9月15日は「大阪寿司の日」です。
「大阪寿司」には生ものが使われず、お年寄りも安心して食べられる食べ物として親しまれていことから、長い間「敬老の日」とされていた9月15日が記念日として選ばれました。
大阪寿司とは?
大阪寿司とは、大阪で作られる寿司の総称です。
押し寿司、巻き寿司、蒸し寿司などがあり、その代表格は四角い木の枠にすし飯を詰め、具を乗せたあと、手で押さえてご飯と具材を密着させて作る押し寿司ではないでしょうか。
では、それぞれの寿司についてご紹介していきましょう。
押し寿司
押し寿司は、基本的にはすし飯と具材を一緒に押し固めたものを指し、「さば寿司」や「バッテラ」、「雀寿司」などがよく知られています。
「さば寿司」は、鯖を使って作られる 棒寿司の一種です。九州地方から中国地方、四国地方、近畿地方、北陸地方で広く食べられ、鯖寿司の一種としてバッテラやへしこを使ったへしこ寿司や、焼いた鯖を寿司飯にのせた焼さば寿司などがあります。
さば寿司に合わせたいお酒は、甘口の白ワインです。
さばの生臭さや米酢の特徴的な風味とバッティングさせないためには、鉄分が少なく、香りもフルーティー過ぎず、酸味・渋みもほどよいお酒がぴったり。
甘口ワインには柑橘や杏、フローラルな香りがしっかりとあり、青魚特有の金属臭を緩和してくれます。
また、甘味がありながら酸味もシャープなので、さばの脂をしっかりと洗い流し、すっきりとした後味で次のさば寿司をいただくことができます。
さらに、酢飯には砂糖や塩分濃度が高くお酢もたくさん使用されているので、甘口ワインの甘酸っぱいニュアンスとの風味のバランスが絶妙です。
そこでおすすめしたいのは「レゼルヴ・ムートン・カデ・ソーテルヌ [ハーフボトル]」。
格付け1級シャトー ムートンが手掛ける、ムートン・カデの上級シリーズで、ハーフボトルなのでトライしやすい価格も魅力です。
レモンピールのようなシトラスやパイナップルのアロマがあり、まろやかでこく深く、洋ナシのコンポートのような味わいが口の中に広がります。
偉大なソーテルヌ特有のコクとリッチなテイストを気軽に楽しむのにぴったりな1本です。
「雀寿司」は、小鯛を背開きにして、腹に寿司飯を詰めた寿司で、大阪・和歌山の名物です。
形が雀のようにふくれていることが名前の由来で、もともとはボラの幼魚を用いていたと言われています。
そして、この押し寿司の中でも象徴的な存在と言えるのが、「箱寿司」です。
大阪風の「箱寿司」は、すし飯と具材が2~4段に重ねられているものが多く、中間にはシイタケやカンピョウのみじん切りをはさんで、味と食感にアクセントが加えられます。
一番上段の部分は「上置き」と呼ばれ、魚介や肉、玉子焼きなど、色彩のバランスを考えながら手際良く配置しなければならないため、熟練の職人技が求められます。
この箱寿司に合わせたいお酒は、甘口の日本酒です。
箱寿司には、シイタケやカンピョウ、厚焼き玉子など甘いのしっかりとした具材が含まれているため、やはり甘みと酸味の要素に同調してくれるお酒との相性が良好です。
おすすめは「亀泉 純米吟醸生原酒CEL-24」です。
亀泉酒造は、明治30年に創業された土佐市の蔵元で、香り高くすっきりとキレの良い酒づくりを信条としています。
高知県で作られた酵母(CEL-24)を用い、リンゴやパイナップルを思わせるフルーティーな香りがあります。
酸味と甘味のバランスが絶妙で白ワインを思わせるような味わいが特徴的です。
巻き寿司
「巻き寿司(まきずし)」とは、寿司の一種で、「海苔などの材料で酢飯や具材を巻いたもの」です。
一般的には、巻き簾の上に置いた海苔に酢飯を広げ、その上にさまざまな具材を乗せて巻いたものを指します。
関東の「海苔巻き」は太さに応じて「細巻き」「中巻き」「太巻き」の3種類に分かれるのに対し、関西では通常「巻き寿司=太巻き」を指すという違いがあります。
太巻きには、海鮮のほか、かんぴょうや干し椎茸、厚焼き玉子などがバリエーション豊かな具材が使われます。
そんな巻き寿司に合わせたいお酒は、シャンパーニュです。
シャンパーニュは滓引きをせずに一定期間熟成を行うので、鉄分が滓に吸収され少なくなり、アミノ酸やミネラルが豊富になります。
そのため、魚介のそれらと同調し、心地よく調和してくれます。
また、魚介類の食材とワインをペアリングすると、魚介の生臭さが強調されてしまう場合もあるのですが、発泡性のワインなら余韻の風味が良くなり生臭くなり辛いのです。
おすすめは、比較的リーズナブルな「レ・モラン・シャンパーニュ・ブリュット・キュヴェ・レゼルヴ」です。
レ・モーラン社は、1895年創業。
モンターニュ・ド・ランスの中心に位置する、シニー・レ・ローズ村(ランスにほど近い)にある名門の家族経営のメゾンです。
使われているブドウは、ピノ・ノワール45%、ピノ・ムニエ50%、シャルドネ5%で、ピノ・ノワールからは力強さと豊かなボディーを、ムニエからはまろやかさとフルーティーさを、シャルドネからは繊細さと気品をもたらし、3種類のブドウ品種が素晴らしいバランスを創り上げています。
レモンや花やレモンクリームのようなアロマがあり、ほど良い強さの風味と複雑味のあるバランスの良い味わいです。
日頃馴染みが深いのは江戸前寿司かもしれませんが、大阪寿司の日は、手仕事を施した具材と寿司飯、そしてお酒のハーモニーをお楽しみください。