3月4日はバウムクーヘンの日です。
1919年のこの日、のちの広島原爆ドームである広島県物産陳列館で行われた、ドイツ俘虜展示即売会に、ドイツ人のカール・ユーハイムがドイツの伝統菓子のひとつであるバウムクーヘンを出品しました。
この日を日本でバウムクーヘンの歴史が始まった日として、ドイツ菓子の製造販売を行うユーハイムが2010年に記念日として制定しました。
本国ドイツではなかなか食べられないバウムクーヘン
バウムクーヘンは直訳するとドイツ語で「木のケーキ」を表し、生地が樹木の年輪のように折り重なる層になっていることからこの名が付きました。
日本では結婚式の引菓子などの贈り物から毎日のおやつまで、普段の生活の中で親しんでいるおやつのひとつで、ドイツの伝統菓子といったイメージがあります。
しかし、生まれ故郷のドイツではそれほどメジャーではなく、なかなか食べられないお菓子として知られています。
なぜかというと、ドイツ国立菓子協会がその製法を定めており、作ることの出来るお店も限られた専門店のみになるからなのです。
そんなこともあり、ドイツではお祝いのときなどの特別な日にしか食べることの出来ないお菓子として親しまれているのだそうです。
バウムクーヘンを日常的に食べられる日本は幸せかもしれませんね。
専用のオーブンがないと作れないバウムクーヘン
バウムクーヘンはドーナツ状に穴が中央に開いていますが、これはその作り方によるものです。
生地を巻くための芯があり、芯を回転させながら生地を少量ずつかけて焼いていき、きつね色になったら次の層となる生地をかけて焼くという作業を繰り返して作っていきます。
そのため、オーブンは扉を開けて使うタイプで、オーブンの一番下にバーナーが据え付けられている専用のものなのだそう。
オーブンの熱を受けながら繊細な層を作り出していくバウムクーヘンの職人は、長生きしないとドイツではいわれているのだとか。
丹精込めて焼き上げたバウムクーヘン、大事にいただきたいですね。
お祝いのお菓子としてのバウムクーヘン
薄い層が幾重にも重なり、樹木の年輪のような模様になっているバウムクーヘンは、日本では長い年月をかけて育つ樹木になぞらえて、結婚式のお祝いのお菓子として使われたり、敬老の日の長寿のお祝いに贈られたりするお菓子でもあります。
しっとりとした食感と、やさしい甘さで玉子やバターの香りがするバウムクーヘンは、年齢や性別を問わず多くの人に好まれるお菓子で、日持ちもするので贈り物にしやすいという側面もあるかもしれません。
贈っても頂いてもうれしいお菓子であるバウムクーヘン、もっと日頃の贈り物に使っていきたいですね。
バウムクーヘンに合わせるならこんなお酒
親しみやすい控えめな甘さと、玉子やバターの香りがしっかりと楽しめるバウムクーヘンというと、やはりおやつのイメージがありますが、お酒と一緒にいただくならどんなお酒がいいでしょうか。
ドイツのスパークリングワイン-ゼクト
ドイツの伝統菓子でもあるので、ドイツのスパークリングワイン、ゼクトを合わせるのがはどうでしょうか。
ヨーゼフ・ビファー リースリング・ブリュットは、ドイツのファルツにある醸造所で、跡継ぎがいなかったため、閉鎖する予定だったところを徳岡さんが交渉して借り受けることになったのだといいます。
そして、徳岡さんの熱意と、ガイゼンハイムでワインを学び、父の経営する醸造所でワイン造りを経験した専門性が伝わり、ヨーゼフ・ビファーの伝統を受け継いだワイン造りを任されるようになったのだそう。
ドイツのゼクトではなかなか見かけることがない、48ヶ月もの瓶内熟成をしたワインはリースリングらしい軽やかな酸味と、フレッシュで豊かなコクの感じられる味わい。
バウムクーヘンのもつやさしい味わいや香りを引き立て、口の中をリフレッシュしてくれます。
バウムクーヘンの日のおやつには、ちょっと贅沢にゼクトを冷やしていただくのもいいかもしれませんね。