毎月10日はコッペパンの日です。
日本で初めてイースト菌を使ってパンを焼く技術を開発したと言われる、田辺玄平翁が始祖である全日本丸十パン少工業協同組合が、丸十のコッペパンをより多くの人達に知ってもらうために制定した記念日です。
日付は丸十の10から来ており、2013年に丸十が創業100周年を迎える際に制定しました。
日本独自のふわふわ食感、コッペパン
ふわふわとやわらかな食感と、ほんのりとした甘みのある生地がおいしいコッペパン。
パンは海外から伝わってきたものというイメージが強く、コッペパンもそうしたものと思うかも知れませんが、コッペパンは日本で独自の発展を遂げ、生まれたパンのひとつです。
一説によれば、明治時代にアメリカで製パン技術を学び、大正時代になって日本で初めてイースト菌を使った製パン法を開発した、田辺玄平によってその原型が作られたと言われており、1919年に日本陸軍に納入するために開発したものがその始まりだといいます。
太平洋戦争中には、配給される主食としてコッペパンが考案され、1人1個ずつ配られていたのだとか。
戦争を体験した人にとって、コッペパンはそのイメージが強く、あまり好まれなかったかも知れませんが、今ではノスタルジックな食べ物として、パン屋さんはもちろん、カフェメニューにも使われて人気を博しています。
学校給食で広まったコッペパン
コッペパンが庶民の間で爆発的に広まったのには、学校給食の影響があるのだといいます。
1980年ころまでは、給食に白飯を出すのには整った調理施設が必要で手間がかかり、今のように米飯を出すのが難しかったため、街のパン屋さんが焼いているコッペパンを主食として出していました。
給仕に慣れていない小さな子供でも簡単に扱うことができ、衛生面やコスト面を考えても割安に済むというのも大きな理由でした。
現在は学校給食でもクロワッサンなどの他のパンが提供されるようになったため、コッペパンの出番は減っているといえますが、子供の頃に食べた懐かしい味を求めて、パン屋さんやカフェで注文する人が中高年を中心に増え、今では専門店も数多く見られるようになりました。
どんな具材とも合うコッペパンの魅力
やわらかい食感と、砂糖やミルクの使われた甘みのあるコッペパンの生地は、どんな具材を挟んでもしっかりと受け止めてしまう懐の深さを持っています。
卵やハム、チーズやソーセージに野菜はもちろん、カツや焼きそばなど、実にさまざまな具材を挟んだものが街のパン屋さんでは売られています。
好みの具材をあれこれ用意して、たくさん買ってきたコッペパンに挟んだものをおつまみに、お酒を飲むのも楽しいのではないでしょうか。
そんなときに合わせるのなら、こんなお酒がおすすめです。
マスカットの甘い香りとかすかな泡がフレッシュなワイン
ふわっと甘みのあるコッペパンに、具材を挟んだサンドイッチやホットドッグなどをおつまみにするのなら、イタリアのモスカート・ダスティがおすすめです。
摘みたてのぶどうをそのまま食べているかのような、フレッシュなマスカット特有の華やかでやさしい香りとほんのりした甘さが特徴の微発泡ワインで、あまりアルコールを嗜まない人にも楽しんで飲むことのできるワインです。
なかでもヴィッラ・ヨランダのモスカート・ダスティは、北イタリアの質の良いぶどうを使っていながら、手頃な価格で購入できるのも嬉しいポイント。
アルコール分も6%程度と比較的軽めで、やさしい甘さとかすかな酸味がさまざまな具材を挟んだコッペパンを受け止めてくれます。
軽やかで華やかな微発泡のワインとともに、軽い食感のコッペパンを合わせれば、いくつでもサンドイッチが入ってしまいそうになること請け合いですよ。