4月23日は地ビールの日・ビールの日です。
1516年のこの日、ドイツで定められた「ビール純粋令」にちなんだもので、日本地ビール協会を中心とした団体「地ビールの日選考委員会」が1999年に制定し、2000年から実施しています。
この日はドイツでもビールの日とされ、1995年から記念日となっています。
そもそも「地ビール」とは
最近はクラフトビールと呼ばれるようになった地ビールは、規模の小さなビール会社が作るビールのことを指します。
経済対策の一環で1994年に酒税法が改正されたときに、ビールの最低製造量が年間2,000キロリットルから60キロリットルに引き下げられ、少ない量での仕込みが可能になったことをきっかけに、地域に密着した小規模ビール会社が「地ビール」を製造するのがブームとなりました。
これまで他のお酒を造っていた酒造メーカーや、第三セクターなどが参入し、日本中至る所に地ビールメーカーがある、という時期がありましたが、ブームが去ったことで自然と淘汰されていきました。
今のブームは第3次ブームと言われており、キリンなどの大規模酒造メーカーもクラフトビールに参入するようになっています。
さまざまなタイプがある地ビール
地ビールといってもご存知の通りさまざまな種類のビールが造られています。
日本人が好むビールとして一般的になっているピルスナーやラガーといったドイツビールの手法で造られるものや、イギリスのギネスなどと同様に造られるスタウトやエール、その地域で造られている果物を加えて造ったベルギー風のフルーツビールなど、非常にバラエティが豊かです。
特に、ハーブやフルーツを用いたビールはその季節にしか出回らないものでもあり、ビール好きにとって、好きなビールメーカーのフルーツビールを楽しむのは、旬の食べ物を食べる感覚で毎日の生活に取り入れている方もいるでしょう。
さまざまな地域のバラエティ豊かな地ビールを試して、お気に入りのビールを見つけたいですね。
日本の地ビールの元祖・エチゴビール
さて、日本で地ビールをはじめて造ったメーカーはどこにあるかご存知でしょうか?
1994年の規制緩和の後、全国で最初に誕生した地ビールメーカーは新潟県にあります。
新潟市にあるエチゴビールが全国第1号となった地ビールメーカーで、今でも地ビールのパイオニアとして、質の高いビールを造り続けています。
エチゴビールの創業者である上原誠一郎さんは、ヨーロッパで演劇家として活動する中でドイツ人の絵本作家の女性と出会い、彼女のふるさとであるドイツでのバカンスを過ごすうち、豊かなビール文化を体験したといいます。
そのおいしさを日本でも楽しんでもらいたいと創業したのがエチゴビールです。
エチゴビールは地元の素材を使ったビール造りにこだわり、新潟県産のコシヒカリを使用した「こしひかり越後ビール」など、地産地消のビール造りを目指しています。
新潟の名産・コシヒカリを使用した地ビール
エチゴビールが目標として掲げる地産地消の第一歩ともなるのが、米どころ新潟の名産、コシヒカリを使用したビールです。
大麦麦芽にコシヒカリを加えて造ったビールはすっきりとした喉越しで、清涼感のあるクリアな味わい。
キレがよくさっぱりとしたテイストで、これから暑くなってくる時期によく冷やして喉を潤すのに欲しいタイプのビールです。
缶に描かれている田植えの風景は、新潟市出身の墨彩画家、藤井克之さんの作品を使用しており、こんなところにも地元である新潟への愛情が感じられます。
地ビールの日・ビールの日には普段何気なく飲んでいるビールを、改めてどんなふうに造っているのか見直すのにいいかもしれませんね。