4月28日はドイツワインの日です。
2012年に日独友好150周年を迎えたのを記念して制定された記念日で、German WineとGolden Weekを略すときの頭文字が同じであることから、ゴールデンウイーク直前の28日を記念日としています。
毎年この日には日本ドイツワイン協会連合会が主催するパーティーが開かれ、多くの人がドイツワインを楽しみます。
甘いだけじゃない!ドイツワインの魅力
ドイツはぶどう栽培の北限と言われる国で、ぶどうを栽培しているのは南部の川沿いが中心。
緯度が高く日照時間が短いながらも、ライン川やその支流からの放射熱や照り返しの影響を受け、冷涼な気候を生かしたぶどう作りが行われています。
その気候や土壌に合ったぶどう品種も、長い歴史の中でよいものがいくつも品種改良で生まれ、そうした品種を使用した質の高いワインが造られています。
ドイツワインというと「リープフラウミルヒ」に代表される甘口のものをイメージする方が多いかもしれませんが、現在は辛口のすっきりしたタイプのものが主流です。
赤ワインはあまり造られておらず、全体の生産量の8割ほどが白ワインになります。
ドイツのワインは、その冷涼な気候からくる豊かな酸とほのかに感じる甘みのバランスがよい、フルーティで繊細なワインです。
世界で一番厳しい?ドイツワインの法律
ヨーロッパでワインを生産している国にはワインに関する法律があり、一定の基準を満たしたものが銘柄名を名乗れるなど、厳しい決まりがあるのが一般的です。
もちろんドイツもワイン法があるのですが、ドイツの法律は世界で一番厳しいともいわれています。
ぶどう果汁の糖度をもとに、独自の等級制度が決められているのがその特徴で、フランスやイタリアのように、土地や生産者に対する格付けはなされていません。
ワインを造るときにフランスなどでは一般的になっている補糖(糖分を果汁に足すこと)は禁止されており、収穫時のぶどうのエクスレ度(糖度)によって6つの等級に分けられます。
糖度が最も高いものは世界三大貴腐ワインのひとつである、トロッケンベーレンアウスレーゼになり、貴腐菌がつくことでぶどうの水分が抜けて糖度が高くなったものを使用して造られます。
その下のクラスであるアイスヴァインは、畑にぶどうを残したまま冬の訪れを迎えることでぶどうが凍り、そのままの状態で果汁を絞ることで極甘口のワインが生まれます。
熟したぶどうを冬が来るまでそのままにしておくのには、鳥やイノシシなどに食べられたり、病気になったりするのを防がなければいけないため、非常に手間がかかることでも知られています。
急斜面を生かして育てたぶどうから生まれるワイン
ドイツのワインはライン川やその支流の川沿いでぶどうを栽培することが多く、かなりの急斜面にぶどう畑があるため、他の国のように機械が入れず、手作業でぶどうを手入れしたり収穫をするのが当たり前になっています。
急斜面の畑は川面の照り返しなどで日照時間が長く、水はけが良い畑で育つぶどうはワインに力強さを与え、果実味の豊かなものに仕上がるのだといいます。
ゲオルグ・ブロイヤーは今主流となっている辛口の白ワインを復権した立役者のワイナリー。
そのフラッグシップとなるソヴァージュリースリングは、グレープフルーツのような果実味と、ミネラルのような印象を感じることの出来る、しっかりとした芯を持つ白ワインです。
ミュラートゥルガウなどに押されて存在感が薄くなっていたリースリングを再び表舞台に呼び戻すきっかけとなったワインでもあり、今のドイツワインを楽しむ上で欠かせない1本といえるでしょう。
ドイツワインの日には、ソーセージやじゃがいもを使ったドイツ料理を用意して、辛口のリースリングを楽しんで過ごすのもいいのではないでしょうか。
きっと今までと違った体験をすることが出来ますよ。