4月27日は駒ケ根ソースカツ丼の日です。
長野県の駒ヶ根市には、有志で結成された「駒ケ根ソースカツ丼会」があり、同会が制定した記念日です。
日付は同会が結成された日付からとっており、駒ケ根ソースカツ丼のおいしさをより多くの人に味わってもらい、駒ヶ根市の町おこしにつなげたいという思いが込められています。
駒ケ根ソースカツ丼とは
駒ケ根ソースカツ丼は、ご飯の上に千切りキャベツをのせ、その上にソースをくぐらせたカツをのせたシンプルな料理です。
熱々のごはんと揚げたてのカツに、冷たい千切りキャベツのコントラストと、キャベツやカツに絡まる甘辛いソースが絶妙な味わいです。
その始まりは昭和初期のこと。
昭和3年に駒ヶ根の広小路で「喜楽」というカフェを開いた食道楽の初代主人・市瀬正一氏が、その頃流行り始めた洋食を取り入れ、ソースカツ丼を思いついたのだといいます。
主人の食道楽のあまり、喜楽は一度倒産してしまいますが、現在の駒ヶ根駅の構内あたりで再びカフェを開きます。
そこで出されていたソースカツ丼は、揚げたてのとんかつにたっぷりのソース、冷たくシャキシャキとしたキャベツの食感にこだわっていたのだそうです。
常に揚げたてを提供するので、卵でとじるカツ丼のようにはいかないので、注文から出すまでに時間がかかりますが、揚げたてのおいしさを提供出来るのだといいます。
駒ケ根ソースカツ丼の定義
駒ケ根ソースカツ丼には他の地域のソースカツ丼と違い、9つの定義があります。
この定義を守ることで、どの店に入っても一定のクオリティを満たすソースカツ丼を味わうことが出来るようになっています。
- 器は丼限定
- カツに使うお肉は豚ロースを基本とし、120g以上のものを使う。
- カツはパン粉を付けて揚げた物を使う。
- キャベツは細かく切って水にさらし、水分を切ってから丼のご飯の上にのせる。
- カツを揚げるときの揚げ油に規定はないが、揚げかすは取ってきれいな油で揚げる。
- ソースは駒ケ根ソースカツ丼会で作ったものを最低基準とし、さらに工夫をしたものが望ましい。
- カツをソースにくぐらせるとき、ソースも温めた状態のものにくぐらせるが、ソースをくぐらせてからカツを切っても、カツを切ってからソースをくぐらせてもよい。
- 海苔などはのせない。キャベツ以外の野菜ものせてはいけない。
- 蓋は自由とする。
基準を守りながらおいしいソースカツ丼を作っているお店の人はそれぞれにさまざまな工夫を凝らし、ていねいに作っているのがわかりますね。
お店毎に異なるソースが味の決め手に
駒ケ根ソースカツ丼会が作るソースは伊那の醤油を使い、カラメル色素や増粘剤、甘味料などの添加物や化学調味料を加えておらず、自然な甘みとうまみが感じられるさらっとしたもの。
そのソースをベースに加盟店がそれぞれに工夫をし、オリジナルのソースを作って販売しています。
駒ケ根ソースカツ丼は作り方がシンプルなので、お気に入りの店のソースがあれば、家で再現することもできそうです。
駒ケ根ソースカツ丼によく合うお酒
ソースカツ丼を食べるとき、どんなお酒を合わせるのがいいでしょうか。
濃厚なソースの絡んだ揚げたてのとんかつは、ビールでいただきたくなりますが、ソースの絡んだキャベツやごはんも一緒にいただくとなると話はちょっと違ってきます。
おすすめしたいのは赤ワイン。
せっかくなので同じ長野県内で造られる赤ワインはどうでしょうか。
ミュゼドゥヴァン 松本平ブラッククイーンは、古くから生食用として育てられているブラッククイーンを使用したワイン。
品種由来の酸味と果実の甘みのバランスが良く、同じく酸味と甘みを感じるソースを纏ったかつやキャベツにぴったり来ます。
価格も手頃なので、ソースカツ丼のようなB級グルメを楽しむときにうってつけのワインです。
ようやく旅行などに行きやすくなってきた昨今ですが、まだまだという方もいるでしょう。
駒ケ根ソースカツ丼の日には、駒ケ根のおいしいものを家で楽しんで、旅気分を楽しみたいですね。