毎月23日は天ぷらの日です。
夏の暑さにバテないために、天ぷらを食べて元気に過ごそうという趣旨で、一年で暑さが最も激しくなる二十四節季の「大暑」(7月23日頃)が「天ぷらの日」とされています。
その後、天ぷらを食べて元気に過ごそうという意味あいから、7月23日のほか毎月23日も「天ぷらの日」とされています。
ちなみに「天ぷらの日」は「土用の丑の日 」「焼肉の日」(8月29日)と共に、「夏バテ防止の三大記念日」とされています。
天ぷらの歴史
日本に天ぷらの調理法が伝わったのは室町時代で、鉄砲の伝来とともに”南蛮料理”としてポルトガルより伝来したとされ、ポルトガル語の「テンポーラ(temporas)」が語源と言われています。
カトリックでは、四季に行う斎日(テンポーラ)に祈祷と断食が行われ、その間は肉食が禁じられていました。
そこで野菜・魚に小麦粉で衣をつけ揚げた料理を食べていたのだとか。
江戸時代初期になると、天ぷらは”庶民の味”として定着。
当時、寿司、うなぎ、そばなどと同様、天ぷらも屋台で屋台で立ち食いで提供され、串に刺してカジュアルに食べられていたようです。
江戸時代の終わり頃から明治にかけては、天ぷら料理の専門店や料亭が登場。
高級料理としての地位が確立され、この頃にお座敷天ぷらが生まれたと言われています。
天ぷらとワインのペアリング
肉類や魚介類、野菜を衣で包み油で揚げる天ぷらは、素材の旨みや甘みを引き出してくれます。
素材のおいしさをダイレクトに味わうことができるので、和食の中でもワインとペアリングしやすいお料理と言えます。
味付けや食材によって合わせたいワインが異なり、今回はいただく際の調味料別にペアリングワインをご紹介していきます。
味付けでワインを選ぶ①天つゆで食べる
まずはじめにご紹介するのは、天つゆで食べる場合のペアリングです。
天つゆにつける場合は、旨味に同調する軽めの赤ワインやロゼワインがぴったり。
軽めの赤ワインであれば、来月解禁となるボジョレー・ヌーヴォー「ピエール・ポネル/ボジョレー・ヌーヴォー」をおすすめします。
ピエール・ポネルは、1875年に設立され、高品質なブルゴーニュワインを世に送り出すネゴシアンとして広く知られています。
ガメイ種のフルーティーでフレッシュなアロマは、ブラックベリーやさくらんぼ、イチゴ、西洋スグリといったように多様。
タンニンは軽めで、そのフルーツ感を強く感じることができます。
ロゼワインであれば、「パスクア 11ミニッツ ロゼ トレヴェネツィエ」はいかがでしょうか?
パスクア社は、1925年創業のヴェローナの造り手です。
テーブルワインからD.O.C.G.まで幅広いレンジのワインを造り、数多くのワインが国際的なコンクールで多数受賞するなど、世界中で高い評価を獲得しています。
このワインの品種には、土着品種のコルヴィーナとトレッビアーノ・ディ・ルガーナをベースに、国際品種のシラーとカルメネールを使用。
コルヴィーナがフローラルなアロマと豊かな酸、トレッビアーノがエレガントさと長い余韻、シラーが果実味とスパイス感、カルメネールが骨格を与え、バランスの取れた味わいに仕上がっています。
ラベルには、古代ローマ時代のヴェローナ近郊に生きた恋愛詩人カトゥルスの有名な詩が。
「Vivamus, mea Lesbia, atque amemus,」 ( ”ともに生きよう、愛しのレスビア(カトゥルスの恋人)、そして愛し合おう。”)から始まる、「カルミナ(詩集)第5歌」です。
ギフトや記念日にもふさわしいワインですね。
味付けでワインを選ぶ②塩やレモンで食べる
塩でシンプルに食べ、繊細な味わいを楽しむ際は、ミネラル感溢れる白ワインがおすすめです。
「ローゼン ドクター・エル リースリング・ドライ クヴァリテーツワイン」はいかがでしょうか?
銘醸地モーゼルで200年の歴史を持つ実力派のワイナリーで、ドイツの辛口リースリングを主導するローゼン醸造所の傑作品です。
モーゼル特有のエレガントな果実味と酸が感じられます。
ふくらみとなめらかな口当たりと粘板岩土壌のミネラル感がよくまとまっており、非常にバランスのとれた味わいに仕上がっています。
また、レモン等の柑橘を添えて食べるなら、同調する柑橘の香りのある白ワインを合わせましょう。
盛田甲州ワイナリーの「シャンモリ 柑橘香 御坂甲州」をおすすめします。
盛田甲州ワイナリーは、銘醸地 勝沼でも1・2の規模を誇る造り手。
“シャンモリ”の愛称で親しまれ、手ごろな値段で本格的な味が楽しめると評判の高い醸造場で、近年、日本ワインコンクルールやジャパンワインチャレンジなどで、数多くの賞を受賞しています。
このワインには、山梨県笛吹市御坂町二之宮地区にて栽培収穫した甲州種ぶどうを100%使用。
みかんやカボスのような和柑橘の香味が感じられる、フレッシュで程よいコクのある辛口白ワインで、甲州種ぶどうの持つポテンシャルを発揮した1本と言えます。
「天ぷらの日」、食べ方に合わせてワインを楽しんでみてはいかがでしょうか?