4月を除く毎月19日はいいきゅうりの日です。
「い(1)いきゅう(9)り」の語呂合わせから日付の決まった記念日ですが、4月はあいち経済連が定めた「良いきゅうりの日」としているため4月以外の毎月とされています。
2018年にきゅうりの出荷団体などで作られた「いいきゅうりの日プロジェクト」が制定しました。
低カロリーでおいしく、さまざまな料理に使えるきゅうりをさらに消費拡大したいという目的で制定されました。
水分補給のために食べられてきたきゅうり
パリパリとした食感とさっぱりとした味わいがおいしいきゅうり。
きゅうりは栄養価の高い野菜ではなく、その95%が水分で出来ています。
そのため、暑い国では水分補給のために食べられてきた歴史があり、メソポタミアやインド、エジプトなどの国々では水分補給用に盛んに育てられてきました。
日本には中国から遣唐使によってもたらされ、今では緑色の未熟なものを食べるのが一般的ですが、かつては黄色く熟したものを食べていました。
今ではお漬物やサラダの材料として1年を通して流通していますが、本来の旬は夏。
パリッとおいしいきゅうりをいろいろな料理で楽しみたいですね。
海外ではきゅうりをどうやって食べる?
きゅうりというとお漬物のイメージがある日本ですが、海外ではどんなふうに食べられているのでしょうか。
ポピュラーなのはピクルスで、小さなものを酢漬けにして保存し、肉料理の付け合せなどに使ったり、ハンバーガーなどに入れることはよく知られているところです。
海外のきゅうりは日本のもののように小さくなく、かなり大きなものが多いのも特徴です。
中華料理では炒め物に入れたり、フランス料理ではミントとともにスープに使ったりします。
そして、よく知られているのは、イギリスのきゅうりのサンドイッチではないかと思います。
アフタヌーンティーとともに広がったきゅうりのサンドイッチ
1930年代、ヴィクトリア時代のイギリスで、アフタヌーンティーを社交の場とすることが広がったときに生まれたのがきゅうりのサンドイッチです。
当時のイギリスではきゅうりは高級品で、それをサンドイッチにして振る舞うのは一種のステイタスだったのかも知れません。
パンは薄いほど上品でよく、食べやすく一口で食べられるサイズに小さくカットしたものが、当時の貴婦人たちに好まれたのだといいます。
具材はきゅうりだけとシンプルではありますが、独特のバランスがあり、おいしく作るのにはちょっとしたコツが必要です。
ヴィクトリア時代の貴婦人になったつもりで味わうのもたまにはいいかも知れません。
きゅうりの入ったイギリスのカクテル、ピムス
イギリスにはきゅうりを使ったお酒もあるのをご存知でしょうか。
ピムスというリキュールを使ったカクテルで、大きなガラスピッチャーに色とりどりのフルーツときゅうりを入れ、ピムスとサイダーを加えて作ります。
ピムス自体はハーブやフルーツを使ったリキュールなので、ほろ苦い味わいなのですが、そこにフルーツやきゅうり、サイダーを加えることで夏らしいさわやかな味わいのドリンクが生まれます。
この、ピムスというリキュールなのですが、リキュールを作るためのレシピを知っているのは世界でたった6人だけなのだそうです。
カクテルにせず、ストレートで味わってみても何が入っているのかわからない複雑な味わいで、レシピを知らない人が再現するのは難しいといわれています。
イギリスでは、夏のアウトドアで楽しんだり、ウインブルドンのリフレッシュメントなどにも使われるほか、ガーデンパーティーには欠かせないものとなっています。
いいきゅうりの日にはきゅうりの入ったピムスをたっぷり作って、庭やベランダで楽しむのもいいかも知れませんね。