紀の終わり頃。その伝来には諸説ありますが、百済の王仁がもたらしたと言われています。
その珍しさも手伝い、多くの人たちに愛され、その効能から、広く利用されるようになりました。
梅酒が文献に現れるのは1697年。「本朝食鑑」に、古酒と白砂糖で梅を漬けたという記述があり、これが梅酒の原型ではないかといわれています。
ご存知の通り、梅の保存方法は多様で、梅酒はそのうちのひとつとして長い間捉えられて来ました。
今のように一般家庭で広く梅酒が造られるようになったのは、1962年の酒税法改正がきっかけとなっています。
家庭での梅酒作りが公認されたことで、梅酒作りは身近なものとなりました。
実際に梅酒を作ってみよう
梅酒の作り方はとても簡単です。
用意するのは、青梅と氷砂糖、ホワイトリカー。そして、保存するためのガラス瓶などを用意します。
青梅をボウルの中でそっと洗ったら、丁寧に水気を拭き取り、竹串などでヘタを取ります。
アルコールなどで殺菌した保存容器に、梅と氷砂糖を交互に入れていき、一番上は氷砂糖を、蓋をするようにのせ、ホワイトリカーを注ぎ、蓋をして冷暗所で保存します。
寝かせること3ヶ月。
梅酒が完成します。
もちろんもっと寝かせれば、その分熟成した丸みのある味わいになります。
ホワイトリカーを使うところを、ブランデーやジン、ウォッカなど、好みのものを使ってもおいしいものが出来上がります。
酒蔵が作る梅酒を味わう
梅とお酒と氷砂糖があれば漬け込める手軽さから、一般家庭での梅酒作りは、いわゆる「梅仕事」のひとつとして浸透していますが、同様に、酒蔵でも数多くの梅酒が造られています。
全国各地で毎年行われる「全国梅酒祭り」には、170種以上の梅酒が並び、試飲を楽しむことが出来ます。
もちろん、気に入った銘柄があれば、購入も可能。毎年梅酒ファンが待ちわびるイベントのひとつでもあります。
ベースになるお酒や梅の品種により味わいも変わることから、酒蔵だからこそ出せる味わいを持つ梅酒も数多く存在し、そうしたものに出会えるのも、イベントならではの醍醐味かもしれません。
梅酒はどれくらい熟成させれば美味しいのか
梅と氷砂糖をスピリッツ類に漬け込んで出来上がる梅酒ですが、どれくらい寝かせたものが美味しいのでしょうか。
化学的な見地から考えると、ただ闇雲に長い期間熟成させればいいというものではないようです。
梅酒が飲み頃になるのは漬けてから3~4ヶ月後ですが、このくらいの時期になると、ショ糖の転化が終わります。そのため、青梅のフレッシュな香りを保ちつつ、おいしく飲めるようになります。
このあとさらに寝かせることで、味や香りに深みが出てきます。
一番美味しくなると言われているのが2~3年後。
梅の持つ甘酸っぱさとともに、まろやかな熟成感を楽しめるようになります。
市販されている梅酒の中では、チョーヤ梅酒の「The Choya Aged 3years」が人気ですが、3年熟成で販売しているのは、これまでのデータの蓄積によるものなのかもしれません。
梅酒の日には、自家製の梅酒や、酒蔵が作る梅酒を用意して、好みの飲み方で楽しむのもいいかもしれません。
梅が持つさわやかな酸味とコクは、これから真夏へと向かう身体を健やかにしてくれるかもしれません。