8月6日はハムの日です。
日本ハム・ソーセージ工業協同組合が制定した記念日で、日付の由来は「ハ(8)ム(6)」の語呂合わせです。
狩猟が盛んだった時代に、古代の人々が塩漬けすれば肉を長く保存ができることを知ったのが、ハムやソーセージの起源といわれています。
日本にハムの製造技術が伝わったのは、19世紀の後半で、ハムはかつては高級食材でしたが1960年(昭和35年)頃には一般家庭の食卓にのぼりはじめ、今ではすっかり日本の食文化に定着しています。
様々な種類のハム
ハムは、原料となる肉の部位によって様々な種類に分類することができ、また味わいや特徴も異なります。
ロースハム
ロースハムは、ロースの塊肉を使ったハムで、日本生まれのハムなので、日本人にとっては非常に馴染み深い種類ですね。
脂肪層を外側にして巻いて作る製法で作られており、脂肪分が多くしっとりとした食感になるのが特徴です。
ボンレスハム
ボンレスハムは、豚のもも肉から作られるハムで、綿布で巻いて作られることから「巻きハム」と呼ばれることも。
さっぱりとした味わいで脂肪分が少ないので、サラダやサンドイッチなどと相性が良い種類です。
ショルダーハム
ショルダーハムには豚の肩肉が使われています。
赤身肉が多めで脂肪が少なく、塩分も控えめなのが特徴。
肩肉は筋肉量が多い部位で噛みごたえがあります。
プレスハム
プレスハムは、塩漬けをした豚肉に牛肉や馬肉など様々な肉、小麦粉や調味料などをミックスして混ぜ合わせ、ハムのような形状に固めたものです。
ラックスハム
ラックスハムは、主に豚のロース肉を使用して作られる生ハムです。
塩漬けした豚肉を燻煙処理した後に低温で熟成させて作るのが特徴。
ラックスとはドイツ語で鮭の意味で、鮭のような鮮やかな色合いをしていることからこの名前で呼ばれるように。
日本で製造される生ハムの多くはこのラックスハムで、塩気が強いためサンドイッチやサラダによく使われます。
パストラミ
パストラミは、香辛料を使って調理した肉の燻製食品。
冷蔵が困難だった時代に保存性を高めるために作られ始めたのだとか。
基本的には牛肉を使用しますが、鶏肉・豚肉・鴨肉などを用いる事も。
そのままスライスして、またサンドイッチなどに入れると香辛料の良い香りが相まって味わい深くなります。
ベリーハム
ベリーハムは、脂肪分の多い豚バラ肉を成形・加工して作られており、切り口の独特な模様が特徴です。
ハムステーキにして食べると、ジューシーな味わいが楽しめます。
では次に、世界各国三大ハムの特徴やそれらとペアリングしたいお酒を紹介しましょう。
世界三大ハム①金華ハム
金華ハムは中国浙江省の金華地区で作られている伝統的特産物で、約900年の歴史があります。
原料の豚は頭部と臀部が黒く他は白い「両頭烏猪」という優良品種のみが使用されることから「金華豚」と呼ばれます。
表面にラードを塗り、熟成庫で吊るして長期間熟成。
その後積み重ねられ、上下を入れ替えながら更に熟成させ、このあいだに表面に発生するカビが独特の風味を与えます。
肉質は硬めで塩味が強いので、そのまま食べるのではなく、酒で蒸して料理のアクセントに使ったりし、近年では、脂肪分の多い前脚のハムは薄くスライスして食べることもあります。
永昌源 陳年紹興貴酒 10年
合わせたいお酒は「永昌源 陳年紹興貴酒 10年」。
良質なもち米を醸造した本場中国の紹興酒です。
カメで10年の歳月をかけてじっくり寝かせており、ほどよい酸味とまろやかな舌触りが特長。
ハムの濃厚な旨味に紹興酒のコク・甘味がしっかりと寄り添います。
暑い季節なので、ソーダ割にして楽しむのもいいですね。
世界三大ハム②プロシュット・ディ・パルマ
イタリア生まれのプロシュット・ディ・パルマの語源は、イタリア語で「プロシュガーレ(乾燥させる)」という言葉。
豚のもも肉を塩漬けにし、吊るして乾燥(熟成)させたものです。
パルマ地区特有の、冷涼な気候に昼夜の寒暖差やティレニア海からアペニン山脈を超えて吹き降ろす風などがハムの熟成に大きく寄与し、世界に類い稀なハムを育みます。
生ハムメロンはよく知られた食べ方ですが、現地ではサワーチェリーのジャムを付けて食べられます。
ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ セッコ
合わせたいお酒は「ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ セッコ」。
1923年よりランブルスコ作りを営むセッテカーニ社製。
同社は自然環境保全を基本とした農法を行うサステイナビリティの認定を取得しており、農薬や化学肥料を使わず土壌にやさしい高品質のワイン作りを行っています。
ランブルスコ・グラスパロッサ種 100%。
深いルビー色の鮮やかな色調に華やかな果実の香り、細かな泡とキレのある辛口が心地よい微発泡の赤ワインです。
バランスの良い酸味とタンニンからしっかりとしたコクが感じられます
クリーミーな泡が生ハムの脂の甘みと合わさり、口の中いっぱいに広がります。
世界三大ハム③スペインのハモン・セラーノ
ハモン・セラーノとは「山のハム」という意味。
白豚からつくられ、アンダルシア地方のハブーコ村、トレベス村、エストレマドゥーラ作法のモンタンチェス村のものが最上とされます。
いずれの村も山岳地帯にあり、寒冷な空気のなかで最低でも9ヶ月以上熟成され、独特の風味を産み出します。
イタリアのプロシュートと比べると歯ごたえがあり、塩気はマイルドなのが特徴です。
カヴァ ゴールド ブリュット
合わせたいお酒はロジャーグラートの「カヴァ ゴールド ブリュット」。
同じ風土で育ったワインとの相性はバッチリ!
果実味と熟成感のバランスが絶妙な辛口カヴァで、ペネデス地区で収穫されるチャレッロを中心とした3種類のぶどうから最高品質のもののみを厳選して贅沢に使用。
それぞれの品種の持ち味を生かし、心地よいフルーティさとやわらかな酸味が見事に調和しています。
酸味が柔らかいので生ハムとの相性が良く、生ハムと合わせることで、脂の甘みがより引き立ち、風味豊かに楽しむことができるワインです。
ハムの日は世界三大ハムを味わい、お酒とのペアリングを楽しんでみてはいかがでしょうか?